私は投資のほとんどをETFに投資していますが、ETF全体の現状はどうなっているのでしょうか?また、どんな会社がETFを作っているのでしょうか?
ETFについて投資信託協会の解説を確認しましょう。
ETFとは
ETFとは、証券取引所に上場し、株価指数などに代表される指標への連動を目指す投資信託で、「Exchange Traded Funds」の頭文字をとりETFと呼ばれています。たとえば、ETFの代表的な商品として、「東証株価指数(TOPIX)」に連動するETFがあります。
TOPIXとは、東京証券取引所によって発表される、東証第1部の全銘柄の動きを反映した株価指数のこと。このTOPIXに連動するETFは、TOPIXの値動きとほぼ同じ値動きをするように運用されます。つまりこのETFを保有することで、TOPIX全体に投資を行っているのとほぼ同じ効果が得られます。
なお一部、投資信託の仕組みを用いていない商品や、日本の法律ではなく外国の法律に基づいて組成された外国籍ETFも、日本の市場に上場していますが、それらも総称してETFと呼ばれることがあります。
ETFの仕組みは
ETFは、運用の仕組みとして現物拠出によるETFと、現物拠出によらないETFがあります。それぞれの仕組みを詳しく見ていきましょう。
現物拠出型ETF
株式拠出型ETFではまず、指定参加者(証券会社や機関投資家など)が市場で買い付けた現物株の集合(現物株バスケット)を運用会社に拠出し、それをもとに運用会社がETFを設定し、指定参加者は、運用会社よりETFの持分を示す「受益証券」を受け取ります。簡潔に言えば、指定参加者は、持っている現物株バスケットと、ETFを交換していることになります。逆に、指定参加者は、持っているETFと、現物株バスケットを交換することもできます。
現物株バスケットとETFは相互に交換できますので、本質的な価値は同一となり、現物株バスケットの動きとETFの価格の動きは連動します。例えば、現物株バスケットがすべてのTOPIX銘柄で構成されていれば、その現物株バスケットと交換できるETFはTOPIXに連動することになります。
指定参加者に対して発行されたETFの受益証券が、証券取引所に上場され、一般の投資家は、上場されたETFの受益証券を市場で購入したり、売却したりすることでETFの取引を行います。
リンク債型ETF
「リンク債」とは、指標などに価格が連動する債券のことです。
リンク債型ETFは、指定参加者が運用会社に金銭を拠出し、ETFが設定されます。拠出された金銭は、指標などに連動するリンク債に投資されるため、ETFとリンク債の価格が連動することとなります。リンク債の価格は、指標などに連動するので、結果としてETFは指標に連動することになります。
なお、指定参加者は、ETFを投資先であるリンク債と交換することができます。この方式は、現物拠出が難しい新興国の株価指数に連動するETFなどで採用されています。
ETFのメリットは?
一般的な投資信託とは異なり、ETFは証券取引所に上場され、市場において売買が行われています。そのため、市場が開いている間は、上場株式と同じようにETFの売買を行うことができます。取引の仕方は上場株式と同様で、「指値注文」や「信用取引」を行うことができるのも、一般的な投資信託とは異なるETFならではの特徴です。
取引の方法は上場株式と同様ですが、ETFも投資信託ですので、受益者に分配金が支払われます。また、ETFは一般的な投資信託と比較して、次のような理由で信託報酬が低くなっています。
- ETFは、一般の投資信託と異なり、信託報酬のうち販売会社に支払う部分がない
- ETFは、インデックス運用なので、企業調査などのコストが少ない
- 現物拠出型のETFであれば、株式などの売買を行う必要がないため、売買にかかるコストが少ない
ETFと一般的な投資信託の比較をすると以下のようになります。
一般的な投資信託 | ETF | |
購入窓口 | 各投資信託の取扱いがある証券会社、銀行などの販売会社 | 証券会社 |
購入価格 | 基準価額(1日に1つ) | その時々の取引価格 |
注文方法 | 基準価額がわからない状況で購入・換金の申し込みを行う(ブラインド方式) | 成行・指値注文が可能 |
購入する際の手数料 | 投資信託ごと、販売会社ごとに手数料率は異なる | 証券会社ごとに手数料は異なる |
信託報酬率 | 一般的にはETFの信託報酬より高い | 一般的な投資信託の信託報酬より低い |
最低投資金額 | 1万円程度から | 1万円程度から購入できるETFもあるが(相場の動向による)、多くは10万円程度の資金が必要 |
信用取引 | できない | できる |
⇒投資信託協会の解説では、一般的な投資信託との比較ばかりを説明していますが、最大のメリットは、個別株式のようなリスクが小さく、少額で低リスクの投資をすることができ、安心して長期間保有できることです。
ETFのリスクは?
ETFの価格に影響を及ぼす主な変動要因には、以下のものがあります。
価格変動リスク
組み入れた有価証券の価格等が変動することによってETFの価格が変動するリスクがあります。⇒価格変動リスクは個別株式より格段に低いです。
発行体リスク(リンク債を使用する場合)
指数等に連動させるため、リンク債に対して投資を行う場合があります。この場合、リンク債の発行体の財務状況によりETFの価格が変動するリスクがあります。⇒私の投資する銘柄には該当しません
流動性リスク
市場の需給によって、売買が成立しないリスクや予想される価格より著しく離れた価格で売買されるリスクがあります。⇒東京証券取引所で1557(SPDR S&P500 ETF)を買うような場合には、あまり大きな金額を投資しない方が良さそうです。
乖離するリスク
市場の急変時や運用によっては、連動を目指す指数の値動きから乖離するリスクがあります。⇒ 私は経験したことがありません。