今日からの記事は2021年に投稿した記事を最新版にリニューアルしたものです。この3年間で、2022年からはインフレが進み、昨年からは日本株価が急上昇しました。また、今年に入ると、新NISAが始まって、投資に関する関心も高まりましたので、それらを踏まえて、20回連続記事の改訂版を作りました。
過去の実績は「10年で2倍、20年で4倍、30年で8倍」
50代、60代、あるいは70代以上の方で、投資をしたことがなく銀行預金だけだった、あるいは野村、大和などの対面証券で投資をしたことがあるが、あんまり儲からなかったという経験をした人は多いのではないでしょうか。
1990年のバブル崩壊、リーマンショックを経験したり、周りの人のうわさを聞いて、投資は危険なものだ、手を出してはいけないと経済評論家と称している人もいます。
結論から言うと、適切な投資をすれば、「10年で2倍、20年で4倍、30年で8倍になる」可能性が高いのです。60代、70代、80代の人は「そんなに長いこと生きない」と思われるかもしれません。しかし、1年後に現在より増える確率は4分の3です。そして、10年後には非常に高い確率で増えているはずです。
私自身も十数年間で、金融資産が3.5倍に増えました。しかも、銘柄を検討したり、難しい売り買いのタイミングを見計らう必要はありません。
S&P500株式なら過去31年で12倍
実際の投資実績を見てみましょう。
この図は、世界最高の投資家ウォーレン・バフェットが推奨しているS&P500株式ETFの代表的な銘柄、SPY(SPDR社のS&P500株式ETF)のチャートです。
1993年の発売時43.94ドルだった価格は、2024年6月12日現在で541.36ドルになっていますから、31年で12倍になり、上に書いた「30年で8倍」よりも高い実績をあげました。しかもこれ以外に、毎年1%強の分配金も支払われているのです。
もっと長い目で見てみましょう。
アメリカの株式は、213年間で百万倍
下の図を作成したジェレミー・シーゲル(Jeremy J. Siegel)氏 は、アメリカ・ペンシルベニア大学経営大学院(ウォートン・スクール)の教授で専門は金融論です。
1802年から2015年までの、各資産の指数をグラフにしたものです。縦軸は対数目盛で、2013年間で約1,000,000倍になりました。つまり、1ドルをアメリカの株式に投資すれば百万ドルになったということです
1年後にマイナスになる確率は約4分の1
アメリカ株式の重要な指標であるS&P500の対前年比をカウントすると、過去67年間のうち、前年比がマイナスになったのは18回しかありません。
年 | 年末終値 | 対前年増減率 |
1957 | 39.99 | -14.31 |
1958 | 55.21 | 38.06 |
1959 | 59.89 | 8.48 |
1960 | 58.11 | -2.97 |
1961 | 71.55 | 23.13 |
1962 | 63.1 | -11.81 |
1963 | 75.02 | 18.89 |
1964 | 84.75 | 12.97 |
1965 | 92.43 | 9.07 |
1966 | 80.33 | -13.09 |
1967 | 96.47 | 20.09 |
1968 | 103.86 | 7.66 |
1969 | 92.06 | -11.36 |
1970 | 92.15 | 0.1 |
1971 | 102.09 | 10.79 |
1972 | 118.05 | 15.63 |
1973 | 97.55 | -17.37 |
1974 | 68.56 | -29.72 |
1975 | 90.19 | 31.55 |
1976 | 107.46 | 19.15 |
1977 | 95.1 | -11.5 |
1978 | 96.73 | 1.71 |
1979 | 107.94 | 11.59 |
1980 | 135.75 | 25.77 |
1981 | 122.55 | -9.73 |
1982 | 140.64 | 14.76 |
1983 | 164.93 | 17.27 |
1984 | 167.24 | 1.4 |
1985 | 211.28 | 26.33 |
1986 | 242.17 | 14.62 |
1987 | 247.08 | 2.03 |
1988 | 277.72 | 12.4 |
1989 | 353.4 | 27.25 |
1990 | 330.22 | -6.56 |
1991 | 417.09 | 26.31 |
1992 | 435.71 | 4.46 |
1993 | 466.45 | 7.06 |
1994 | 459.27 | -1.54 |
1995 | 615.93 | 34.11 |
1996 | 740.74 | 20.26 |
1997 | 970.43 | 31.01 |
1998 | 1,229.23 | 26.67 |
1999 | 1,469.25 | 19.53 |
2000 | 1,320.28 | -10.14 |
2001 | 1,148.08 | -13.04 |
2002 | 879.82 | -23.37 |
2003 | 1,111.92 | 26.38 |
2004 | 1,211.92 | 8.99 |
2005 | 1,248.29 | 3 |
2006 | 1,418.30 | 13.62 |
2007 | 1,468.36 | 3.53 |
2008 | 903.25 | -38.49 |
2009 | 1,115.10 | 23.45 |
2010 | 1,257.64 | 12.78 |
2011 | 1,257.60 | 0 |
2012 | 1,426.19 | 13.41 |
2013 | 1,848.36 | 29.6 |
2014 | 2,058.90 | 11.39 |
2015 | 2,043.94 | -0.73 |
2016 | 2,249.26 | 10.05 |
2017 | 2,673.61 | 18.87 |
2018 | 2,506.85 | -6.24 |
2019 | 3,230.78 | 28.88 |
2020 | 3,756.07 | 16.26 |
2021 | 4,766.18 | 26.89 |
2022 | 3,839.50 | -19.44 |
2023 | 4769.83 | 24.23 |
これらのことから導き出される結論は、「アメリカ株式のS&P500を中心に投資するのが良い」と言うことだと思います。
そして、まずは2024年から始まった新NISAを利用することが良さそうだし、それ以外にも投資する余裕があるなら、低コストインデックスファンドや株式ETFに投資することです。
具体的な方法を述べると、「野村證券かSBI証券で、eMAXIS Slim 米国株S&P500、eMAXIS Slim 全世界株式(オール)で積み立て、更に余裕があれば、SPY(SPDR社のS&P500株式ETF)、VOO (バンガード社のS&P500株式ETF)などの株式ETFか、eMAXIS Slim 米国株S&P500、eMAXIS Slim 全世界株式(オール)などの低コストインデックスファンドに投資」することです。
本日は導入編なので、私のポートフォリオや運用実績など詳しい説明は明日以降行います。