厚切りジェイソンの投資方法

「ジェイソン流お金の増やし方 単行本」が発売され、良く売れているようです。

そのポイントは、「米国株式全体をカバーする投資信託を、長期、分散、積立投資していただけ。」で、具体的には以下の通りです。

  1. 銘柄は、全米株式市場に投資できる「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(通称:VTI)」。あるいは、『楽天・全米株式インデックス・ファンド (楽天VTI)』か『SBI・V・全米株式インデックス・ファンド』なら、日本人向けだし、つみたてNISAも利用できる
  2. 低コスト(信託報酬の安い銘柄)
  3. 積み立て(ドルコスト平均法の利用)
  4. 価格が下がっても狼狽売りせずに持ち続ける
  5. 3か月分の生活費以外は全額投資

(注)ジェイソンは、VTI(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)を保有しているようですが、彼が投資を始めた、15年前には、私やウォーレン・バフェットの推奨するVOO(バンガード・S&P500ETF)は発売されていませんでした。また、ジェイソンは日本人初心者に、

  • 『楽天・全米株式インデックス・ファンド (楽天VTI)』
  • 『SBI・V・全米株式インデックス・ファンド』

を勧めていますが、これらもVTIを日本人向けに投資信託にした商品です。一方、私(江戸庄蔵)は子供達にVOOを日本人向けに投資信託にした

  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
  • <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
  • 三菱UFJ国際-eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)

などの商品を勧めているので、非常によく似ています。

上記銘柄については、バンガード主要ETF(日本語翻訳)・主要インデックスファンド・ランキングを参照してください。

(参考1)ETF

VOO,VT,VTI, VYM,VGK,VWO,SPY,IVV,QQQ,1306,1321の純資産総額、経費率、リターン

(参考2)インデックスファンド

低コストの外国株式インデックスの純資産総額、経費率、リターン比較

 

プレジデント・オンラインの2022年11月29日の記事です。


「家族全員が一生暮らせるお金を投資で稼いだ」そんな厚切りジェイソンが選んだ投資先

米国株に「長期・分散・積立」するだけ

お金を増やすにはどんな投資をすればいいのか。アメリカ出身のお笑い芸人・厚切りジェイソンさんは「投資は『長期・分散・積立』がいい。私の場合は、アメリカの市場ほぼ全体に分散投資できるETFを買い続けることで、家族全員が一生安心して生活できるだけのお金を得ることができた」という――。

家族が一生安心して生活できるお金を投資だけで得た

アメリカで初めて就職をした時に投資を始め、そこから約15年。

僕はひたすら「とにかく効率的に簡単にお金を増やす」ことをテーマに取り組んできて、気がつけば2年前には家族全員が一生安心して生活できるお金を投資の利益だけで得ることができるようになりました。巷で最近よく聞くFIRE(経済的自立と早期リタイア)だね。

でも、僕はそもそもFIREを目指して投資をしてきたわけではありません。アメリカは国からの公的補助が日本と比較して乏しいので、自分たちで老後の資金をなんとかするという意識が根付いています。

僕も就職をしたタイミングで会社から日本の確定拠出年金のような感じで給料から天引きされて投資することができたので、それがきっかけで投資を始めました。

ひとつ言えることは、僕はとても堅実にお金を増やしてきました。そう、僕はとても保守的な投資家なんです。

そういう意味では、投資に対して「ギャンブル」「怖い」「銀行が一番安心」という意識が強い日本人には向いている投資法だと思います。僕の投資法はとてもシンプルです。「長期・分散・積立」するだけ。

厚切りジェイソンが行っているシンプルな投資法

3カ月の生活費を残して、それ以外はインデックスファンドにコツコツとドルコスト平均法で投資をすることが僕の資産運用スタイル。じゃあ、一体どんな商品に投資をすればいいのか。

アメリカのバンガード社という証券会社が提供している「バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(通称:VTI)」というETF(上場投資信託)に投資をしていて、これは「CRSPUSトータル・マーケット・インデックス」という株価指数に連動している。

ちなみにCRSPは、Center for Research in Security Prices(シカゴ大学証券価格調査センター)の略で、全米株式市場の大型株から小型株まで約4000銘柄を時価総額で加重平均(規模が大きい会社ほど比重を高くする)した指数のこと。ニュースでよく聞く「ニューヨーク・ダウ(ダウ平均株価)」とかと同じものだね。

このVTIはアメリカの約3800以上の企業に広く分散投資をしていて、ちなみに構成銘柄の中で組入比率が高い銘柄はアップル、その次はマイクロソフト、そしてGoogleなどを運営するアルファベット社になっている。

アメリカの市場に上場している株式の99%以上をカバーしているので、ここに投資をするということは、アメリカの市場のほぼ全体に分散投資をしているのと同じことなんだ。

私たちの身の回りにあるアメリカ企業の商品の数々

僕がどうしてそこまで自信を持ってアメリカの株を選んでいるのだろうと疑問に思う人もいるだろう。

そんな人は自分の身の回りを眺めて欲しい。

君のパソコンはマイクロソフトの製品で、手にしている携帯はアップルのiPhone、その携帯を使ってGoogleで検索をして、Facebookが買収したInstagramをいつも見ていない?

君たちが日常的に使っているものはアメリカの大きな企業のものばかりなんだ。単純な話だけれど、これだけでも、アメリカの企業の強さを感じてもらえるんじゃないかな?

それにアメリカはトランプ政権時に法人に対する大幅な減税が行われたこともあって、企業が随分優遇されたんだよね(現在、バイデン大統領は法人税増税案を提案)。そういった企業が成長できるバックグラウンドがあることも将来性を感じさせる要因のひとつ。

なぜアメリカの企業の経営者の給与は破格なのか

あと、アメリカのトップ企業の経営者たちは自社の株価を上げることをとても重要視している。これは僕がアメリカの株を推す重要なポイント。

よくニュースでアメリカの大企業のCEO(最高経営責任者)の報酬額を聞いて驚くことがない? アップルのCEOのティム・クックは2020年の報酬が約290億だって! ちなみにテスラのイーロン・マスクは約7226億だって‼

「アメリカって偉くなればお金がたくさんもらえるんだ〜」っていうのは決して間違っていなくて、アメリカのCEOの報酬は株価と連動していることが多い。

時価総額が大きな企業は、経営を任せるために高額の報酬を優秀なCEOに払って彼らを雇い、期待通りに株価が上がったらそれに準じてCEOの報酬もさらに高くなる。株価の上昇が彼らの収入にも比例するんだよね。

つまり株価上昇に貢献できるビジネスマンが企業のトップにいるのが、アメリカの企業なんだ。それに経営者自身も大株主だからこそ、株価を上げるのに必死になる。そう考えればアメリカの企業の株は今後もずっと上がっていくと思えないだろうか?

一方、日本の企業は株価とCEOの収入が見合わないことも多いんじゃないかな? 世界に誇る日本のトヨタだって、社長の報酬は約4億。世界と比較すれば非常に少ないのに、それでも「企業のトップがそんなにお金をもらうなんて!」っていう批判の声は日本では起きがちだよね。日産の旧社長のゴーン氏の時もその声は大きかった。

でも、報酬をもらうことでさらに株価を上げてくれる経営者がいるということが明確にわかっていると、彼らの高い報酬も納得できるし、投資する側として、そういう経営者がいることはある意味安心材料だよね。

経営者たちの欲望に直結していない日本企業の株は判断しにくいところがあるというのが、僕としてはリスク要素に思えてしまうんだ。

それにしたってアメリカは欲望の塊だよね(笑)。でも、この貪欲さがアメリカンドリームの基本だと思うし、これがベースにある限りはアメリカは成長していくと思う。

幾度の不況にも耐えてきた市場の強さ

僕はデータを調べたり比較したりするのがすごく好きなんだ。暇さえあればエクセルをいじっているくらい。これは僕の技術者としての性(さが)だと思うけれど、投資の上では功を奏している。

アメリカの株を信頼できるもうひとつの理由も、過去のデータを調べて納得したからなんだ。

アメリカの株式市場の全体的な値動きがわかるダウ平均株価が算出され始めた1896年から2020年までのチャートを見てみよう。

【図表1】NYダウの推移

世界恐慌、ブラックマンデー、同時多発テロ、リーマン・ショックと過去何度か大きな暴落があったのがわかるだろう。それでもアメリカ市場は復活をして、現在でも右肩上がりの成長を続けているんだ。アメリカ株の一番悲惨な暴落は1929年に起きた世界恐慌で、ウォール街で起きた大暴落を発端に、世界にまで影響を及ぼした。

この時、株価は最高値と比較して、なんと89%も下落。つまり株価が約10分の1まで下がったんだ。この時は暴落前の株価に戻るまで25年もかかったけれど、それでもなんとか回復して、そこから成長を遂げている。

その後も1987年にはブラックマンデーで株価が下落したけれど、約2年後には回復。2001年にはITバブル崩壊、2008年のリーマン・ショックと続いたけれど、世界恐慌に続いて大幅な下落率(51.3%)を記録したリーマン・ショックだって約5年で株価水準を取り戻したんだ。

最近の話でいえば、やっぱりコロナショックだよね。でもこの時も5カ月後には以前の株価水準に戻っている。今もコロナ危機から着実に回復を遂げていて、2021年4月から6月のGDPはコロナ前の水準を上回ったという報告もあるくらいだ。

短い期間を目処に投資を行うと、購入したタイミングによってはリターンが厳しいこともある。でも、暴落があったとしても慌てずに、ドルコスト平均法でコツコツと長期間買い続けて、持ち続けていれば、大きな資産を生み出すことができるんだ。

米国株というよりも、グローバルな株企業の成長を後押しする税制度、CEOたちの報酬制度、何度も起きた暴落からの復活などに加えて、GDPがずっと右肩上がりなど、アメリカの市場の成長・将来性を感じることができる要因はいくつもある。

でも、だからといってアメリカの市場がこれからも必ず成長し続けるとは約束ができない。それが投資だ。それでも僕がVTIをすすめるのは、アメリカの市場全体をカバーする投資法なら極力リスクが少なく利益を得ることができると思うからだ。

国内のみならずグローバルに仕事をしている利点

それに加えてもうふたつVTIを推す理由がある。

まずひとつ目は構成銘柄がグローバルで活躍している企業がほとんどだから。

VTIは先にも伝えたようにアメリカ限定で投資をしているから、アップルやマイクロソフトといったアメリカのパワフルな銘柄に集中的に投資できることが魅力だと伝えたよね。でも、もしアメリカがなにかのきっかけでまた暴落をしたらどうだろう。アメリカに集中した株だからこそ、株価が大幅に下がるリスクが高くなることも考えられる。

しかし、これらの大企業はアメリカ市場だけでビジネスをしているわけじゃないんだよね。そもそもVTIの組入銘柄のトップはグローバル企業だから、アメリカ株ではあるけれど、全世界で成功をしている会社に投資をしていると考えてもあながち間違いではないと思う。世界を舞台にビジネス展開をしている企業だからこそ、アメリカ市場だけの影響を受けるということは少ないと僕は考えている。

常に成績のいい企業しか構成銘柄に残らない

そしてもうひとつ、組入銘柄が変わることも大事だ。

アメリカでは収益を上げられない企業は、アメリカの市場を測る上で大切な米国株の代表的指標のダウ平均やS&P500の構成銘柄から容赦なく退場させられる。つまり、常に成績のいい企業しか構成銘柄には残ることができないんだ。そしてVTIが連動している指標CRSP米国総合指数の上位銘柄はS&P500とほぼ変わらない。

ということは、もし、S&P500の上位銘柄に入っている企業が収益を上げられず撤退をしたらVTIの組入銘柄からも撤退をすることになり、代わりに成長著しい元気な会社が入ってくるんだ。VTIのようなアメリカの指標をベースにしたインデックスファンドに投資をしておけば、今、一番業績の良い会社に投資ができているということになるんだ。


ヤフー・ニュースの2021年12月30日の記事も見てみましょう。


約13年の投資で一生分の資産を築いた、芸人の厚切りジェイソンさんを直撃! その投資先とは?

米国株のインデックス・ファンド一択でOK。

芸人で、IT企業の取締役でもあるジェイソンさん。投資信託を始めて約13年で、早期リタイアができるほどの経済的自立を意味する最近話題のFIREを達成!

「やっていたことはすごくシンプル。米国株式全体をカバーする投資信託を、長期、分散、積立投資していただけ。FIREを目指していたわけではないけど、結果的に5人家族が一生安心して暮らせるだけのお金が増えました」

具体的にどんな商品かというと、

「米国株のインデックス・ファンド一択です。これは米国株式市場の値動きに連動した投資成果を目指す投資信託のことで、僕がこのファンドを選んでいるのは、アメリカの経済に将来性を感じているからこそ。リーマンショックやコロナショックなど、大暴落することがあっても回復してきた歴史がある。上下はしますが、下がった時に“狼狽売り”せず長期で運用すれば、怖がらなくていいとわかるはず。僕は米ドルで投資をしているけど、初心者には日本で買いやすく、僕が投資している銘柄とほぼ同じ『楽天・全米株式インデックス・ファンド (楽天VTI)』をおすすめします」

ほかにも「SBI・V・全米株式インデックス・ファンド」がVTIにあたり、どちらもつみたてNISAで取り扱いあり。

「信託報酬など、手数料が高すぎないか必ずチェックしよう」

ジェイソンさん流、投資信託のファイナルアンサー!
米国株×インデックス・ファンド×長期運用

インデックス・ファンドとは?

株価指数などの指標と連動した運用を目指す投資信託。
「インデックス・ファンドは、日経平均やNYダウなど、基準になる市場と同じような値動きを目指して運用されます。銘柄調査や分析に手間がかからないから、手数料が安く、効率的に市場平均のリターンが取りやすい。もう一つ、ハイリターンの期待があるアクティブ・ファンドもあるけど、成果にバラつきがあり、手数料が高めなのが難点」

インデックス・ファンド

日経平均株価やTOPIXなど特定の指数と同じ動きをする受動的運用

アクティブ・ファンド

ファンドマネージャーなどのプロが銘柄を選別し、指数以上のリターンを目指す積極的運用

米国株に投資するには?

VTIという米国株式全体に投資できる投資信託がおすすめ。
「VTIは、アップルやマイクロソフトなどアメリカの超優良トップ企業から中小企業まで、全米の投資市場に上場している4000社以上の銘柄を網羅。ポイントは中小企業も含まれているところ。アメリカには、小さな企業が大きなバックアップを受けて成長するケースが多々あり、つまりVTIの指数も飛躍的に上がる可能性があるからです」

日本人向けVTI

※つみたてNISAで取り扱いあり

『楽天・全米株式インデックス・ファンド』
信託報酬:0.162%/年
取り扱い金融機関:楽天証券、SBI証券、マネックス証券など

『SBI・V・全米株式インデックス・ファンド』
信託報酬:0.0938%/年
取り扱い金融機関:SBI証券

厚切りジェイソンさん 1986年、アメリカ・ミシガン州出身。芸人。「Why Japanese people! ?」から始まるネタでブレイク。NHK『えいごであそぼ with Orton』に出演中。著書『ジェイソン流お金の増やし方』 (ぴあ) がヒット。

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