膨大する国債残高と個人ができるインフレ対策(2018改訂版)3

(昨日の続き)

「アベノミクス」から「アトノミックス」へ

連れ合い:それじゃ、日本政府は何をすればいいの?

私:国の借金を全額なくすということは不可能だし、そこまでやることはない。ある程度の借金をすることは現代の各国政府には認められているからね。でも、せめて、他の先進国並みの借金体質、例えばGDPと同じ規模の国債残高にまで借金を減らした方が良いと思う。なぜなら、首都圏直下型地震、東海・東南海・南海地震などは、いつ起こるか分からないからね。国の借金があまりに多額になれば、ハイパーインフレなどが起きやすい極めて危険な状態に陥ってしまう。だから、日本がその危険地帯から避難するには、

  1. インフレ税
  2. 増税
  3. 緊縮財政

の施策を実行する必要があると思う。この三つの施策の組み合わせは、「アベノミクス」ではなく、借金をしまくって散財した後の「アトノミックス」(後のmix)ということになる。そして、残念ながら、この時、ひどい不況やインフレなどを覚悟する必要があると思うよ。

連れ合い:なんとなくわかったけど、もっと大学教授とか立派な人も、そんな風に考えているのかな?あなただけの意見じゃないの?

私:清滝信宏プリンストン大学教授も、おんなじことを言っているので驚いた。「将来、日本が財政破綻になった時には、支出カット、税収増、インフレによる国債減価という3つの政策をどのような割合で発動するかがポイント」とおっしゃっている。この先生は、日本人として初めてノーベル経済学賞を受賞するか注目されているくらいの人だよ。詳しくは、「財政破綻―清滝信宏プリンストン大学教授」を参照してね。

<インフレになった時に困らないようにするにはどうすればいいのでしょうか。>

株ならインフレを乗り越えられる?

連れ合い:インフレに備えるには銀行預金でなく、株にした方が良いってこと?

私:株と不動産はインフレに強いと昔から言われている。つまり、インフレになれば、それに応じて株価も上がる可能性がある。でも、もし世界の投資家が、日本の円は危険だと思ってしまうと、日本の円で取引される日本株式を売ってしまう可能性がある。日本株式は、現在7割を外国人投資家が取引しているので、外国人が売ったら暴落するだろうね。だから、安心というわけにはいかない。

連れ合い:それなら米国とか外国の株式なら安全?

私:日本のインフレだけ考えると、日本の株式より外国の株式の方が、安全かも知れない。

今まではデフレだったから、

銀行預金>日本の株式>外国の株式

と考える人がいても、あながち間違いではなかったけど、これから日本のインフレが進むとなると、

外国の株式>日本の株式>銀行預金

になる可能性がある。

でも、インフレ率だけじゃなく、利回りも考えなくてはいけない。

過去20年、米国株式の価格は8%で上昇

過去20年位を見ると、

米国の株式(8%)>日本の株式(3%)>銀行預金(0%)

ぐらいかな。

でも外国もインフレになるかもしれない。一方で、日本がまたデフレになる可能性もないとは言えない。株式自体の価格も変動があるので安全とは言えない。

連れ合い:インフレ率と利回りの両方を一度に考えるとどうなるの?

私:1年や2年の短期だと、株価はどうなるか分からない。だから、そんな短期で考えるのではなく、中長期、例えば10年~20年で考えるしかない。米国株は過去20年以上で考えると毎年の利回りを平均8%として、10年持っていれば2倍以上になる。だから、もし株価が半分に暴落しても大丈夫。そしてインフレになっても、それに応じて価格が上がることが期待できる。それに、何年かすれば、半分の株価からかなり回復するだろうし。

連れ合い:それなら、今持っている銀行預金を米国株に換えればいいの?

(明日に続く)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です