連れ合いの資産評価額は、ジグザグに上昇し、2021年末は元金の170%までになりました。
バイ・アンド・ホールド
特に最近1年間は1,800万円上昇しました。
- 2020年末:6,600万円
- 2021年末:8,400万円
しかし、これほど上昇するのは珍しく、平均的には年率8%程度と考えておいた方が良いでしょう。連れ合いは、買った金融資産を売ることはせず、そのまま持ち続けます。いわゆる、バイ・アンド・ホールド Buy and Holdです。このため、指数で言うと元金100に運用益70が加えられて、保有金融資産は170になります。この指数が220になると、実額で1億円を超えます。ただし、その金融資産を売却すると所得税・住民税等がかかるので、実質的には、9000万円程度になります。しかし、1億円というのは一つの節目、到達点ですので、これについて考えてみましょう。
リターン10%と6%の場合
現在の8,400万円が1億円になるのは、リターンが10%とすると2年で達成できます。リターン、すなわち利回りが10%というのは、普通の日本人にとってはあり得ない数字かもしれませんが、アメリカの株式市場においては常識的な数字です。連れ合いの保有しているSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)の1993年設定来の年率平均リターンは10.5%でした。しかし、連れ合いは日本株の1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))も保有していますから、もう少し控えめに見て年平均6%のリターンだとすると、1億円になるのは3年かかります。いずれにしても2~3年で到達可能です。
富裕層とは
野村総合研究所では、純金融資産保有額が1億円以上の世帯を富裕層としています。連れ合いは個人で野村総研の富裕層が世帯という括りですから、厳密には一致しませんが、野村総研の研究を確認してみましょう。
富裕層、超富裕層
純金融資産保有額が5億円以上の「超富裕層」を合わせると、2019年には132.7万世帯で、内訳は、富裕層が124.0万世帯、超富裕層が8.7万世帯でした。2021年には、かなり株価が上昇しまたしtので、この世帯数はさらに増えたと考えられます。
昭和30年代は日本中貧しかった
私(江戸庄蔵)も連れ合いも、昭和30年代に庶民の家族に生まれたので、現在保有している金融資産は、給料や退職金からコツコツ貯めたものです。昭和30年代は、我が家も連れ合いの家も貧しかったのですが、日本中ほとんどの家庭が貧しかったのです。私の中学校の卒業アルバムを見ると、昭和45年当時で、半分が呼び出し電話でした。その後、大学、短大を出て就職した時には、当然のことながら貯蓄がありませんから、このピラミッド図のマス層(3,000万円未満)の一番下からのスタートです。40代で準富裕層(5,000万円以上1億円未満)に入りましたが、50歳で住宅を購入しましたので、貯蓄をほとんど全部吐き出して、私はマス層、連れ合いはアッパーマス層(3,000万円以上5,000万円未満)になりました。
過去10年近くにわたって富裕層・超富裕層の世帯数及び純金融資産保有額が増加している要因は、株式などの資産価格の上昇により、富裕層・超富裕層の保有資産額が増大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に、そして富裕層の一部が超富裕層に移行したためと考えられます。
富裕層が1億円というのは、外国でも一つの考え方としてあるようです。日経新聞の2022年1月2日の記事を見てみましょう。
数十億円以上の金融資産を持つ超富裕層が世界で拡大している。世界的なカネ余りによる新規株式公開(IPO)の活況などが背景にあり、新型コロナウイルス禍もどこ吹く風で潤う。若い世代も増え、マネーの流れの景色を変えつつある。各国の金融機関や税務当局は新たなお金持ちたちへのアプローチに躍起となっている。
コロナ危機で世界経済が戦後最悪のマイナス成長に陥った2020年。仏キャップジェミニの調べによると、金融資産を100万ドル(約1億1000万円)以上保有する富裕層は前年から6%増えて2080万人に拡大した。最上位の「ウルトラ・ハイネット・ワース」と呼ばれる金融資産3000万ドル以上の層も10%増の20万人に達した。
国別で富裕層が最も多いのは米国で、日本が続く。日本は先進国の間でも人口規模が大きく、一般に金融資産を比較的多くもつ高齢者の割合が高いことも背景にあるとみられる。
新興富裕層はIPOや会社の売却を機に資産を増やす30~50代が多い。あるスタートアップの経営者はIPOで資産を一気に数百億円に増やした。「多くの金融機関からコンタクトがあった。うち数社と付き合っている」。資産の大半は自社株で、一部を現金化して不動産を購入したり新興企業に投資したりしている。「普通の会社員だった」という起業前と日常は様変わりした。
メガバンクや証券会社、外資系金融機関が入り乱れ、あの手この手で囲い込みに動く。40代の富裕層の一人は「別荘探しから子どもの海外留学の手配まで何でも対応してくれる」と満足げだ。
以上が記事の内容でしたが、もし富裕層になっても今までの生活を変えないようにする努力も大事です。
数億円のお金より大事なもの
IT会社に勤める私の知り合いは、2000年のITバブルで懐が温かくなり、クルーザーを買いました。しかし、家族を乗せてクルージングしたところ、家族は船酔いして、2度と乗りませんでした。その後、ご主人の浮気が発覚して、離婚していまいました。
高々数億円のお金に目がくらんで、人生で一番大事なものを失ってはいけません。