VWO
野村證券からVWO(バンガード社の新興国ETF)の分配金支払いのお知らせ、が届きました。
新興国の配当は時期ごとに異なる
VWOは、現在の株価43.08ドルまで戻ってきました。今回の配当単価は1株当たり0.1700ドルで、分配率は0.39%です。アメリカの企業と異なり、新興国の分配率は4半期ごとに大きなばらつきがあります。年間4回の配当ではなく、もっと少ないから時期によってバラツキがあるのでしょう。
年間配当率下落
年間の配当率は3.09%で、昨年の3.14%より少し下がりました。
VWOの株価はあまり上昇せず
2年前10月の株価は29.22ドルですから、株価が上昇したように見えますが、実はそれほど上昇していません。それについては、後ほど株価チャートで説明します。
交付日 | 株価 | 配当等の単価 | VWO分配率(%) |
2018/10/4 | 29.22 | 0.4746 | 1.62% |
2019/1/8 | 38.86 | 0.2591 | 0.67% |
2019/4/2 | 43.85 | 0.0816 | 0.19% |
2019/6/25 | 42.34 | 0.2792 | 0.66% |
2019/10/2 | 40.46 | 0.5186 | 1.28% |
2020/1/7 | 45.27 | 0.5591 | 1.24% |
2020/3/31 | 32.91 | 0.0581 | 0.18% |
2020/6/30 | 43.08 | 0.1700 | 0.39% |
下の表は、1株当たりのアメリカの源泉徴収の計算表です。
税込分配金 | ドル | 0.17 |
現地源泉税 | ドル | 0.02 |
現地精算金額 | ドル | 0.15 |
支払いレート | 円/ドル | 106.70 |
国内税引前分配金 | 円 | 16.33 |
国内源泉所得税 | 円 | 2.50 |
国内源泉地方税 | 円 | 0.81 |
受取金額 | 円 | 13.01 |
日本国籍以外のファンドは二重課税還付が必要
このETFは新興国を対象にしていますが、アメリカ国籍のファンドですから、アメリカの税金がかかります。アメリカにおける、現地源泉税率は10%ですが、日本でも20%の税金を払うので、10%分が二重課税されます。そこで、毎年確定申告をして、この10%を還付してもらう必要があります。
課税対象金額 | 円 | 16.30 |
現地源泉税率 | % | 10.00 |
国内源泉所得税 | 円 | 2.50 |
国内源泉地方税 | 円 | 0.81 |
源泉徴収適用レート | 円 | 106.54 |
現地税込分配金 | 円 | 18.11 |
制限税率 | % | 10.00 |
外国税額控除対象額 | 円 | 1.81 |
VWOの株価チャート
VOOの現状を確認します。VOOは2005年の発売されましたが、2008年リーマンショックの前後で大きな変動があったことを除いては、40ドル程度です。新興国の経済は、この15年間大きく成長していますが、株価はほとんど変わっていないのが実態です。配当率も、アメリカ、日本が2%弱なのに対して、3%台ですから、はるかに有利というわけでもありません。VWOに投資するよりは、VOO(アメリカS&PのETF)に投資した方が良かったというのが、現時点までの中間評価です。
1万ドルを10年間投資するとどうなるか
それでは、VWOとVOOをそれぞれ1万ドル、10年間投資した場合の推移をグラフで見てみましょう。新興国のVWOの場合、期間は2010年6月~2020年6月までです。横軸が6月10と書いてあるのは、2010年6月を表しています。
1.36倍に増加
基準価額自体はあまり増えていなかったのですが、年率3%強の分配があるので、複利効果が結構効いています。10年前に10,000ドルの投資をすると、13,642ドルに増加しています。
一方アメリカS&P500のVOOはどうなっているでしょうか。VOOは発売が2010年の9月なので、表示期間は2010年9月から2010年6月です。
1年 | 3年 | 5年 | 10年 | |
基準価額トータル・リターン | -2.89% | 2.14% | 2.18% | 5.64% |
ほぼきれいな一直線になっています。2020年6月20日には、31,942ドルまで増えました。元本の3.2倍です。
投資をするならアメリカだった
アメリカと新興国を比べると、アメリカの圧勝です。新興国は、日本やヨーロッパと比べて、特段に見劣りしているわけでは有りませんので、新興国の業績が悪いのではなく、アメリカの業績が良すぎると言った方が正しいでしょう。アメリカは、実体経済に比べて、株価が上がり過ぎるという見方もありますが、株価は半年後から数年後の業績を予測して決まるので、今のところ、高い株価にその後の業績が追い付いてきているのが実態です。ウォーレン・バフェットは将来のアメリカ企業の業績についても強気のようです。
投資信託組入れ上位銘柄
TTは台湾、SJはヨハネスブルグ、INはインドです。アリババとテンセントが強いですね。上位10社のうち、5位が香港ですが、香港国家安全維持法によって、どのような影響を受けるのでしょうか。
名称 | 上場市場 | ファンドの割合 % |
アリババ・グループ・ホールディング |
US | 6.84 |
騰訊控股[テンセント・ホールディングス] |
HK | 5.78 |
台湾積体電路製造 [TSMC/台湾セ |
TT | 2.84 |
台湾積体電路製造 [TSMC/台湾セ |
US | 1.59 |
中国建設銀行 [チャイナ・コンストラクション |
HK | 1.36 |
ナスパーズ |
SJ | 1.31 |
Meituan Dianping |
HK | 1.22 |
リライアンス・インダストリーズ |
IN | 1.13 |
中国平安保険(集団) [ピンアン・イン |
HK | 1.00 |
中国工商銀行 |
HK | 0.96 |