文化放送の2023年4月22日放送「大垣尚司・残間里江子の大人ファンクラブ」で、変動10年 個人向け国債が取り上げられたので、勉強してみます。
リスナーの質問
変動10年 個人向け国債の利率が去年の今頃と比べて、利率が3倍近くになっているようです。と言っても大した金額ではありませんが・・・。リスクが低いのは魅力な気がしますが、どう思われますか?
大柿尚司の回答
48歳というお歳だともちろん国債でもいいんですが、まだ投信だとか、新しいNISAとかイデコの制度も出てきているので、ちょっと長期的に考えられてもよいともいます。
(注)江戸庄蔵のコメント
- ここで大垣氏は、48歳という若い年齢であれば、国債ではなく、投信、新しいNISA、イデコ(個人型確定拠出年金)のほうが良いと言いたいのでしょうが、せっかく変動国債に興味を持たれているので、全否定するのではなく、やさしく、他の道もあるということです。
- ただし、人によっては、数億円も資産を保有していて、そのうち1億円だけを国債に投資するという分散型ポートフォリオを考えている場合もあるでしょうし、株式や、投資信託は不安で夜も眠れないという人もいますから、銀行預金よりはまだましだという考え方を否定することはできません。
- 一般的に一番お得だと言われているイデコであれば、最高65歳まで積み立てることができますから、このリスナーの場合、今から20年近く利用できます。私は、現在、自分の確定拠出年金を全額、外国株式インデックスファンドで運用していて、原始の3倍以上まで評価額が増えました。
- 2024年から始まる新NISA制度は、最高限度額1800万円まで利用できますから、早めに限度額いっぱいまで利用したほうが良いでしょう。ここでも、投資すべき商品は、低リスク低リターンの商品ではなく、外国株式インデックスファンドを利用すべきです。私の家族は、60代も30代も全員外国株式インデックスファンドを買う予定です。
- 個人型確定拠出年金(イデコ)、企業型確定拠出年金、新NISAを合計しても3000万円程度ですから、それ以上に投資したければ、課税される投資信託を利用することになります。若いうちから利用して複利でどんどん増やせば、リスクをどんどん小さくすることが可能です。
(以上が江戸庄蔵のコメントでした。以下、大垣氏の回答に戻ります。)
しかし、国債自体は今面白い時期になって来ていて、個人向けというのは普通の国債と違っていて、一番大きな特徴として、10年変動は、国債の金利が上がったり下がったりすると、それに合わせて金利が変動します。昔の郵便貯金と同じでいつでも換金できるので、入れておいて、お金が必要になったら引き出すということができます。国とか会社が出す債券は、利子が付いて最後に元本をお返ししますというものです。これは売ったり買ったりできますが、普通のものだと、途中で売ったりすると、その時に値段が上がったり下がったりしている場合、価格が変わってしまいます。ところが債券は、100万円で買ったら100万円で換金してくれるというところがすごくて、最初の1年が換金できませんが、そのあとはできます。
金利も定期預金なんかよりはずっと高いんです。一番低くなって0.05%で、これは低いと思われるかもしれませんが、銀行預金はもっと低い。国債は、現在、もっと高いと思います。
(注)第157回債(2023/5発行)5月・11月各15日0.30%
何よりも、新しい日銀総裁が誕生して、ここから何をやらないといけないかというと、一番うまくいったシナリオでは、10年物という長い金利を少しずつ上げていくことです。数か月、明日、一週間の金利は絶対に上げられないので、ここは抑えたままにする。
普通の金利は短い期間のものは安くて、長い金利のものは高くなります。それは当然で、他の用途に使えなくなるので、金利が高くしないと買ってもらえないのです。だから、普通は右肩上がりになっているんですが、黒田さんという総裁が、それを平行に抑えてきたんです。
それは無理なので、長期間の金利を自然なところに戻して行こうということを急にやると大変ですが、ちょっとずつやることになりそう。
この斜めになっているカーブをイールドカーブと言います。イールドというのは利回りのことです。利回りカーブをコントロールするので、イールド・カーブ・コントロールと言います。新聞には時々YCCと書いてあります。金利を上げる、上げると言っていますが、短い期間の金利は上がりません。だから、住宅ローンの金利は、銀行から借りますが、それは短いところに連動しているので、案外上がらないけど、債券は期間が長いので上がっていきます。今金利の低い債券を買うと、ずっと金利が低いままなので、債券の価格が下がってしまいますが、変動金利国債は一緒に金利が上昇します。10年変動は今からやると、金利が下がるより上がる可能性が高い。ただし、必ず上がるとは言えない。
残間
国が破綻したら駄目でしょう。
大垣
国が破綻したら、客観視できないよ。国がだめになったら、日本の外に逃げないとダメ。気を付けてほしいのは、今、金利を上げようとしているので、固定金利の債権を買うと、債券の価格が下がっていく。だから、確かに変動に目を付けているのは良い。
残間
安心度が高いとは言うけど、絶対に安心とは言えない。