◎今日のテーマ:財政危機2 消費税率はいくらになるのか。
どんな準備が必要か
このブログでは、経済のことを扱ことがありますが、「日本経済をどうすべきか」というテーマでなく、「こうなるかもしれないから、どのように準備すべきか」を考えています。日本の経済が将来にわたって、順調に進んでいけばよいのですが、残念ながらそうはならないでしょう。
平成時代
平成時代に、政府財務をどんどん積み重ねて、現政権になっても、景気が良いにもかかわらず財政を立て直す意志も行動もあまり見られませんでした。日本の債務残高はGDPの約2.4倍になっていて、先進国では最悪の水準です。
ハイパーインフレを忘れないドイツ、すっかり忘れた日本
世界大戦後にハイパーインフレで苦しんだドイツは、財政支出を厳しく抑え込んでいて、GDP比債務残高は60しかありません。しかし第2次世界大戦後、日本も200倍(つまり20000%)のハイパーインフレに苦しんだのですが、それをほとんど忘れてしまっているようです。戦後生まれの人が、日本国民の8割を超え、戦前・戦中に生まれた人達も、ほとんどは子供だったので、ハイパーインフレの記憶が無いのでしょう。学校の日本史の授業で、戦後のことあまり教えてこなかったのかも知れません。
異次元緩和金融政策
日本では1990年頃から債務比率が右肩上がりで上昇し続けています。1995年には、イタリア、フランスよりも低かったのですが、現在は2倍前後になってしまっています。最近5年程度は、日本の公的債務のGDP比率はあまり上昇していませんが、それは日本銀行の異次元緩和金融政策で、長期金利が抑えられているからです。2%のインフレ目標が達成されて、日本銀行がこの政策を止めれば、金利が上昇して公的債務は急騰するでしょう。最近数年間は景気が良かったにもかかわらずに、財政支出を抑制せずに、消費税を導入することなく、その上財政支出を抑制してこなかったのです。
消費税率35%~60%
2019年10月には消費税率が10%に上がる予定ですが、問題はその後です。歳出の削減をせずに消費税の増税だけで債務比率を一定の値に抑えようとすると、消費税率を35%~60%にしなければならないという試算もあります。
アトノミックス
消費税率だけに頼らず、3つの施策を組み合わせざるを得ないでしょう。
- 財政支出の削減
- 消費税率の増税
- 物価上昇によるインフレ税実現
この3つが、アベノミクス後の「アトノミックス」(財政破綻―清滝信宏プリンストン大学教授)です。しかも、若い人も、年金世代も、それだけでは済みません。これだけの施策を実施することになると、かなりひどい不況に陥りますが、その場合、給料が下がるだけなら我慢できるでしょうが、リストラや会社倒産というつらい目に遭う人も出るでしょう。年金世代については、マクロスライドによって、インフレ分を年金受給額に反映してもらえず、6割上昇にとどまるとされています。
財政危機が近づいている
今日のブログは、かなり厳しい内容でしたが、最近は、財政危機に関する新聞・雑誌の記事が増えてきていますので、良く読んで、勉強し、自分ではどう備えていくのかを考えていきたいと思います。