◎今日のグラフ:20年固定住宅ローンと金利とSPYの設定来トータルリターン
20年固定 住宅ローン |
SPY(S&P500の ETF)25年 |
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金利・ トータルリターン |
2.80% | 9.60% |
ローン金利と株式利回り
超低金利時代を反映して、メガバンクの20年固定住宅ローンは、3%を切る水準まで落ちています。一方で、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)の設定来25年間のトータルリターンは9.6%です。SPYは、純資産総額30兆円、世界最大の上場投信で、多くの年金基金などが保有しているETFですから、信頼感があります。
借りるよりも資産運用の方が金利高
この数字だけ見ると、借りるよりも資産運用した方が金利が高い状態です。このような状態は、過去何回かありました。
行内預金金利は住宅ローン金利より高かった
昭和の時代の都市銀行(都市銀行が合併を繰り返して現在の3メガバンクになりました。)には、行員の行内預金金利は、住宅ローンより高かったので、行内預金を取り崩さず、そのままにして、住宅ローンを設定していたのです。
バブル時には資産家に銀行が貸付
1989年末をピークとする株式・不動産バブルの時には、医師、弁護士、世田谷区成城などの不動産所有者に、銀行が融資して株式・不動産を買わせていたのでした。この頃、不動産会社に入社して1年もたたない女性社員に、アタッシュケースいっぱいの1万円札の持たせ、土地所有者の目の前にその札束を積み上げて土地を買い上げていたそうです。この話は、マンションデベロッパーの部長さんが話していました。私の知り合いでも数億円の借金を抱え、何十年間もその返済に追われた人がいました。この頃に銀行が、お金を貸すのは、医師、弁護士、土地持ちだけで、私のところには、どの銀行も融資の話を持ってきてくれませんでした。私はコツコツと給与天引きで財形貯蓄に励んでいました。
ITバブルでクルーザーを買ったが、その後離婚
2000年の頃のITバブルの頃には、連れ合いの友人のIT会社社員が、株式公開で大金を手にしました。クルーザーを数千万円で買ったのですが、実際に乗ってみると、家族は船酔いして、その後は一度も乗らなかったそうです。そのIT会社員は浮気をして、夫婦は離婚しました。何年もたたないうちにバブルは破裂しましたが、その後の消息は分かりません。
ゼロ金利は続かない
現在の低金利をどう考えればよいでしょうか。ゼロ金利という水準は、10年、20年と続いているので、特に違和感がなく、当たり前のように受け止めていますが、この状態は、やはり異常だということを認識すべきです。つまり、日本政府と日本銀行が無理をして作り出している状態です。その無理は、どこかにしわ寄せがたまっています。
日本銀行幹部が公然とインフレタックスを発言
問題は国債の残高でしょう。国債残高のGDP比率は、第2次世界大戦後のハイパーインフレ前の状況と同じです。異常な状態は長くは続かないと思います。終戦後の預金封鎖、ハイパーインフレの時に、国民の財産が犠牲になりました。数年前に、日本銀行幹部がインフレタックスの実現を目指しているとの実質的発言が有りました。自分の財産は、自分で守るしかないようです。