<昨日に続く>
個別株式投資は、自分なりのルールを決めて株式に投資すれば、もっとも良い投資方法である可能性があります。そのルールは以下の通りです。
- 趣味の範囲の金額にする
- 銘柄を最低10(できれば20)以上に分散させる
- 各銘柄は業種を分散させる
- 株主優待を選択基準にしない。もしするなら、それも趣味と割り切って、余計にお金を払う必要があると割り切る
- 買ったら、売らずにそのまま放っておく
いつ売るか
ところで、これらのルールを守っても、どのような銘柄を買えばよいのか、あるいは、長く持ち続けると言っても、倒産や上場廃止の可能性が出てきても、売らないでよいのかの判断は難しい問題です。
プロの株価予想はあてにならない
以前私が勤めていた会社の株価将来予測を株の雑誌で見たことがありますが、ある専門家が「株価は10倍になる」と予測していたことがありました。しかし現実には株価は急落しました。
バフェットもインデックスになかなか勝てない
投資家のウォーレン・バフェットは、ヘッジファンドのアクティブファンドとS&P500インデックスの成績に関し、賭けをしたことがありましたが、ヘッジファンドが完敗でした。そのウォーレンバフェットも、最近ではS&P500インデックスに勝つのはなかなか難しいようです。どの株が値上がりするかは、プロでも的中させることが難しいのですから、素人の私たちにとっては至難の業です。というよりも不可能だと思っています。
私の周辺の企業倒産
過去において、私の周りで起こったことを上げると以下の通りです。
- 山一証券の自主廃業:私の父親が株式を保有していました。
- 連れ合いの勤めていた会社が倒産:連れ合いが投資した400万円の株式の価値がゼロに。
- 東芝不正会計が発覚:私の父親が保有していた株が暴落
損切はうまくできるか
このような株は、あとから見れば、もっと早く打っていればよかった、と言えますが、株価が暴落するのは、倒産する会社だけでなく、他の会社でもよくあることです。株価が下がった時に損切りばかりしていたら、結局は損することになるかもしれません。
ソニーの過去20年のチャート
例えば、ソニーの株価の2000年からの動きを見てみましょう。2000年には15000円をつけていましたが、2012年には20分の1まで下落しました。そして2021年には1万円台に回復しました。時価総額は日本第4位です。こんなことは、素人もプロも、だれも予想できなかったのではないでしょうか。
個別株式を追いかけると仕事に支障
これが個別株式の怖さであり、難しさです。この株価を追いかけ、一日中考えたり、調べたりしていて、精神的に参ってしまう話を聞きます。しかも、本来自分のすべき仕事がおろそかになってしまう場合も多いようです。
お金を少し払っても楽に運用したい
それでは、少しだけお金を払っても良いから、もっと気楽に資産を運用して、利益のほとんどを自分のものにできないものでしょうか。
できます。それが低コストの株式のETFとインデックスファンドです。
② 低コストの株式のETFとインデックスファンド
少し変動幅の大きい財形貯蓄
この2種類の投資は、個別株式と違って、あまりのめりこまず、血道をあげないで済む方法です。私の気持ちとしては、投資というよりは、少し変動幅の大きい財形貯蓄に近い感覚で運用しています。
財形も利率は変動
私は20代から50代まで約30年間財形貯蓄を続けました。財形貯蓄は元本が確保されていますが、利率は都市によって変動し、5%を超えることもありましたが、2000年代に入ってからはかなり低くなり、最近では1.5%~1.0%にまで下がりました。元本は確保されているものの、リターンの変動幅はかなりありました。
10年、20年の長期では安心して投資
一方で、株式のETFやインデックスファンドは、1年単位での元本は確保されていませんが、個人投資家の運用期間である10年、20年という長期ではかなり安心して投資できる商品だと考えています。
ETFはインデックスファンドの一形態ですが、証券取引所に上場されていますので、ここでは、別の商品群として扱います。
利用金融機関は証券会社
低コストの株式ETFとインデックスファンドの信託報酬(コスト)は年率で0.1%以下のものが多く、しかも株式と同じように株価は長期上昇傾向にあります。したがって、どちらの商品群も有望なのですが、実際に買おうとすると、対面証券会社とネット証券会社では違いがあります。
- 対面証券会社:野村證券や大和証券などのように、全国の都市に支店を構えて、支店でも電話でも株式の注文ができる会社。
- ネット証券:SBI証券や楽天証券などのように、口座開設、株式の発注などをインターネットで行う会社。
中高齢層は野村、大和などの対面証券で十分
50歳代、60歳代、70歳代の人は、すでに野村証券などの対面証券に口座を持ち、株式を保有したり、かつては公社債投信などを購入した経験のある場合も有るかもしれません。しかし、口座があっても、株式ETF、特に海外の株式ETFは購入した経験がない人もあり得ます。しかし口座があれば、株式ETFでの投資を始めることは簡単にできます。
ネット証券の口座開設はインターネット
一方、ネット証券に証券口座を持っていない場合には、口座開設から始めることになりますが、その場合には、対面証券のように支店の窓口ではなく、インターネットで手続きすることになります。紙による手続きも可能ですが、実際の発注はインターネットによることになりますので、普通の人は初めからインターネットを利用します。
ネット証券の口座開設は少しハードルが高い
ところが、インターネットによる手続きは、昭和生まれの人たちにとって、けっこう高いハードルかも知れません。電話で相談しながら入力することも可能ですので、簡単に開設できる人もいるでしょうが、そこで挫折してしまう人もいるかも知れません。名前に環境文字が入っていたり、必須項目の入力がなければ先に進めません。判断に迷う項目もあります。
わずかなコストより大きなリターン
それならば、少しコストがかかっても、対面証券で株式ETFを買った方が、良いという判断もあります。ネット証券を使えないからという理由で株式ETFの投資をしないよりは、早く投資行動に移す方が、はるかに良い結果を得られると思います。
野村證券のETF、10年間で2倍に増加
かくいう私も、連れ合いも、証券口座は野村證券しか利用していませんし、10年ほど前に株式ETFの投資を始めて、現在の評価額は2倍に増えています。
<明日に続く>