2007年に連れ合いが、1306(TOPIXの株式ETF)とSPY(SPDR社のS&P500株式ETF)に投資を始めて18年が経ちました。
その間、リーマンショック、チャイナショック、新型コロナショック、トランプ関税を経験しましたが、グラフにしてみると、極めて順調に成長してきたように思えます。
連れ合いは、NISA用の資金に充てるために1306(TOPIXの株式ETF)を売却し、すぐにNISA商品を買った以外は、18年間、一度も売却したことはありません。
私も、生活費補填のため以外は基本的に売却経験がありません。
つまり、相場や評価額が上がった、下がったという理由で売り買いしたことはないのです。損切りとか利益確定と言う言葉とは無念の世界にいます。
損切り、利益確定で儲かるのは証券会社です。
個人投資家が儲けるのは、「買って、持ち続ける」ことです。
年金はいつから受け取り始めるのが得か?
この質問に正確に答えるのは極めて難しいと思います。
何歳まで生きるか、配偶者と本人の厚生年金の差等によっても変わります。
例えば、夫の厚生年金の額が妻よりかなり大きい場合には、妻は「国民年金の受け取り開始時期を遅らせ、厚生年金の受け取り開始時期はできるだけ早い方」が得です。
なぜなら、遺族厚生年金の年金額は、死亡した方の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3の額となるからです。つまり、自分の厚生年金を遅らせて受け取ろうとしても、いざ受け取ろうとした時には、自分の厚生年金でなく、夫の厚生年金を受け取ることになるからです。
そのような細かいことを説明してくれている記事は少ないのですが、まずは一般論を東証マネ部!の2024年1月18日の記事で学びましょう。
片方だけの繰り下げもできる
誰も教えてくれない、老齢基礎年金と老齢厚生年金を分けて繰り下げる裏技
年金はいつ受給開始するかで金額が変わる
年金を受給するときにはお住まいの近くにある年金事務所や年金相談センターに年金請求書を提出します。年金は「申請主義」といって、請求の手続きをすることではじめて受け取れます。
年金は原則65歳からですが、希望すれば60〜75歳の間の好きなタイミングで受給を開始できます。60〜64歳までに受給することを「繰り上げ受給」、66〜75歳までに受給することを「繰り下げ受給」といいます。
繰り上げ受給・繰り下げ受給の時期は1か月単位で選べます。そして、受給を始めるタイミングによって年金の金額(受給率)が変わります。
繰り上げ受給では、1か月早めるごとに0.4%ずつ受給率が減ります。60歳まで年金の受給開始を早めると、受給率は76%(24%減額)となります。
一方、繰り下げ受給では、1か月遅らせるごとに0.7%ずつ受給率が増え、75歳まで遅らせると受給率は184%(84%増額)になります。

年金の受け取り方「繰り上げ受給」のメリット・デメリット
年金の繰り上げ受給のメリットは、年金という安定収入を早いうちから手に入れられることにあります。早期退職で収入が少なかったり、健康面に不安があったりする場合は、繰り上げ受給のほうがいいかもしれません。
しかし、年金の繰り上げ受給にはデメリットがいくつかあります。
繰り上げ受給をすると、本来より少ない年金額を生涯受け取り続けることになります。一度申請すると、取り消せません。繰り上げ受給は、国民年金・厚生年金同時に行います。なお、繰り下げ受給は国民年金だけ、厚生年金だけを選べます。
繰り上げ受給すると、国民年金の任意加入ができなくなります。任意加入ができないと、国民年金の未納期間を減らして年金を増やすことができません。国民年金保険料の追納もできなくなります。

また、繰り上げ受給したあとに所定の障害状態になっても、障害基礎年金が受け取れません。夫が老齢年金をもらう前に亡くなったときに妻がもらえる「寡婦年金」ももらえなくなります。さらに、iDeCoに加入できる条件を満たしていても、iDeCoに加入できなくなります。
年金の受け取り方「繰り下げ受給」のメリット・デメリット
年金の繰り下げ受給のメリットは、なんといっても年金額が最大で84%も増えることです。繰り上げ受給と同じく、一度繰り下げ受給で年金をもらい始めたら、以後は増額した年金が生涯にわたってずっと続きます。
しかし、せっかく年金を繰り下げても、長生きできなければ損です。75歳から年金をもらおうと思っていたのに、74歳で亡くなってしまったら、本人は年金を1円ももらえなくなってしまいます。年金を繰り下げると年金額は最大84%増えますが、年金額が増えると税金・社会保険料も増えるため、手取りが84%増えるわけではありません。
加給年金や振替加算は、年金を繰り下げている間はもらえません。特に「自身の老齢厚生年金の繰り下げ」と「加給年金の受給」どちらが得かはよく考える必要があります。

なお、年金の繰り下げ中に亡くなった場合に、遺族がもらえる遺族年金の金額は、65歳時点の金額で計算されます。仮に74歳で亡くなったとしても、遺族は繰り下げ受給の恩恵が受けられません。
老齢基礎年金と老齢厚生年金を分けて繰り下げる裏技
繰り上げ受給は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を同時に行わなければなりません。それに対して繰り下げ受給は、老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々に繰り下げることができます。
例えば、「70歳まで働くつもりだけど、勤労収入だけで生活するのは厳しい。一方で70歳以降の年金額も増やしたい」といった場合、65歳から老齢基礎年金を受け取り、老齢厚生年金だけを繰り下げ受給して将来のために増やすといった一手があります。
「配偶者が亡くなった時に年金が少なくなるので不安」といった場合、老齢基礎年金だけは繰り下げておくのが良いでしょう。遺族厚生年金は配偶者が65歳時点でもらえる老齢厚生年金の4分の3。老齢基礎年金の金額は遺族厚生年金に影響しないため繰り下げが有効です。配偶者の健康に不安があるならば検討したい一手です。

加給年金をもらえるときも、老齢基礎年金だけを繰り下げるのが一つの手です。加給年金は老齢厚生年金を繰り下げているときには支給停止になりますが、老齢基礎年金は関係ありません。年金を繰り下げ受給で増やしながら加給年金ももらいたいという場合に有効です。