分配率は0.56%
VOO(バンガード社のS&P500のETF)の外国証券分配金のお知らせが野村證券から届きました。単位あたり分配金は1.178ドルで、1株を210ドルとすると分配率は0.56%になります。
交付日 | VOO分配率(1株210ドル) |
2018/10/4 | 0.57% |
2018/12/26 | 0.61% |
2019/3/29 | 0.69% |
2019/7/5 | 0.66% |
2019/10/4 | 0.62% |
2020/1/7 | 0.68% |
2020/3/18 | 0.56% |
年間の分配率は1.96%
VOO(バンガード社のS&P500のETF)は年間4回分配しますから、過去4回合計で2.52%になります。アメリカと日本のETFの分配率は通常2%弱ですが、今回は新型コロナウイルスの流行で株価が大幅に下落したため、分配率が高く計算されています。例えば、2月末の株価は271ドルでしたから、それを分母として計算すると、1.96%となり通常の分配率になります。
リーマンショック後の分配金
分配率は上記の通りですが、分配金は過去どうなっているのでしょうか。特にITバブルのはじけた後やリーマンショックの後を確認しましょう。VOOの設定は2010年でデータがありませんから、代わりにSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)の分配金の推移を見ます。
SPY分配金 | 1ユニット当たりの分配額(米ドル) |
1993 | 1.13 |
1994 | 1.23 |
1995 | 1.28 |
1996 | 1.36 |
1997 | 1.38 |
1998 | 1.42 |
1999 | 1.45 |
2000 | 1.51 |
2001 | 1.42 |
2002 | 1.50 |
2003 | 1.63 |
2004 | 2.20 |
2005 | 2.15 |
2006 | 2.45 |
2007 | 2.70 |
2008 | 2.72 |
2009 | 2.18 |
2010 | 2.27 |
2011 | 2.58 |
2012 | 3.10 |
2013 | 3.35 |
2014 | 3.84 |
2015 | 4.21 |
2016 | 4.54 |
2017 | 4.80 |
2018 | 5.10 |
2019 | 5.62 |
ITバブル後は減少
SPYは1993年に設定され、1ユニット当たりの分配額は年間で1.13ドルでした。その後2000年まで毎年少しずつ増加し、1.51ドルになりました。ITバブルのはじけた2001年には少し減少して1.42ドルになりましたが、わずか-6ポイントパーセントでした。翌2002年には1.50%まで回復し、2003年はバブル時期を上回る1.63%になりました。
リーマンショック後3年で回復
リーマンショック後の2009年は前年比20ポイントパーセント減少して2.18ドルになりました。2007年を超えるには3年間を要しました。その後は、株価の上昇に合わせて分配額も順調に増えました。
分配金は比較的安定
株価は大きく変動しますが、それに比べて分配金はある程度安定した収入として期待できます。
私は日本のETFを1種類、外国のETFを5種類持っています。
- 1306:日本TOPIX
- SPY:アメリカS&P500
- VOO:アメリカS&P500
- VGK:ヨーロッパ
- VWO:新興国
- ASX:オーストラリア
これらのETFは軒並み暴落していますが、その程度を見たいと思います。これらのうちオーストラリアを除く銘柄のトータルリターンを確認しましょう。データは2020年3月20日現在です。
トータルリターン | SPY | VOO | VGK | VWO | 1306 |
1年 | -17.05% | -16.89% | -29.46% | -25.21% | -17.87% |
3年 | 0.82% | 0.92% | -6.99% | -5.74% | -4.15% |
5年 | 3.75% | 3.84% | -4.55% | -2.54% | -1.90% |
まず、過去1年のトータルリターンを見ましょう
アメリカ株式は軽傷
SPYとVOOはアメリカを代表するETFで、マイナス17%です。
ヨーロッパが重症
VGKはヨーロッパ全体ですが、マイナス30%なので新興国VWOのマイナス25%よりもひどい下落率です。ヨーロッパは現在、新型コロナウイルスによるパンデミックの中心地域になったため、株式市場においても動揺が激しいのかも知れません。
新興国は中国・台湾を含むので中傷
VWOは新興国ですが、中国が全体の3分の1を占めていて、その中国がいち早く回復の可能性を見通せる状況になったので、ヨーロッパよりましな株価になっているのかも知れません。また、台湾のウイルス封じ込め対策が成功したことによる効果も大きいかもしれません。
日本はアメリカ並み
1306は日本のTOPIXですが、SPY、VOOと同程度のマイナス17%台です。今まで日本の株式は脆弱で、アメリカよりひどい経済的影響を受けやすかったのですが、今回はそれほどひどい状態ではありません。その理由は、コロナウイルス対策がヨーロッパやアメリカよりもうまくいっているからかもしれません。イタリア人はハグやキスが文化として習慣化されていたり、ドイツ人やフランス人は手を洗わないそうです。
日本人はマスクをするのでがん保険が売れる
マスクをするのは世界で日本人だけかもしれません。がん保険は、日本で1974年に発売されましたが、その理由は、アメリカンファミリー生命保険会社の責任者が来日した際、多くの人がマスクをしているのを見て、日本人は健康に気を使う国民だからがん保険も売れるはずだと確信したそうです。そして狙い通り、がん保険は売れました。
次に3年トータルリターンです。
SPYとVOOはわずかながらプラスを保っています。今回のコロナショックは、リーマンショック級とも言われていますが、現時点では、3年前に戻ったレベルだということになります。
ヨーロッパのVGKと新興国のVWOは5~7%ですが、その理由は最近3年間アメリカの株式相場上昇が激しかったとも言えると思います。
日本の1306も最近3年間はアメリカほど好調でなかったということで、マイナス4%に陥ってしまいました。
最後は5年トータルリターンです。
5年前はチャイナショックの年です。プラスだったのはアメリカのSPYとVOOだけです。現在のところリーマンショック級の急落になっても、アメリカの株はまだプラスを維持しているということになります。ただし、アメリカの新型コロナウイルス流行は、これからが本番でしょうから、S&P500は今後も下落を続けるでしょう。今後数か月は要注意です。そうすると、今からが追加購入のタイミングかも知れません。