信託報酬の高いみずほ銀行から野村證券に移換
この確定拠出年金は、イデコ、つまり個人型確定拠出年金ではなく、企業型拠出年金の推移です。2001年当時に勤めていた会社が企業型確定拠出年金を導入し、資金を税制適格年金から移管した後、その資金を運用していました。その会社を退職するまではみずほ銀行を運営管理機関としていましたが、コストの高い商品しか扱っていないので、野村証券に移管しました。
元金600万円が1300万円に増加
税制適格年金からの移換額は600万円で、2001年から全額を外国株式インデックスファンドで運用していました。このため、2008年のリーマンショック時には400万円、指数では67まで下落しましたが、その後アメリカを中心に世界の株価が持ち直したので、評価額は指数で216、金額では1300万円に増加しました。元本との差額は700万円で、このお金には税金がかかりません。
受け取りは75歳から
確定拠出年金は現在60歳から受け取ることが可能ですが、受給開始年齢は70歳までずらせます。なお、2022年4月から、公的年金の受給開始時期の選択肢の拡大に併せて、確定拠出年金(企業型DC・iDeCo)における老齢給付金の受給開始の上限年齢を70歳から75歳に引き上げます。
2600万円に増えると皮算用
私は75歳まで受給せずに現在のまま外国株式インデックスファンドで運用する予定です。そうすると、現在の2倍の2600万円に増加するのではないかという皮算用をしています。
2020年の主な法改正
これ以外にも、今年様々な法改正が実施されましたので、主なものについて内容を確認しておきます。法改正の理由は、高齢期の就労が拡大する中で、長期化する高齢期の経済基盤を充実できるようにするためです。また、中小企業を含む、より多くの企業や個人が制度を活用できるよう、制度の見直しを行いました。
◇中小企業向け制度(簡易型DC・iDeCoプラス)の対象範囲の拡大(2020年10月1日施行予定)
中小企業向けに設立手続を簡素化した「簡易企業型年金(簡易型DC)」や、企業年金の実施が困難な中小企業がiDeCoに加入する従業員の掛金に追加で事業主掛金を拠出することができる「中小事業主掛金納付制度(iDeCoプラス)」について、制度を実施可能な従業員規模を現行の100人以下から300人以下に拡大します。
簡易型DC
中小企業において企業型 DC を設立する際の障壁の一つである「事務手続きの煩雑さ」を解消するため、米国の SIMPLE・401(k)等を参考に、一定規模未満の企業に対し制度導入手続きが簡便でかつ運営も容易な簡易型 DCの設立が可能です。
中小事業主掛金納付制度
iDeCo(個人型年金)の掛金は、加入者本人が拠出するのが基本的な取扱いとなっていますが、中小事業主に使用する従業員が iDeCoに加入している場合、従業員の加入者掛金に対して、中小事業主が中小事業主掛金を上乗せ(追加)して拠出することができます。
◇企業型DC・iDeCoの加入可能年齢の拡大(2022年5月1日施行)
企業型DC
いままで企業型DCでは、原則60歳未満の厚生年金被保険者を加入者とすることができました。また、60歳以降は、60歳前と同一事業所で引き続き使用される厚生年金被保険者について65歳未満の規約で定める年齢まで加入者とすることができました。
企業の高齢者雇用の状況に応じたより柔軟な制度運営を可能とするため、2022年5月からは厚生年金被保険者(70歳未満)であれば加入者とすることができるようになります。ただし、企業によって加入できる年齢などが異なります。
iDeCo
これまでiDeCoでは60歳未満の国民年金被保険者が加入可能でしたが、2022年5月からは国民年金被保険者であれば加入可能となります。
60歳以上のiDeCoについては、国民年金の第2号被保険者又は国民年金の任意加入被保険者であれば加入可能となります。また、これまで海外居住者はiDeCoに加入できませんでしたが、国民年金に任意加入していればiDeCoに加入できるようになります。
国民年金の任意加入被保険者とは、60歳までに老齢基礎年金の受給資格を満たしていない場合や、40年の納付済期間がないため老齢基礎年金を満額受給できない場合などで年金額の増額を希望するときに、60歳以降も国民年金に加入している者です。
◇制度間の年金資産の移換(ポータビリティ)の改善(2022年5月1日施行)
2022年5月からは、「終了した確定給付企業年金(DB)からiDeCoへの年金資産の移換」と、「加入者の退職等に伴う企業型DCから通算企業年金への年金資産の移換」が可能となります。「通算企業年金」とは、企業年金連合会が退職者等向けに運用する年金の一つです。
企業型DC加入者のiDeCo加入の要件緩和(2022年10月1日施行)
これまで企業型DC加入者のうちiDeCoに加入できるのは、iDeCo加入を認める労使合意に基づく規約の定めがあり、かつ事業主掛金の上限を引き下げた企業の従業員に限られていました。
2022年10月からは、企業型DCの加入者は規約の定めや事業主掛金の上限の引き下げがなくても、iDeCoに原則加入できるようになります。
ただし、企業型DCの事業主掛金とiDeCoの掛金、これらの合計額がそれぞれ以下の表のとおりであることが必要です。
また、企業型DCにおいて加入者掛金を拠出(マッチング拠出)している場合などには、iDeCoには加入できません。