定年の時期は、誕生日の月と、3月末に分かれます。定年になるとまとまったお金が銀行に振り込まれますが、それをどうするかというのが、定年間近のサラリーマンの重要課題です。
日経CNBCで解説していましたので、勉強します。
定年前後の資産運用 これが正解!
資産運用の基本はコア・サテライト戦略です。お金を減らさずに増やすので、コア資産を厚目にする。
◆コア(安定成長、長期運用)総資産の7~9割が目安
・現預金、定期預金
・インデックスファンド
・バランスファンド
・不動産投資
・金投資
・国内債券
・米国債
◆サテライト:機関投資家が実践していたものを個人が応用
(積極運用・短期売買) 総資産の1~3割が目安
・FX
・米国株
・日本株
・アクティブファンド
・仮想通貨(暗号資産)
コアとサテライトの役割の違い
- コア資産:安定的な値動き 長期運用で堅実に増やす
- サテライト資産:大きな値動き 積極投資で利益を狙う
お金が減ってしまうと、投資なんかいやだという気持ちになるので、値動きとうまく付き合うことが大事。
定年前後に仮想通貨やFXは、値動きが激しいので適さない。
主なコア資産とサテライト資産
◆コア資産
・個人向け国債
・退職金専用定期
・預貯金
・インデックスファンド: 非課税講座でも課税講座でもどちらでもオススメ
・バランスファンド: 〃
・ETF: 課税講座ならETFも活用できる
定年前後で資産配分を大きく変更する必要はないが、サテライト資産をやや減らすのも一つの手
2024年からの統合NISA(つみたてNISAと一般NISAを統合した制度の仮称)は、つみたてNISAが基本だが、成長投資枠で、株やETFも投資できる。使い方としては、インデックスファンド、バランスファンドの積立と個別株とかETFも統合NISAの中でやるのも一つの手かもしれない。その場合は、コア資産の中で統合NISAをフル活用するか、もしくは、インデックスファンド、バランスファンドの積立を統合NISAの積立部門でやって、成長投資枠で個別投資にも手を出すということになる。
定年前後にまとまった退職金が入ってきたときの考え方
退職金を全額投資に回すのは勧められない。全額投資すると冷静さがなくなる。投資は感情との対決。いかに感情をコントロールするかが大事なので、いかに投資を抑えるかが大事。
◆退職金2000万円のとき
- 安全資産 500~1000万円 預貯金、個人向け国債など
- 運用資産 1000~1500万円 投資信託、ETFなど
◆投資する際はタイミングを分散する
例:1000万円の投資資金を使う場合
・月に50万円投資 計20回に分ける
・月に100万円投資 合計10回に分ける
・1景気サイクルの5年間に積立投資をする
- 値動きとうまく付き合うには、ドルコスト平均法を使う。
- 統合NISAは生涯投資枠は1800万円、年間投資枠は、一般NISAとつみたてNISAを合わせて360万円。ちょうど5年間で投資できるので、意識的にドルコスト平均法を進めている。
- 個人向け国債:変動10年がオススメ
- 退職金専用定期:三井住友信託銀行 自分の住んでいるエリアに複数の銀行があれば、退職金専用定期を探すことで確実にお得な利回りが取れるし、安全。
◆お勧めのETF
全世界:バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)
米国株全体:バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
米国株(ナスダック100):インベスコQQQ トラストシリーズETF(QQQ)
◆お勧めの投資信託
4資産均等型:ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)
8資産均等型:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
米国株全体:SBI・V・全米株式インデックス・ファンド
全世界株式:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
リスクが取れるなら、米国株全体や全世界株式が良い
◆退職金で買ってはいけない金融商品
- 退職金運用プラン:定期預金に投資信託やファンドラップを組み合わせた商品、定期預金の金利は5~7%と高いが、投資信託の手数料が高いためトータルで見ると損をしやすい。
- オプションつき投資信託:株式やリートに投資しつつオプション取引を行って利益の上乗せをする「カバーコール型」や「通貨選択型」など。仕組みを理解しづらい分リスクが高い。さらに手数料が高い。
- 仕組債:オプションを用いて高い利回りを狙った商品だが、手数料が高く、価格変動リスクも高い。定期預金と途中解約して仕組債の購入を勧められ、多額の損失が発生した紛争事例多数
- 外貨建て保険:保険料の支払いや保険金の受け取りを、米ドルや豪ドルなどの外貨で行う商品。為替レートの値動き次第で損をする可能性。手数料も高い。
- 外貨預金:日本円以外の通貨(外貨)で預金すること。円安になれば有利になるが、手数料が高い
- 毎月分配型の投資信託:毎月、分配金を受け取れる投資信託。分配金を再投資せずに受け取ると、福利効果を生かせなくなる。さらに、運用益が出なかったときは元本を取り崩して分配金が支払われる。手数料も高い。
- 不動産投資:定年後は住宅ローンを組みづらい。現金があれば一括で購入できるが、元を取るのに時間がかかる