公的年金等の課税

税金と健康保険料は年間合計160万円

新年度が始まりましたが、今年も多額の税金を納めることになります。

私が通常納めている税金は以下の通りです。

  • 国民健康保険料 (年10回)   65,000✖10
  • 固定資産税(年4回)     90,000✖4
  • 国民厚生年金(2か月1回)  10,000✖6
  • 確定給付年金(2か月一回)  10,000✖6
  • 財形年金(3か月1回)       0
  • ETF分配金の税(年間)       500,000

健康保険料が最も高い

このうち、国民健康保険料が年間で60万円ほどで最大です。次にETFの分配金が50万円、固定資産税が40万円ほどです。これだけで150万円になります。タケー!(高い)

財形年金の予定利率は1%

財形年金は非課税だからよいと思われるかもしれませんが、予定利率が1%程度ですから、もともとのリターンがほとんどないのです。それよりも、約20%の税金を払って、年間リターン6%で運用する確定拠出年金の方がお得です。

確定拠出年金受給開始時期

確定拠出年金は60歳から受け取ることができますが、75歳から受け取ることにする予定です。全額を外国株式インデックスファンドで運用しているので、練平均リターンを7%とすると、その15年間で3倍に増加することが見込めるからです。

厚生年金は繰り下げ受給が良いのか?

あるファイナンシャルプランナーが、厚生年金の受け取りはできるだけ遅くして75歳からにする予定だと言っていましたが、私はこの考え方に疑問を持っています。受給開始を繰り下げることによって、65歳に達した月から1カ月遅くなるごとに、年金の増額率が0.7%ずつ上がります。これだけ見ると、人生100年時代と言われている現在、長生きリスクを減らすために、受給開始年齢を繰り下げることはよいと思えます。しかし、厚生年金は、その間、リターンが増えるわけではありません。一方で、確定拠出年金は外国株式インデックスファンドで運用すれば、10年で2倍、15年で3倍に増えます。しかし、厚生年金は増えません。それどころか、社会保険費用の膨大を回避するために、年金を減らされる恐れもあります。この件に関しては、ファイナンシャルプランナーや新聞・雑誌の説明を鵜呑みにせず、自分でよく考えるべきだと思います。

ところで、元に戻って、国民健康保険料を税と言いましたが、保険料も保険税も実質は同じです。

国民健康保険料と国民健康保険税の違いは?

国民健康保険を行う市町村は、国民健康保険法(第76条)により「国民健康保険に要する費用を世帯主から徴収しなければならない」と規定されており、国民健康保険料または国民健康保険税、何れの方式により賦課するかは、市町村の裁量とされています。料方式と税方式では言い方や取り扱いが異なりますが、その性質は同じものです。保険料と保険税の二種類の徴収金となったのは昭和26年からで、地方税の目的税として国民健康保険税の賦課が設けられています。

保険料 保険税
賦課団体 大都市圏での採用が多い 地方での採用が多い
関連法令 国税徴収法による 地方税法による
消滅時効 2年 5年

公的年金・企業年金にかかる所得税・住民税の計算

① 公的年金(国民年金・厚生年金)・企業年金は「公的年金等」に含まれ、雑所得として課税されます。
②雑所得の計算をする際に、公的年金等控除の適用があります。

雑所得

国民年金・厚生年金の老齢年金、普通恩給、厚生年金基金や確定給付企業年金等の企業年金からの老齢給付、国民年金基金からの老齢年金、確定拠出年金からの老齢給付金などは、「公的年金等」に含まれます。
公的年金等の収入で、老齢や退職を支給事由とする年金は、その収入金額から公的年金等控除額を差し引いた残額が、雑所得として課税されます。公的年金等控除額は、受給者の年齢と支給された公的年金等の収入金額に応じて決まります。

公的年金等の雑所得の金額=公的年金等の収入金額-公的年金等控除額

公的年金等控除額の速算表

受給者の年齢 公的年金等の収入金額 公的年金等控除額
65 歳未満 ~ 130 万円未満 70 万円
130 万円以上~ 410 万円未満 (収入金額の合計額×25%)+37.5 万円
410 万円以上~ 770 万円未満 (収入金額の合計額×15%)+78.5 万円
770 万円以上~ (収入金額の合計額×5%)+155.5 万円
65 歳以上 ~ 330 万円未満 120 万円
330 万円以上~ 65 歳未満と同じ

雑所得の税金

雑所得は、他の所得と合算した上で税額が計算されます(総合課税)。他の所得(給与所得・不動産所得等)の大小によって、公的年金等に係る所得税・住民税の額が変動します。

年金受給者の税引後手取額

(概算:※ 収入が公的年金等のみであり、所得控除は基礎控除のみと仮定した場合の、税(所得税、復興特別所得税および住民税)引後の手取額。住民税の均等割は考慮していない。)

⑴年齢 65 歳未満

公的年金等の収入金額 税引後手取額
100 万円 100 万円
200 万円 188 万円
300 万円 277 万円
400 万円 364 万円
500 万円 447 万円

⑵年齢 65 歳以上

公的年金等の収入金額 税引後手取額
100 万円 100 万円
200 万円 193 万円
300 万円 278 万円
400 万円 364 万円
500 万円 447 万円

2021年度予算案成立

2021年度予算が26日の参院本会議で与党などの賛成多数で可決、成立しました。

一般会計総額は20年度当初に比べ3.8%増の106兆6097億円で、9年連続で過去最大を更新しました。新型コロナウイルス対策で柔軟に使える予備費5兆円を計上し、危機対応を継続します。

一般会計で100兆円を超えるのは3年連続です。歳出の3割超を占める社会保障費は0.3%増の35兆8421億円に達しました。高齢化に伴う医療・年金などの自然増のほか、介護報酬や医薬品の公定価格(薬価)の改定を反映させました。9月にデジタル庁を発足させる予算を盛り、各省庁の情報システムの一元管理を進めます。

歳入は税収見積もりが57兆4480億円で、当初予算としては11年ぶりに減ります。借金に頼らずにどれだけ政策経費を賄えるかを示す国の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字は20兆3617億円と2.1倍に膨らみます。

小黒一正教授のコメント

この件に関して、法政大学経済学部の小黒一正教授が以下の通りコメントしています。同教授は財政再建の必要性を繰り返し説いている人です。

2021年度の国債発行総額は約236兆円となる計画です。歳出が約100兆円だった2012年度〜19年度の国債発行の平均は約162兆円で、それよりも70兆円以上も増加しています。この理由は償還期限が1年以内の「短期国債」の急増です。 2020年度のコロナ対策により、2012年度〜19年度の平均で約26兆円しか発行していなかった短期国債を2020年度は82.5兆円も発行。これは1年以内に返済しなければいけませんが償還の財源がないため、2021年度も短期国債を83.2兆円も発行する必要性に迫られたわけです。まずは感染症対策に全力を注ぐべきですが、財政再建の努力は継続する必要があります。

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