金について考える

金の高騰が続いています。

10年前に購入していれば今頃は2倍になっていたと思いますが、一方で、S&P500に投資していれば3倍になっていますから、金よりもS&P500の方が良かったとも言えます。

また、資産の1~2割は金で保有したほうが良いという人もいますが、1~2割では、総資産全体に対する影響はわずかですから、あまり意味がないのではないかなとも思います。


金は史上最高値に近づいている。1年前に購入したコストコの金塊が現在いくらの価値があるか見てみよう。

2025年6月17日 CNBC Make itの記事を読んで見ましょう。

コストコの金の延べ棒の価値は1年前よりも大幅に上昇しており、需要は急上昇している。

コストコが2023年に金地金の販売を開始して以来、金地金 は安定した人気を誇っており、スポット金価格の急騰もその魅力を高めているようだ。5月には購入制限を厳格化し、会員は1日1回の購入、最大2本までと制限した。

火曜日の朝の時点で、金は1オンスあたり約3,390ドルで取引された。これは最近の過去最高値に近く、昨年の同時期と比べて約45%高い。

歴史的に、 地政学的不安定、インフレ、米ドル高への懸念がある時期には、投資家は金に集まる傾向がある。

2024年6月にコストコで購入した1オンスの金の延べ棒が、記載された購入価格と火曜日の始値スポット価格に基づいて、現在どれくらい価値が上がる可能性があるかを示します。

2024年6月の購入価格: 2,399.99ドル
2025年6月17日のスポット価格: 3,390ドル
未実現利益: 990ドル
増加率: 41.3%

コストコの金塊を売る際に知っておくべきこと

1年前にコストコで金を購入された方は 、利益を出して売却することをお考えかもしれません。しかし、金塊を処分するのは、スポット価格をチェックして差額を懐に入れるほど簡単ではありません。

スポット価格は価格交渉の基準となるが、売り手はどこでどのように売るかによって通常5%から10%ほど安い値段で売られると、フロリダ州ボカラトンに拠点を置く公認ファイナンシャルプランナーのジョン・ユリン氏は言う。

実店舗の金地金ディーラーは通常、対面での査定と即時支払いを提供しており、標準的な1オンスの金地金のスポット価格より1%から5%安く支払うことがある。これは質屋よりも高い場合が多いと、ウォール・ストリート・ジャーナルは2024年4月19日に報じた。オンラインの買い手は、競争力のある価格を宣伝し、保険付き配送の利便性を付け加えていることが多い。

いずれの場合でも、Yelp、Google、Better Business Bureau などのプラットフォームで潜在的な購入者を審査することで、低価格のオファー、隠れた手数料、詐欺を回避することができます。

「個人売買やeBay、Facebook Marketplaceのようなマーケットプレイスは避けた方がいいと思います」とウリン氏は言います。「高額な商品を扱うので、信用度の低い人に遭遇するリスクがあります。」

税金の請求書を忘れないでください

金の売却で得た利益は、株式や債券などの他の投資よりも高い税率で課税される可能性があります。

ブリガムヤング大学の公認会計士で会計・税務教授のトロイ・ルイス氏は4月30日、 CNBCに対し、IRSは一般的に金塊、金貨、宝石などの現物の金を税務上の収集品として分類していると語った。

「収集可能」資産に分類されるということは、金の連邦長期キャピタルゲインは最大28%の税率で課税される可能性があることを意味します。これは、株式や不動産の場合は最大20%です。金が1年以内に売却された場合、利益は通常の所得として課税されるため、売却者の税率区分によっては、さらに高い税率となる可能性があります。

金の売却によって、予想外に「アメリカ政府に支払う税金の額が増えることになるかもしれない」とコネチカット州ニューケナンのファイナンシャルアドバイザー、ビル・シャフランスキー氏は言う。


金投資は投資信託でもできる!メリットや選び方を紹介

インフレ対策として有効な金投資は、現物投資だけでなく投資信託でもできます。投資信託でおこなう主なメリットは、保管コストや盗難リスクを軽減できる点です。

本記事では、金投資を投資信託でおこなう場合のメリットや注意点について詳しく解説します。

金投資の特徴とは

金投資とは、古くから世界中で重宝されてきた「金(ゴールド)」という物質に対して投資をすることです。金投資の特徴として、主に以下の3つが挙げられます。

●世界共通の資産のため換金しやすい
●インフレ対策になる
●現物・積立・投資信託・ETFで投資できる

金投資をはじめる前に、それぞれの特徴を詳しく確認しておきましょう。

世界共通の資産のため換金しやすい

「金」は、世界共通で価値を認められており、ニューヨークやロンドンなど世界の各市場で活発な取引がおこなわれています。そのため、売却を検討したタイミングで換金しやすい点が特徴です。

また、希少性が高く腐食しない点や、宝飾品やハイテク産業用資源として活用されている点から、幅広い分野で需要のある資産と言えるでしょう。

インフレ対策になる

「金」は、預金・証券・債券のように信用が価値の裏付けとなる「ペーパー資産」ではなく、それ自体に価値が認められる「実物資産」のひとつです。そのため、貨幣価値が下落する局面でも、金価格に影響しにくい傾向があり、一般的にインフレ対策として有効とされています。

また、金融危機や国際紛争などの混乱が生じた際、一般的に「金」の人気が高まり価格は上昇する傾向にあることから、「有事の金」とも表現されています。

現物・積立・投資信託・ETFで投資できる

金投資は、現物・積立・投資信託・ETFといった手段を通じて可能です。現物投資の場合、他の3つと異なり、金貨や金地金(金塊)を購入して自分の手元で保有します。

純金積立は、金属メーカーや証券会社などに申し込み、定期的に定額もしくは定量の「金」を購入することです。購入した分は、「金」の現物に交換できる場合があります。

投資信託とは、投資家から集めた資金を専門家が投資・運用し、運用成果分を各投資家の投資額に応じて分配する仕組みの金融商品のことで、「金」を投資対象とした商品もあります。また、金ETFとは、証券取引所に上場している「金」の投資信託のことです。

本記事では、金投資を投資信託でおこなうケースを中心に取り上げていきます。

金投資を投資信託でおこなう2つのメリット

現物投資ではなく、あえて投資信託を通じて金投資するのは、いくつかメリットが期待できるためです。金投資を投資信託でおこなうメリットとして、主に以下のメリットが挙げられます。

1.保管コストや盗難リスクを軽減できる
2.比較的少額から投資できる

各メリットを確認していきましょう。

1.保管コストや盗難リスクを軽減できる

現物投資では、金融機関や事業者に「金」を保管してもらう際に保管コストがかかり、自宅で保管する場合も盗難リスクがあります。その点、金現物に投資したり、金価格に連動したりすることを目指す投資信託だと、金現物の保管コストや盗難リスクを軽減できる点がメリットです。

保管の手間・費用や、大切な「金」が盗まれる心配をしたくないという方に向いています。

2.比較的少額から投資できる

一般的に現物投資では、「金」を購入するにあたって最低でも数千円から数万円かかります。証券会社や商品によっても異なりますが、投資信託であれば数百円から数千円で購入できるため、現物投資と比べて少額から投資できる点がメリットです。

そのため、元手が少ないけれど金投資をはじめてみたいという方向きといえるでしょう。

金の投資信託における3つの注意点

まず、どの手段を用いようと、金投資には為替相場や社会情勢で価格が変動するリスクもあることを理解しておかなければなりません。また、金投資や投資信託で金投資する場合の注意点として以下の点が挙げられます。

1.インカムゲインを期待できない
2.コストがかかる
3.つみたてNISAを利用できない

金投資をはじめる前に、3つの注意点を把握しておきましょう。

1.インカムゲインを期待できない

一般的な投資では、保有した資産を売却することで得られるキャピタルゲインと、資産を保有している間に得られるインカムゲインを狙えます。しかし、金はそれ自体が金銭を生み出す資産ではないため、投資手法(投資信託・現物)によらず、 「金」に投資する金投資は、一般的にインカムゲインを期待できません。

なお、不動産投資では家賃収入、株式投資では配当金、債券投資では利息、多くの投資信託では分配金といったインカムゲインを期待できます。

2.コストがかかる

現物投資では、「金」の保管コストがかかります。金投資の投資信託では保管コストはかかりませんが、各種手数料が発生する点に注意が必要です。

投資信託の手数料には、購入する際にかかる販売手数料、換金(解約)する際に発生する信託財産留保額などがあります。また、保有期間中に運用会社等へ支払うため信託財産の中から一定額差し引かれる信託報酬も手数料の一種です。

3.つみたてNISAを利用できない

投資信託を毎月一定額購入して積み立てていく場合、非課税制度の一種であるつみたてNISAを利用できることがあります。つみたてNISAの対象は、金融庁の定めた基準をクリアした公募投資信託と上場投資信託(ETF)に限られており、金の投資信託では利用できません。

上場株式や投資信託など幅広い商品が対象となる一般NISAであれば、金関連の投資信託でも非課税枠を利用できます。一般NISAの場合、積立投資に限らず商品を一括購入することも可能です。

金の投資信託を選ぶ際のポイントは3つ

さまざまな金融機関で、金の投資信託を取り扱っています。その中から、商品を選ぶ際のポイントは、主に以下のとおりです。

1.為替ヘッジ「あり」か「なし」か決めておく
2.手数料をチェックする
3.純資産額を確認する

3つのポイントを確認していきましょう。

1.為替ヘッジ「あり」か「なし」か決めておく

為替ヘッジとは、為替を利用した取引をおこなう際に、円高・円安といった為替変動で損益が発生することを回避(ヘッジ)する仕組みです。一般的に、金取引は米ドルの影響を受けるため、為替ヘッジ「あり」にするか、「なし」にするかあらかじめ決めておきましょう。

為替ヘッジを「あり」にしておけば円高による損失を避けられますが、円安になった際の為替利益は期待できません。

2.手数料をチェックする

「金」を対象とした投資信託でも、各商品(ファンド)によって信託報酬というコストが異なります。まずは各商品をチェックし、信託報酬が低いものに注目しましょう。

ただし、各商品で運用方針や内容が異なることはあります。信託報酬だけでなく、自分にあった商品なのかを確認しておくことも大切です。

そのほか、購入時に支払う販売手数料も販売会社によって異なることがあります。

3.純資産額を確認する

純資産(総)額とは、各投資信託のファンドの大きさのことです。純資産額が少なすぎると、今後運用が終了(償還)となる可能性があるため、あらかじめ金額をチェックしておきましょう。

ただし、純資産額のみで将来の償還可能性を予測できるものではありません。そこで、運用会社のホームページから過去にどのような償還事例があるのか確認しておくことも大切です。

投資信託から金投資をはじめよう

一般的に、インフレ対策として有効な金投資を、投資信託ではじめられます。投資信託を通じて金投資をおこなうメリットは、保管コストや盗難リスクを軽減できる点や比較的少額からはじめられる点です。

手数料がかかる点やつみたてNISAでは利用できない点などの注意点を理解した上で、金投資を投資信託ではじめてみましょう。