2022年8月18日のロイターに、貿易赤字、所得収支、個人の円離れの記事があるので確認します。
<年間で20兆円の貿易赤字ペース>
財務省が発表した7月の貿易収支を季節調整値でみると、輸入が10兆5699億円に膨らみ、輸出の8兆4366億円を差し引くと2兆1333億円の赤字になる。このペースで貿易赤字が積み上がると、年間で20兆円から25兆円になる可能性が出てきた。
貿易赤字が拡大すれば円安になって輸出が増え、それによって赤字が縮小する方向に動くというのが「教科書的」なメカニズムだ。ところが、今年に入って円安は進んだものの、輸出数量は3月から7月まで5カ月連続で対前年比マイナスが続いている。
その理由として、半導体不足による自動車生産の減退が挙げられるが、もっと大きな要因は日本の製造業の海外シフトが顕著になり、円安による数量効果が機能しなくなった点だ。
したがって原油価格が大幅に下落し、その他の国際商品価格も下落して輸入額が輸出額に見合う水準に減少しない限り、日本の貿易赤字は恒常的に巨大化しかねない。
ロシアとウクライナによる戦争は、一部で観測された8月停戦は望めずに年明けになっても継続している可能性が高まっている。戦争が継続している間は資源価格の大きな下落は望めず、年間20兆円規模の貿易赤字が継続する可能性が出てきたと筆者は考える。
<頼みの所得収支は19兆円の黒字>
とは言え、経常黒字を維持できていれば、日本経済や市場価格に大きなインパクトは与えないと考えている市場関係者が多いように見える。
しかし、2021年の日本の経常収支を見ると、第1次所得収支が21兆5883億円の黒字、第2次所得収支が2兆4973億円の赤字で所得収支全体では19兆0910億円の黒字となっている。
もし、近い将来に貿易収支が年間で20兆円台の赤字になれば、経常収支が年間で赤字に転落する可能性が高まる。
<注目される個人の円離れ>
単年度で経常赤字に転落しても、21年3月末の対外純資産残高は411兆1841億円あり、ただちに日本の信用が急低下して長期金利が上昇することはない。
しかし、日本の「稼ぐ力」が衰退し、貿易赤字の累積と経常赤字化の継続がだれの目にもはっきりすると、外為市場で「円を売る」動きが活発化し、円の水準が切り下がる可能性が高まるだろう。
その原動力の1つとして個人マネーが登場するのではないか、というのが筆者の見方だ。日銀によると、22年3月末の家計の金融資産残高は2005兆円だが、そのうち現金・預金は1088兆円を占める。この巨額の現金・預金のかなりの部分を保有しているのがいわゆる富裕層だ。
この階層は、外貨建て資産への投資に抵抗感がなく、収益チャンスとリスクを勘案し、リターンが多そうだと判断すれば、ちゅうちょなく外貨買い/円売りを行う。実際、今年3月以降に顕著に進んだドル高・円安をみて、個人投資家のドル建て資産購入が急増しているようだ。
足元で起きている百貨店などでの高級時計など高額商品の販売急増は、円安進行で円価格引き上げが起きている現状では、不可思議な現象と映る。しかし、ドル建て資産の含み益増大で購買力が強くなった富裕層から見れば、海外旅行へのハードルがそれなりに高い現状では、気楽に購入できる商品と見えるようだ。
個人の円離れ(資金逃避)が本格的に始まると、外為市場参加者の想定を超えて円安が進み出す可能性があると筆者は考える。足元ではドル/円が140円を超えて上昇する可能性は低下しているとみている参加者が多い。
だが、貿易赤字の膨張が続き、経常収支が月次で赤字に転落し、年間ベースで赤字の可能性が指摘されるようになると、個人の円売りが表面化しそうだと予想する。
英語版を日本語に翻訳
世界最大級の資産運用会社であるバンガード社の日本法人(バンガード・インベストメンツ・ジャパン株式会社)が2021年2月28日をもって廃業しました。その結果、日本語版のETFの商品説明をやめてしまったので、英語版を日本語に翻訳してその内容を確認します。
VGK バンガード・FTSE・ヨーロッパETF
- 運用スタイル:インデックス
- アセットクラス:国際/グローバル株式
- カテゴリー:欧州株式
- リスクとリターンの尺度:5
- 経費率:0.08% 2022年2月25日現在
- 前年同期比リターン:-21.98% 2022年8月26日現在
- 市場価格(MP):$52.09 2022年8月26日現在
- NAV価格:$52.13 2022年8月26日現在
概要 主要データ
- IOVティッカーシンボル:VGK.IV
- CUSIP:922042874
- 経営スタイル:インデックス
- アセットクラス:国際/グローバル株式
- カテゴリー:欧州株式
- 開始日:03/04/2005
レーティング リスクとリターンの尺度
——————–5
少ない 高い
ファンドへの投資は、短期間あるいは長期間に渡って損失が生じる可能性があります。ファンドの株価やトータルリターンは、株式市場全体の変動と同様に、広い範囲で変動するものとお考えください。
- 市場価格:$52.09 2022年8月26日現在
- 市場価格の推移:-$1.59 (-2.96%) 2022年8月26日現在
- 経費率:0.08% 2022年02月25日現在
- NAV価格:$52.13 2022年8月26日現在
- NAVの変化:-$1.54 (-2.87%) 2022年8月26日現在
パフォーマンス
- YTDリターン(MP):-21.98% 2022年8月26日現在
- 年初来リターン(NAV):-22.11% 2022年8月26日現在
商品概要
- 欧州の主要市場に上場する企業の株式投資収益率を表すFTSE Developed Europe All Cap Indexのパフォーマンスへの連動を目指します。
- オーストリア、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、イギリスの企業の株式を保有しています。
- パッシブ運用、フルレプリケーション・アプローチを採用しています。
- ファンドの運用:バンガード・エクイティ・インデックス・グループ
パフォーマンスと手数料
トータルリターン
⇒過去1年間のマイナスが大きい
1年間 | 3年間 | 5年間 | 10年間 | 2005年4月3日設定以来 | |
VGK(市場価格) | -15.82% | 4.34% | 2.77% | 6.22% | 4.24% |
VGK(基準価格) | -15.85% | 4.33% | 2.77% | 6.23% | 4.25% |
Spliced European Stock Index*(ベンチマーク) | -16.41% | 3.76% | 2.68% | 6.12% | 4.10% |
経費率
- VGK: 0.08%
- 類似ファンドの平均経費率2: 1.01%
過去10年間の価格推移
⇒2012年44.86ドル、2022年55.45ドル。アメリカに比べると、あまり伸びていません。
ポートフォリオ構成 特徴 2022年7月31日現在
ファンダメンタル VGK ベンチマーク
銘柄数 1368 1329
時価総額の中央値 $41.1 B $41.1 B
収益成長率 8.6% 8.6%
短期積立金 - -
PER 11.6倍 11.7倍
PBR 1.7x 1.7x
離職率(2019/12/31期) 3.1% –
自己資本利益率 13.3% 13.3%
外国人保有比率 99.2% –
ファンドの純資産総額 $20.9 B –
株式クラスの純資産総額 $15.8 B –
アグレッシブ・ファンドに関連するリスク
アグレッシブファンドに分類されるファンドは、株価が非常に大きく変動する可能性があります。これらのファンドに関連する異常に高いボラティリティは、以下の戦略の1つ以上に起因している可能性があります。
- 比較的少数の個別銘柄にファンドの保有資産が集中していること。
- 株式市場の特定のセクターにおけるファンドの保有
- 世界の特定の地域における、比較的少数の個別銘柄へのファンドの保有集中。
- 小型株や成長株など、相対的に高いバリュエーションにある銘柄への重点的な投資。
- 外国通貨に対する米ドルの価値の変動により価格が下落する外国株式や外国債券への投資。
- 平均残存期間が極めて長く、金利変動の影響を受けやすい債券への投資。
持ち株内容 2022年7月31日現在
Holdings | % of fund | Market value |
Nestle SA | 3.23% | $678,849,013 |
Roche Holding AG | 2.26% | $474,624,361 |
ASML Holding NV | 2.10% | $441,167,165 |
AstraZeneca plc | 1.95% | $409,002,863 |
Shell plc | 1.76% | $370,086,671 |
Novo Nordisk A/S Class B | 1.74% | $365,280,074 |
Novartis AG | 1.71% | $358,090,050 |
LVMH Moet Hennessy Louis Vuitton SE | 1.65% | $346,969,695 |
HSBC Holdings plc | 1.20% | $252,931,720 |
TotalEnergies SE | 1.17% | $244,874,690 |