正月に実家で話題になるNISA

NISA改正

NISA(少額投資非課税制度)の拡充に関して、12月に政府与党が税制改正大綱を決定しました。主な改正点は以下の通りです。簡単に言うと毎年360万円ずつ「つみたてNISA」と「一般NISA」に、5年間積み立てて放っておくと、10年後に2倍、20年後に4倍、30年後に8倍になることが期待できる制度です。

項目 現行 2024年1月以降
年間投資枠 つみたて40万円 120万円
一般120万円 240万円
非課税となる生涯投資枠 最大800万円 買付残高で1800万円
歳代600万円
両者の併用 不可 可能に

NISAは正月の話題

もうすぐ正月になりますが、実家に行ったり、親御さんと会う機会があるかも知れません。あるいは、ご夫婦でどうするかという話題が出ることもあるでしょう。その時に、このブログをご覧の方々は、お金に関して関心がおありでしょうから、24年以降のNISAをどうしたら良いか聞かれたり、話したくなる機会が増えるでしょう。

ハードルが高い

ところが、一般の雑誌などで紹介されるNISA活用法は、ネット証券に口座を設定して運用しなければなりません。ただでさえ、投資というリスクの高い領域に入るハードルが高いのに、その上、パソコンやスマホを操作して難しい作業をしなければならないという技術面のハードルも高いので、なかなか、この制度を利用できないかもしれません。

若者でもネット証券口座開設は難しい

現に、私の娘や息子にSBI証券の口座を開設させ、NISA口座を設定させ、イデコを申し込むのも、大変な作業でした。それを、60代、70代の高齢者にさせるのは非常に困難でしょう。

金融機関別の可能性

そこで、ハードルの低い方法を金融機関別にいくつか紹介します。

  1. 三菱UFJ銀行
  2. 三井住友銀行 ⇒残念ながら良い投資信託が利用できなさそうです
  3. みずほ銀行
  4. 野村證券
  5. 大和証券 ⇒残念ながら良い投資信託が利用できなさそうです
  6. SMBC日興証券
  7. 水戸証券

1.三菱UFJ銀行

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)などの低コストインデックスファンドを扱っていますが、インターネットバンキング専用です。当銀行に普通の口座を持っていれば、インターネットバンキング口座を比較的容易に設定できますから、お子さんが手伝ってあげて、いったん設定すれば、その後5年間の積み立てでNISAをフルに活用できます。

eMAXIS Slimシリーズは、投信ブロガーが選ぶFUND OF THE YEARに6銘柄入っていますので、便利です。

1位 eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
4位 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
6位 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
14位 eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
16位 eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
20位 eMAXIS Slim 新興国株式インデックス

2.三井住友銀行

残念ながら低コストの良い投資信託が利用できなさそうです。したがって、他の銀行か証券会社を利用するしかなさそうです。

3.みずほ銀行

「たわらノーロード・シリーズ」や「野村つみたて外国株投信」などを利用できるので、一応合格水準をクリアーしています。ただし、たわらノーロード・シリーズ(信託報酬約0.1%)に比べ、野村つみたて外国株投信(信託報酬約0.2%)はコストが高いので、できれば「たわらノーロード・シリーズ」の方が良さそうです。

4.野村證券

野村證券の投資信託で利用できるものは、「野村つみたて外国株投信」だけです。この銘柄は信託報酬が0.2%程度で、他社の0.1%程度のものより割高なのですが、何とか許容できる範囲内です。もちろん、ネット証券や三菱UFJ銀行の「eMAXIS Slimシリーズ」を利用した方が有利ではありますが、そこまで低コストを追求しなくても、新しいNISA制度を利用できればかなり得することができるでしょう。

「野村スリーゼロ先進国株式投信」は、つみたてNISA専用ファンドで、窓口のサービスを一切受けられなくなりますから、お勧めできません。三菱UFJ銀行のインターネット専用口座との違いは、窓口のサービスを受けられるかどうかです。

ただし、現在の品揃えのままでは、個人投資家がネット証券にすべて逃げて行ってしまうでしょうから、今回の制度改正に併せて、野村證券がどのような手を打ってくるかに注目です。

なお、野村證券には「eMAXIS S&P500インデックス」という銘柄がありますが、「Slim」が入っていないので、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」とは別物であり、信託報酬も、年率0.330%(税抜 年率0.300%)と高いので、間違って買ってはいけません。

5.大和証券

残念ながら低コストの良い投資信託が利用できなさそうです。したがって、他の銀行か証券会社を利用するしかなさそうです。

6.SMBC日興証券

「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」、「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」といった、低コストインデックスファンドを取り扱っているようなので、検討の余地はありそうです。

7.水戸証券

インターネット専用ですが「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を扱っています。低コストインデックスファンドは、この銘柄だけの様です。

最後になりますが、大事なことは、

  1. NISA制度で5年間積み立てること
  2. 最低10年間は売らずにそのままにしておくこと
  3. 60代、70代の高齢者にとって難しい作業はお子さんが手伝ってあげること

です。

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