金融広報中央委員会
金融広報中央委員会は、都道府県金融広報委員会、政府、日本銀行、地方公共団体、民間団体等と協力して、中立・公正な立場から、暮らしに身近な金融に関する幅広い広報活動を行っています。
金融リテラシー調査
今回はそのうちの金融リテラシー調査(2016年)の質問項目を題材に、個人のお金のことを考えてみたいと思います。それぞれに質問に対して、正解というものは一応ありますが、よく考えてみることが大事なのだろうと思います。なお、私の意見は、⇒の後に示してあります。
Q1 次の点は、あなたご自身にどの程度あてはまりますか。
1.何かを買う前に、それを買う余裕があるかどうか、注意深く考える
⇒ 永六輔(えいろくすけ)は子供の頃に、父親にあるものを買ってほしいと言いましたが、その時父親は「君が必要とするなら買ってあげるけど、欲しいだけなら買ってあげない。」と言われたそうです。私はさらに進んで、1か月(場合によっては1年)経っても必要と考えるなら買うのが良いと思います。一定の時間をおいても必要なものは本当に必要なのでしょう。しかし、そうはいっても、感情を抑えられないときもあるものです。かつて精神的に追い詰められた時に、音楽CDが無性にほしくなったことがありました。どう考えても必要だからではなく、感情を鎮めるための買い物でした。
2.請求書の期日に遅れずに支払いをする
⇒銀行の引落のために、普段から最低でも50万円ほどは置いてありますから、引落ができなかったことはありません。
個人のクレジットカード履歴は、信用情報機関に2年間保管されます。また、クレジットカードのいわゆるブラックリストとは、以下の状態の場合、信用情報機関に「返済能力が無い人」と登録されることを言います。ブラックリストに載ると、ほぼ審査に通らなくなります。ブラックリストに載る機関の理由は次のとおりだそうです。
<5年以内>
● 無断で、61日以上、または3ヶ月以上の返済遅延をした。
● 長期または複数回の延滞によって、強制的に解約をされた。
● 任意整理を行った。
<10年以内>
● 自己破産を行った。
3.類似する商品が複数あるとき、自分が「良い」と思ったものよりも、「これが一番売れています」と勧められたものを買うことが多い
⇒ 自分の方が知識がない場合も有りますから、説明をよく聞いて、価格と機能・メリットを総合的に考慮して判断します。コスパは常に重視しています。投資信託の場合は、「インデックスファンドの中で」とか、「信託報酬が0.3%以下の商品の中で」という修飾語が付くと、かなり正解に近いものになります。
4.お金を貯めたり使ったりすることについて、長期の
計画を立て、それを達成するよう努力する
⇒長期の計画を立てることは、現実には非常に難しい。例えば、会社に入るまでは、その会社の福利厚生や給料はなかなか分からないものです。福利厚生で社宅が充実していれば、多少狭くて汚くても社宅を利用することが、金銭面では非常に有利です。また、会社の給与が分かったとしても、自分がどのように昇進するか、会社の業績がどうなっていくかは、だれにも分かりません。さらに、計画を立てて過度の節約すると、人間関係ができなくなるかもしれません。出世をしたいのなら、ある程度は人におごって人間関係を構築することも大切でしょう。節約する部分と、お金を使う部分を切り分けて、効率的にお金を使うのが良いのではないでしょうか。長期計画にばかり固執するのも、どうかと思います。
5.先行きのためにお金を貯めるより、今お金を使う方が満足感が高いと思う
⇒ 個人の満足感を高めるためにお金を使うのは、無駄な場合が多いような気がします。靴や服装にお金をかけても、それ評価してくれる業種に勤めているのでなければ、ただの自己満足に終わる可能性があります。一番無駄なのは、都会に住んでいる人が自動車を持つことでしょう。自動車代、その維持費と関連費用を考えれば、年間100万円が必要です。そのお金を25歳から40年間貯蓄して株式投資信託で運用すれば、
- 5%運用で1億2千万円
- 8%運用で2億6千万円
貯まります。自動車に乗らずに電車、バス、そして時々タクシーを使えば、1億円、2億円が手に入ります。これが複利の威力です。ウォーレン・バフェットは、若いころに床屋に行くべきかどうかを真剣に悩んだそうです。床屋に行くお金を投資に回せば、将来大金になって戻ってくるからです。そして、バフェットの資産は現在約10兆円に増えました。
6.その日暮らしで明日のことは明日また考えればよいと考えがちである
⇒ この問題は難しい。メキシコ人は、あまり将来のことを考えないそうです。このせいもあって、あまり悲観的にならず、自殺者も少ないそうです。一方、将来のことを考えすぎると不安になってしまうと、自殺が増えるそうです。日本人は将来のことを考え、自殺者も多いとされています。将来のことは真剣に考えても良いですが、深刻に考え過ぎないことです。
7.自分のお金の運用や管理について、十分注意している
⇒ 今のところ十分注意しているつもりです。多少心配しているのは、私(あるいは連れ合いも含めて二人とも)が突然の事故などで死んだときに、ちゃんと相続できるのかどうか、ということです。追い追いやって行くしかありません。
8.お金を借りすぎていると感じている
⇒ お金を借りたことはありません。住宅ローンも使っていません。住宅は持ち家ですが、現金で支払いました。
<明日に続く>