(縦軸の数値は2010年4月合計を100とした指数です。)
資産運用を始めて6年間で最大の下落
この1年間は、チャイナショックの影響で運用益が大幅に減少しました。その減少幅は、資産運用を開始した1年後の2011年3月よりも大きくなりました。棒グラフを見ていると、5年に一度くらいは大きなショックがあって、資産は減少することが分かります。しかし、それ以外の年は増加していて、中長期で見れば、ETFによる資産運用は、Buy And Hold 方針の下で育っていくのでしょう。
運用益は新宿区西早稲田の30㎡新築マンション価格に相当
今回は、運用益が大幅に減ったので、前年の新宿高層マンションから通常の新築マンションになりました。高級車で評価すると8台分くらいになります。
ほとんどを内外のETFで運用
金融資産のほとんどを内外のETFに投資しているので、上がる時も下がる時もかなり激しい動きをします。しかし、5年、10年経つうちに、資産価額が上昇して、ほぼ安全圏まで上がり切ることができるのではないかと思っています。
ETFの登場に感謝
SPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)が1993年にアメリカで登場して以来、アメリカ、日本などで様々なETF(VGK(バンガード®・FTSE・ヨーロッパETF)、VWO(バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETF)、VOO(アメリカのバンガード社のS&P 500の ETF)など)が買えるようになりました。平凡な個人にとって、とてもありがたいことです。
財形貯蓄と同じ感覚でETFを購入し、保有
私は投資家という意識をあまり持っておらず、普通の貯蓄か資産運用の感覚でETFを購入しています。個別株式と違って、価値がゼロになる心配がないので、大幅な下落の心配はあまりしていません。40年前に財形貯蓄を始めた時と同じ感覚です。
金融資産:日本人は銀行預金、アメリカ人は株式
個別株と異なり、大きなリスクを私はあまり感じていない済んでいる一方で、運用利回りは平均すると10%ほどになります。ある程度の相場変動を覚悟したうえで、購入し、価格が下がった時にも持ち続ければ、資産価値は増大すると信じています。そして、おそらくアメリカの一般市民も、あまり大きなリスクを感じないでSPYなどのETFを保有しているのだろうと思います。2017年8月18日の日本銀行調査統計局の調査によれば、金融資産うち株式で保有している割合は、日本人が10%しかしいないのに、アメリカ人は36%もいます。
1990年代のバブル崩壊の犠牲者
1980年代に銀行から多額の借り入れをしたことなどによって、バブルが発生しました。そして1990年代に入って、そのバブルが崩壊したために借り入れをした人たちが苦しい思いをしました。その頃、私のような平凡なサラリーマンは借り入れもせず、コツコツと貯蓄をしていました。バブルの犠牲にならなかったのです。しかし、多くの一般庶民は、株式は怖いもの、という意識を植え付けられてしまったのかもしれません。そうすると1990年代のバブル崩壊の犠牲者に、一般庶民も加わってしまっているのかもしれません。もし、当時、日本でバブルが発生しなければ、アメリカのように、一般庶民も個別株式やETFで資産運用をしていたかもしれません。
インフレになったら銀行預金はどれほど危ないのでしょうか
銀行預金なら、確実だと考える人もたくさんいるようですが、アベノミクスによってインフレの懸念がどんどん大きくなってきている現在、銀行預金なら安心だという考え方をすることはできないと思います。何しろ日銀がインフレ率2%を目標としていますし、オーバーシューティングも有りうるといっているのですから、将来どれほどのインフレになるかは分かりません。一方で現実は、日銀があらゆる手を尽くして金融緩和策を実施していますが、何年たってもインフレにならない状態が続いています。
銀行預金を安全だと信じる危うさ
20年以上も続くデフレのせいかもしれませんが、日本人は銀行預金を異常なまでに好む傾向があります。銀行預金をしておけば、自分の金融資産の名目上の数字が減ることはないから、実質上の価値も減ることはないという思い込みがあるのでしょうか。私が以前勤めていた会社で確定拠出年金制度を導入した時、9割の社員が銀行預金による資産運用を選択しました。この傾向はその会社だけでなく、どの会社でも同様だそうです。一方、私は全額を株式で運用することにして、現在、元本の2倍に評価額が増加しました。いずれやってくるかもしれないインフレの影響で、名目上の数字は減らないけれども、実質的には価値が毎年減っていくことになるということへの対策として、株式による運用を選択したのです。
巨額の国債残高を心配する外国人と心配しない日本人
将来発生するかもしれない高率のインフレの主な原因は、日本における巨大な国債残高だと思います。この巨額で、増加する一方の国債残高については、ドイツやフランスの大臣や学者が日本のことを心配しているのに、それを心配している日本人は極めて少数派のようです。
日銀や財務省のOBは海外に資産を移転することを考え始めたようです。
けれども、そのような日本国内においても、国債残高、アメリカの株式の利回り、過去200年の世界の金融の動きなどを知っている人達は、日本のインフレや円の価値の下落について心配し、自分の資産を海外に移動させ始めているようです。典型的な人たちは、日銀や財務省を退職した人たちで、自分の退職金を円のままにしておいて良いものかと考え、すでに移転を始めた人もいるようです。円のことを最もよく知る立場にいた、その人たちがどのように考えているのかをぜひ知りたいものです。