50歳代、60歳代のための具体的投資(70歳代以上の方もどうぞ) 7

<昨日に続く>

中高年層は対面証券で十分

昨日までは、50代、60代、あるいはそれ以上の中高年にとって、ネット証券だけでなく対面証券でも十分に利用価値があるという話をしました。しかし、対面証券を利用する場合、気を付けなければいけないことがあります。

山一証券社員の親切なアドバイス

かつて、アメリカに出張するときの飛行機で、山一証券の人と隣同士になったことがありました。その人とは初対面だったのですが、たまたま共通の知り合いがいることで打ち解けました。私が、「株の勉強をしたいので、何かを買いたいが、何が良いか?」と尋ねたところ、「投資信託だけはやめた方が良い。あれは、証券会社だけ儲かって、個人投資家は損をする。買うなら、転換社債が良い。株価が上がる時は一緒に上がるし、株価が下がっても最後は額面金額に戻るから。」と教えてくれました。

昔の投資信託は全部アクティブファンド

昔は低コストのインデックスファンドは存在せず、現在のアクティブファンドしかなかったのです。つまり、売買手数料と信託報酬の高いファンドです。しかも、証券会社の営業員は、頻繁に、その買い替えを勧めてきますので、さらに売買手数料がかかります。良心的な証券会社の社員が買ってはいけないとアドバイスしてくれた投資信託は、現在、アクティブファンドとして大手を振って販売されています。アクティブファンドに手を出してはいけません。

転換社債は急騰・急落・最後は額面で償還

なお私は、山一証券社員のアドバイスに基づいて東海銀行の転換社債を購入しました。1980年代後半のバブル期だったので、100万円で買った転換社債は間もなく150万円になりました。そして1990年にバブルがはじけて60万円台に下がりましたが、5年後の償還時には100万円に戻り、その間利子も付きました。

証券会社の売り込む商品

証券会社の営業パーソンは、

  • 高コストのファンドラップ
  • 高コストのアクティブファンド
  • 売れ残った新規公開株
  • 売れ残った社債

を営業します。低コストのファンドラップとか、低コストのアクティブファンドというものはありません。新規公開株や社債は、売れ残ったから個人投資家に営業しなければいけない商品です。

営業した商品は全部断る

高い経費を使ってきれいなパンフレットを作り、人件費の高い社員に営業させる商品は、個人投資家にとって投資すべき商品ではありません。証券会社の営業パーソンが営業してきた商品は全部断りましょう。

買うべき商品

対面証券で利用すべきなのは、次の商品だけと思ってよいでしょう。

  • 株式ETF(国内、海外)
  • NISA
  • つみたてNISA
  • iDeCo

各種商品について具体的銘柄を確認しましょう。

国内株式ETF

コード 名称 純資産総額(億円) 信託報酬
1306 NEXT FUNDS TOPIX連動型上場投資信託 146,084 0.088%
1308 上場インデックスファンドTOPIX 67,613 0.088%
1348 MAXIS トピックス上場投信 20,187 0.078%
1321 (NEXT FUNDS)日経225連動型上場投信 77,340 0.180%

国内株式ETFのうち、代表的なものはTOPIX連動型と日経平均連動型です。

TOPIXは2000全銘柄、日経平均株価は225銘柄

日経平均株価は、「株価」が算出の対象であるのに対して、TOPIXは「株価」と「発行済株式数」を掛け合わせた「時価総額」を数値化したものです。また、TOPIXが東証一部上場の2000全銘柄から算出されるのに対して、日経平均株価は約2000銘柄から選ばれた225銘柄となっています。

株式市場の実態をよく表しているのはTOPIX

こうした違いから、日経平均は225銘柄の中でも値嵩(がさ)株が指数に及ぼす影響が大きく、TOPIXは大型株の影響が大きい指数といえます。したがって、株式市場の実態をよく表しているのは、日経平均ではなくTOPIXです。十分に分散されているという意味では、どちらでも問題ありませんが、日本最大のETFは1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))であり、日経平均よりもコストが安いので、私はTOPIXのETFを持っています。一方、過去の10年間の値上がり具合は、日経平均の方が勝っていて、どちらが得かは結果を見なければ分かりません。

リート、債券のETF

このほかの投資対象としては、リートや債券のETFがあります。リートは市場規模が小さく値動きの変動が不安定なので、関心がありません。債券は、現在超低金利の時代で魅力がないことと、今後インフレになった時に債券価格が暴落する恐れがありますので、当面買うつもりはありません。ただし、米国債が4~5%になった場合には、ETFでなく米国債の購入を検討したいと考えています。

変動金利型10年国債も魅力なし

日本の国債の場合、変動金利型10年国債については将来的に検討の余地があるかもしれませんが、今は超低金利なので魅力を感じません。金利は現在0.05%ですが、ETFは概ね2%近い分配金があるので、ETFの方が断然有利ですし、インフレになった場合には、基準金利の66%が保証されますが、残り34%は不利になることが確定していますので、魅力を感じません。

金(ゴールド)

さらに、最近2年間に、金の価格場急騰したので、関心を持っていますが、現在1800ドルを超える水準なので、高すぎます。1500ドル程度に下がってきたら、購入を検討したいと考えています。

<明日に続く>

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