◎今日のテーマ:ジョン・C・ボーグル1
バンガード創始者
ボーグルは、インデックスファンドの創始者で、バンガード・グループの元社長です。
ボーグルに関する発言などをテーマにして、私の考えていることを書きたいと思います。
インデックスファンドは全体の3分の1
アメリカのモーニングスター社によると、米国のインデックスファンドは、ファンド投資額全体の3分の1を占めています。そして、その割合は増えているようです。
バフェットも相続でインデックスファンドを推奨
9兆円の資産家であり投資家である、ウォーレン・バフェットも、自分の死後、相続財産はバークシャー・ハサウェイ(自身の保有する世界最大の投資持株会者)ではなく、S&P500のインデックスファンドに投資するように勧めています。バフェットも20世紀後半から21世紀初頭にかけては、バリュー投資で巨額の利益を稼ぎましたが、リーマンショック後は、精彩がありません。
アクティブファンドの成績はほとんど運
ボーグルは、1951年に、プリンストン大学を首席で卒業して、フィラデルフィアのウェリントン・マネジメントというファンド運用会社に就職しました。当時は、まだインデックスファンドが誕生していませんから、アクティブファンドを運用していました。その頃ボーグルは、「常に成功するマネージャー」がいると思っていましたが、そんな人はいませんでした。その理由は、95%が運で残りの5%が技術、あるいは98%が運で2%が技術だからだそうです。日本においてもある著名な経済評論家が、「今までの総合成績は1600勝1500敗だ」と語っていました。私は、この二人の勝率は、現在更に50%に近づいていると思います。なぜなら、現在はボーグルの時代より様々な研究や実験が進み、コンピュータの処理能力も飛躍的に高まったのですからです。
アクティブファンドの手数料
「大半の投資家は平均的な利回りを得るために高い料金を払っている」と言います。つまり、S&P500やTOPIXのETFと同様の結果を得るために、数十倍の手数料をアクティブファンドに支払っている、ということです。
9割以上の確率でインデックスファンドが有利
S&Pダウ・ジョーンズ・インディシーズの調べによると、2018年6月までの15年間に米国の大型株で運用するアクティブ型の92%が、S&P500種株価指数の運用利回りを下回った。「運用コストが高くても優秀な投資家であれば市場平均を上回れると言っていたのは過去の話だ」とボーグルは語っています。
なぜ個人投資家はアクティブファンドを買うのか
それでは、なぜ個人投資家は、わざわざ高い手数料をアクティブファンドに支払って儲けさせてあげるのでしょうか。ボーグルは、宣伝広告のせいだ、と言います。しかし、日本においては広告宣伝力よりも営業力の方が強いでしょう。マーケティングでは、4Pの要素が重要だと言われます。4Pとは、製品(Product)、価格(Price)、流通(Place)、広告宣伝(Promotion)の頭文字です。この4項目をファンドに当てはめて考えると、
- 製品はリターン・リスク等による銘柄、
- 価格は購入手数料・信託報酬などのコスト、
- 流通は銀行・証券などの対面売り場とインターネット、
- 広告宣伝は対面売り場に貼ってあるポスターやインターネット・新聞などの広告
が該当するでしょう。
新聞・雑誌の記事は広告主に忖度
新聞や雑誌の記事も、広告宣伝料を払ってくれる証券会社に忖度して、インデックスファンドやETFの記事はほとんど見かけません。個人投資家にとって大事なのは、製品(Product)、価格(Price)であって、流通(Place)、広告宣伝(Promotion)はどうでも良いのです。なぜなら、ファンドの価値はすべてお金に換算できるので、リターン・リスク・コストでほとんど決まってしまうからです。