百万ドルと1億円
アメリカでは百万ドル貯めてリタイアすることが、一つの目標になっているようです。日本円で言えば、1億3000万円ですが、日本の場合には厚生年金が3000万円あるとすると、貯蓄額はちょうど1億円になります。1億円をGPIFと同様に、内外の株式・債券に投資すれば、4%程度、つまり400万円の利回りがあるので、厚生年金の240万円と合わせて640万円となり、リタイア後にも現役並みの生活ができることになります。
しかし、それを実現するときに犯しやすい過ちがありそうです。PERSONAL FINANCEの2022年6月9日の記事をもとに勉強しましょう。以下は拙訳です。
ミリオネアとしてリタイアしたいので、ファイナンシャル・プランナーにポートフォリオを見せたところ、問題点が4個あると言われました
- ミリオネアとしてリタイアしたいので、ファイナンシャル・プランナーに私の作戦を見てくれるよう依頼しました
- 彼は、税を分散化し収入源を増やして、リタイア後の収入計画を作る必要があると言いました
- 退職勘定に、一年を通じてランダムではなく、頻繁に掛け金を入れることが必要だとも言いました
過去2年間、私はミリオネアとして引退するという目標を達成するために一生懸命に働いてきました。リタイヤのための貯蓄を30代初めになって初めて開始したので、ミリオネア実現が困難なことは分かっていますが、それでも、後の人生を快適に過ごせることができるように、達成したいと思いました。
この計画を実行に移そうと、SEP IRA(従業員簡易年金)の開設や支出習慣の見直しなどいくつかの対策を講じましたが、やるべきことがもっとたくさんあることが分かっていました。このため、ファイナンシャル・プランナーのアダム・シェーラーに、私のリタイア・ポートフォリオを見てもらい、ミリオネアとしてリタイアできる道を順調に進んでいるかを教えてもらうように依頼しました。彼は、将来の目標達成を阻む4つの間違いをしていると言いました。
1.1年に数回しかSEP IRAに掛け金を入れていない
30歳の時に退職勘定を初めて開設して以来、SEP IRAに頻繁に掛け金を入れると誓いました。最初は、預託金を毎月入れていました。しかし時が経つにつれて、そうすることを忘れてしまい、代わりにどうしても買い物に使いたくなりました。
毎月掛け金を入れないことのマイナスは、正常なマーケットや経済変動によって、潜在的に低価格の時に投資できる機会を失っていることだと、シェーラーは言います。
この失敗をしない方法の一つは、自動的に掛け金を支払うことです。自動的にSEP IRAに送金することによって、資金の流れ全体にプレッシャーをあまり感じないで、前向きに退職勘定を増やすことを促進し、長い目で見て効果が出ると、シェーラーは言います。
2.税の分散化を全くしてない
数年前にSEP IRAを開設した時に、リタイアのためのプランに役立つ勘定はこれしかないと考えました。それは誤りだとわかりました。
税の分散化は、税の取り扱い(たとえば課税繰り延べ、課税対象、非課税)が様々な勘定に資産保有する戦略のことで、リタイア後の収入戦略を円滑に行い、節税することができると、シェーラーは言います。
「もし、投資資産が唯一のタイプの勘定にしかないと、リタイア後の収入のニーズを、効果的な税金の方法に合わせられる選択肢が限定され、税金が増えてしまう」とシェーラーは言います。
貯蓄増加を促進するために、シェーラーは、様々な税対策のできる勘定を持つことを推奨しています。例えば自営業の個人である私は、課税される証券口座である課税繰延勘定としてSEP IRAと、非課税で引き出せるRoth IRAを持つことができます。
3.リタイア後の収入戦略を持っていない
私はミリオネアとしてリタイアしたいという目標は持っていますが、それを実現させることができるような実行可能なプランを持っていません。
もしこの目標を達成したいのならば、収入額、リタイアまでの期間、リタイアしている期間、貯蓄の価値に対するインフレの影響、リタイア全期間の生計費見積もり、緊急事態のための予備貯蓄(旅行、健康関連事項、贈答)、希望する時間枠で目標を達成するために必要な投資資産利回りなどの変数を確認する必要があるとシェーラーは指摘します。
この戦略検討を開始するためには、リタイア計算機を使うか、ファイナンシャル・プランナーと密接に作業することをシェーラーは勧めます。
4.十分な収入源がない
自分の事業と副業以外に、私には枯渇しない収入源がありません。
「現在の収入に基づいて、現在評価している物に支出し、将来のために貯蓄することができます。さらなる収入源を持つことによって、それが能動的なもの(収入)であれ、受動的なものであれ、あるいは資産のポートフォリオであれ、自分の価値と夢に完全に沿った貯蓄と支出をすることが容易になる」とシェーラーは言います。
受動的収入源を作る一つの方法は、配当支払い、株式化利付債などの収益を生む証券に投資することだと、シェーラーは言います。彼はまた、不動産貸付や、もう一つの受動的収入源である、業務執行はしないが無限責任を負うサイレント・パートナーとして、投資することを調べることを勧めます。