◎今日のテーマ:ETFについて6
外国ETFの二重課税回避
アメリカのETFは、4半期ごとに分配金が支払われますが、その際アメリカにおいては現地源泉税10%が差し引かれ、更に日本において20.315%の源泉所得税を引かれます。本来なら、20.315%だけ払えばよいのに、余分に10%を払ってしまうのです。そのため、翌年の確定申告において、その10%分を還付してもらう必要があります。海外ETFの場合、国際的な二重課税を調整するために「外国税額控除」という制度を利用するのです。確定申告に慣れていない人は、面倒くさいと思うかもしれません。
インデックスファンドは二重課税を回避できない
ところが、一般的なインデックスファンドには、この二重課税を回避する方法がなく、取られっぱなしになってしまうのです。アメリカのETFの分配金を2%とすると、二重課税を10%とすると2%✖10%=0.2%を取られてしまいます。少しの手間で0.2%が取り戻せるなら、確定申告を利用できる外国ETFの方が、外国インデックスファンドより有利かも知れません。100万円では2000円、1000万円では2万円、1億円では20万円となります。私も毎年20万円前後還付してもらっています。
現在の私のポートフォリオ
国内のETFが28%、外国のETFが57%を占めています。最初からこのポートフォリオで運用したのではなく、最初は銀行預金、外貨MMFが多かったのですが、2015年から現在の形に近づいてきました。
年率6%程度のトータルリターン(毎年3月の末の評価額)
年平均の利回りは6%です。2011年は、東日本大震災が発生して急速な円高になった年です。2016年はチャイナショックのために、私の金融資産評価額は3000万円縮小しました。年平均6%という数字は、S&P500ETFの平均利回りが10%以上だということを考えると、決して突拍子もない数字ではなく、常識的な水準だと思います。
ETF選びでチェックすべきポイント
モーニングスター株式会社の朝倉智也氏は、次の5項目を挙げています。
① コスト(信託報酬)
② 純資産残高
③ 出来高
④ 乖離率
⑤ ポートフォリオの中身
私は地域別に①コストと②純資産残高を基準にETFを選びます。
① コスト
私は0.1%以下を基準として選びます。
② 純資産残高
純資産総額、資産総額などとも言われます。私の選択基準は1兆円以上です。ただし、オーストラリアのETFだけは国の規模が小さいので3000億円台です。日本のインデックスファンドは数十億円から1千億円しかないので、外国ETFに比べて、1桁か2桁以上違います。
③ 出来高
外国のETFの純資産残高が十分に大きければ、出来高もかなり大きいと推測されますが、同じ銘柄を日本で上場している場合、出来高が大きいかどうかを見る必要があります。SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)は、日本でも銘柄コード1557として上場していますが、一日当たりの売買代金が1億円程度しかないので、必要な時に必要な額を適切な価格で売却できない恐れがあります。従って、私は外国ETFを東証ではなく、ニューヨーク市場で買うことにしています。
④ 乖離率
ETFの場合、出来高が少ないと、基準価額(実際の価値)と取引価格の乖離が大きくなることがあります。これを確認するために見るのが乖離率です。私の場合、純資産総額1兆円という基準を設けていますので、あまり心配していません。
⑤ ポートフォリオの中身
私の場合、エリア別に純資産総額が大きい代表的なETFを購入していますので、あまり気にしていませんが、このブログを作成するときに月次レポートで確認する程度です。