運用益を表す指標に悩む
運用益はとりあえずテスラの台数で表しましたが、これで定まったわけではありません。以前は高級車(1台500万円で換算)、コンパクトカー(1台200万円で換算)を使っていましたが、あまりしっくりこないので、あまりおしゃれじゃないと思い、今はテスラ(1台500万円で換算)にしています。連れ合いの評価益は、都内の新築マンションには手が届かないし、家族を載せて自動車をドライブするのが夢なので、自動車で表しています。
どの産業も激変の時代
最近はトヨタが上場以来の最高値を更新して元気が良いのですが、自動車産業も、今後激変の時代を迎えようとしています。銀行は、就職人気も時価総額も上位にいましたが、現在はリストラの嵐の中にいます。半世紀前には日本経済を支えていた電器産業等メーカーは大きく凋落しました。やはり、私のような将来を見通せない素人には、TOPIXやS&P500のETFに投資しておくのが良いのかもしれません。それに、世界一の投資家がS&P500に9割投資しろと言っているのですから、その意見を尊重するのが良さそうです。
一度も引き出さず
連れ合いの運用実績指数は資産は152,運用益が52ですから、一度も引き出さずに運用を続けているということです。もし、少しでも引き出していると152ではなく151や150になっているはずです。つまり、連れ合いは、長期個人投資の王道である「バイ・アンド・ホールドBuy and Hold」を忠実に守っているのです。というよりは、引き出し方を知らないのかもしれません。
平均保有期間は6~7年
連れ合いは現在保有しているETFなどを、すべて2007年から保有しているわけではなく、数回に分けて購入していますので、平均保有期間は6~7年程度です。日本人の一般的な保有期間はどれほどなのでしょうか。最近のデータによると2~3年程度のようですが、新生銀行が投資信託に関する情報を提供しているので、確認してみましょう。ただしデータは2015年6月末現在です。なお、上場投資信託(ETF)は含んでいないかもしれません。
① 投資信託の金額
- 60代男:510万円
- 60代女:464万円
- 50代男:393万円
- 50代女:394万円
- 40代男:247万円
- 40代女:239万円
- 30代男:158万円
- 30代女:154万円
- 20代男:167万円
- 20代女:175万円
普通の人は投資信託に投資する金額は、金融資産全体の中の一部でしょうから、数百万円というのはありそうな数字だと思います。日本銀行の調査によると家計の金融資産構成は以下の通りです。
- 現金・預金 54.2%
- 債務證券 1.4%
- 投資信託 3.4%
- 株式等 9.6%
- 保険・年金・定型保証 28.4%
- その他計 2.9%
投資信託は3.4%で、日本の金融資産総額は1,845兆円ですから、日本全体の投資信託は63兆円ということになります。
② 一人当たり平均投資信託保有ファンド数
- 1本 :48%
- 2~4本 :38%
- 5~9本 :11%
- 10本以上: 3%
平均保有数は2.5本です。連れ合いは、4本ですから少し多い方ですが、資産金額が大きいので、資産金額の割には少ないかも知れません。
③ 投資先別保有ファンド割合
全世代平均で見ると以下の通りです。
- 株式型 :44%
- 債券型 :32%
- リート型 :17%
- バランス型: 3%
- その他資産: 4%
値上がり益が期待できる株式型とインカムの安定性を重視した債券型が人気のようです。60代女性の場合は債券型が41%と、最も高い割合を占めています。確定拠出年金で選ばれるのはバランス型が多いようですが、投資信託をするような人なら、ある程度の知識があるので、バランス型よりも、株式、債券、リートの個別型を選ぶのでしょう。
④ 人気ファンド
全世代で「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」が1位です。結論から言うと、このような銘柄は選びません。
- 申込手数料(税込) 3.3%
- 信託報酬(年率、税込) 1.65%
申し込み手数料と信託報酬が高すぎます。連れ合いが買い増しているVOO(バンガード社のS&P500のETF)のコストは以下の通りです。
- 購入手数料(税込) 約1.6%
- 信託報酬(年率、税込) 0.033%
将来のことはわからないので、リターンはどちらが高くなるかはわかりませんが、コストは明らかにVOOの方が安くなっています。はじめから損だと思う商品を、あえて買う必要はありません。
⑤ 1回でいくら購入する金額
- 1~5万円 :23%
- 5~10万円 : 7%
- 10~50万円 :21%
- 50~100万円 : 9%
- 100~300万円:18%
- 300万円超 :22%
5万円以下の人、50万円以下の人も結構います。株式ETFの場合は数十万円など、ある程度まとまった金額が必要ですが、ネット証券で低コストインデックスファンドを買う場合には、数万円でも購入手数料はかかりません。そういう意味でも、若い人であればSBI、楽天などの証券会社を利用した方が良いでしょう。中高年齢でまとまったお金があれば、対面証券で株式ETFを買っても、あまり不利にはなりません。
⑥ 保有期間(女性)
- 20代:1.24年
- 30代:2.61年
- 40代:2.61年
- 50代:2.74年
- 60代:3.07年
証券会社の買い替え営業に要注意
平均保有期間は2.4年です。なぜ、「ラサール・グローバルREITファンド(毎月分配型)」のようなアクティブファンドの保有期間は短いのでしょうか。先程、申し込み手数料が、3.3%とありましたが、証券会社など投資信託の販売者は、買い替えを促進し保有期間を短くさせることによって手数料を稼ぎたいのです。そういう意味でも、アクティブファンドに手を出さず、低コストインデックスファンドを選択すべきです。