パックンの『パックン式 お金の育て方』の本が売れ行き好調の様です。
最近の記事からパックンの考え方を学びます。
最初はAERAdot.の2022年12月6日の記事です。
保険は“投資商品”ではない! ハーバード卒のパックンが「明らかにおかしい」と指摘する日本の保険
■保険を「投資商品」として売るのは絶対おかしい
日本でとくに違和感があるのが、保険を「投資商品」として売ろうとする営業職の人が多いことです。 これは明らかにおかしな考えなので、やめてほしい!
たとえば、学資保険という、子どもの将来の教育資金に備えるための商品があります。「子どもが18歳になったら200万円の保険金がもらえる」という感じです。これは一見すると、お得な保険のように思いがちです。だって、ほかの保険は保険金が払われる「何か」が起きる可能性が非常に低い。火災保険は火事が起きないともらえないし、生命保険は死ななきゃお金がもらえない。
でも、学資保険なら子どもが18歳になるだけでもらえる! やった!
そう考えがちですが、ちょっと違います。そもそも、将来のためにお金を蓄えるなら、保険よりも投資のほうが効率的です。
■保険を「投資」に置き換えて考えてみよう!
ちょっと計算してみましょう!
インデックスファンドに積立投資をすれば、年率7%程度のリターンは狙えます。たとえば、一般的な学資保険と同じ設定で、子どもが生まれてから大学に入るまでの18年間、毎月1万円を積み立てたとしましょう。
掛け金の合計は(1万円×12カ月×18年=)216万円ですが、7%の複利が付いた場合、それが425万3153円に膨れ上がります! ほとんど倍になっています!掛け金よりもなんと96%アップ!
「え? でも、いくらインデックスファンドとはいえ、株価が下がる可能性もあるでしょう?」という慎重派な方もいると思います。
じゃあ、わかった。債券にしましょう。リスクの低いお堅い債券でも2~5%の年利は期待できます。2.5%だと18年間積み立てた216万円が、複利で272万円以上になります。これでも、掛け金よりもさらに26%アップにはなっているよね!
一方で、学資保険は、返戻率がだいたい100%前後です。つまり、掛け金の216万円が18年間で……216万円になる。つまり、0%アップ! むしろ、その掛け金を投資しなかった「機会損失」のほうが気になってしまいますよね。「でも、学資保険なら親が死んでももらえるでしょ?」という、子ども思いの方、いいところに気が付きましたね。そのとおりです。たしかに学資保険には、親が亡くなったら保険料が免除される特約がついている場合が多いです。つまり、もし親が亡くなってしまった場合でも、予定していた保険金は満額きちんと受け取れるということです。
■どうしても「保険」に入るならば……
でも、死んだときに備えるなら、掛け捨ての生命保険で十分。毎月1万円の積立で、もしものことがあったときに、学資保険なら216万円支払われるかもしれません。でも生命保険なら、仮に30歳の男性だとすると、だいたい月々1000円の掛け金で、死亡の際に1000万円もらえる生命保険に入れます。それに、親が亡くなって収入が少ない家庭には、給付型の奨学金が支給される可能性が高いです。そう考えると、学資保険に加入しなければいけない理由は、やっぱり見当たりません。学資保険のように、保険でありながら貯蓄の役割を持つものは「貯蓄型保険」と呼ばれています。
たとえば生命保険や医療保険の中にも、貯蓄型保険があります。でも、僕としては、貯蓄型保険には一切入る必要はないと考えています。お金を増やしたいなら節約と投資で、病気などのリスクが気になるなら掛け捨てタイプの保険で、というように使い分けたほうが合理的。
保険商品は複雑なので、ついつい広告や営業の人の話に鵜呑みにしてしまいそうになりますが、ここはシンプルに考えましょう。もし保険屋さんに「お金が増えるから」といって貯蓄型保険を強くプッシュされたら、「大親友のパックンが、『インデックスファンドに投資をしたほうがいい』って言っていましたが、本当ですか?」と質問してみてください。
msnの2022年12月3日の記事です。
円安も怖くない! ハーバード卒、投資歴25年以上のパックンがみんなに絶対伝えたい「投資のコツ」
■投資のリスクが分かれば、どうすれば安心なのかわかる
まずは、一文で終わる怖い話をから始めましょう。
もし一つの会社の株に全財産をかけたとして、その企業が倒産したら、血と汗を流しながら貯めてきた財産が水の泡……。ヒ~~!
だけど、100社の株を持っていたとしたら、たとえそのうちの1社が倒産しても、ほかの会社が生き残れば、あなたの財産は大丈夫ですよね! これが、僕がみんなに絶対伝えておきたい投資のコツ、「分散投資」です。
株価は長期的には伸びていく傾向があります。もちろんすべての会社の株価が伸びるとは限りません。競争に負けて、失速する会社、潰れる会社も中にはあります。そのような会社の株に投資をしたら、やっぱり損をしてしまいますよね。 つまり、投資って簡単ではありません。このあたりのリスクはちゃんと覚えておこう。僕も投資歴25年以上で結構長いほうだけど、株価の予測は相当難しいです。だから、分散投資をして、リスクを下げることが大事なのです。
■「分散」投資をして、リスクをカバーしよう
分散投資のコツは、いろいろなタイプの銘柄に投資先を分散することにあります。株式と一口に言っても、銘柄ごとに値動きの傾向が違います。たとえば、新型コロナウイルスが流行した2020年は、旅行関連の株価が急落したけれど、ウェブ会議のシステムを手掛けるZoomの株価は急成長していました。このように、株価の値動きは銘柄ごとに異なります。その異なる銘柄を組み合わせることで、一部の銘柄の値下がりをほかの銘柄の値上がりでカバーするのが、分散投資の強みです。
業種ごとに分散するほかにも、地域や通貨ごとに分散したり、株式だけではなく債券も組み入れて分散したり、分散投資にもいろいろな方法があります。さらには、あまり投資するタイミングを見計らいたくありませんが、余剰金ができるごとに投資したり、もしくは毎月積み立てて投資したりするのも、時期的な分散にもなります。分散投資という投資のセオリーを取り入れると、お金の安定度はかなり高まります。
たとえば、2022年の日本では急速に円安が進みました。その影響で、物価もかなり上がりましたよね。生活が厳しくなった人もいると思いますが、もしも収入のすべてを日本円でもらっていて、自分の身体を使って稼ぐお給料しかもらっていないとしたら、こうした状況でも、ただひたすらに「節約」をして耐えるほかありません。でも、早くから海外の株式などに分散投資をしていたとしたら、円安の影響で、むしろ利益を上げているということだってあり得ます。
1ドル100円のときは、100ドル=1万円の価値がありますが、円安で1ドル130円になったら100ドル=1万3000円の価値。つまり、1ドル100円のときに100ドル買って、1ドル130円のときに売ったら、何もしなくても3000円儲かった可能性があるということ。そう考えると、日本円もドルも持っていた方が安心だとわかるよね。
ちなみに、2022年の夏、僕の父が日本に遊びに来たとき、「なんでも安く感じる」と言っていました。結局、アメリカに持って帰る用のお土産に何を買って帰ったと思います?
正解は……、リーバイスのジーパン!
円安、地域情勢の不安定化、◯◯ショックなど、分散投資はさまざまなリスクに対処できます。ある業種の株価が落ちたり、ある国の株価が落ちたり、いろいろなことがありますが、分散しておけば影響を最小限に抑えられます。
しかも、『パックン式 お金の育て方』でも詳しく説明した「投資信託」を使えば、驚くほど簡単に分散投資をすることができます。分散投資は難しいと思っている人がいるかもしれませんが、それこそアマゾンで商品を買うときみたいに簡単だから、安心して!
<明日に続く>