高齢者の後悔していること 8

<昨日に続く>

「お金と暮らし」に関して後悔していることのアンケート調査結果をもとに考えています。

⑱ ファッションセンスを磨けばよかった

私は、自分で服を買わずに連れ合い任せにしているので、全く持論を持ち合わせていません。

人目を気にせず

20歳代の頃は、生地だけで10万円以上もする背広をオーダーで仕立て、30歳代ではニューヨーカーという若者向けブランドのスーツも好んで着ていました。しかし、40歳代、50歳代になると1着2~3万円の背広でも構わなくなりました。ビジネスシューズは5000円程度の通信販売ばかりです。時計は30年前に買った5,000円のアルバをいまだに使っています。あまり物欲がありません。

登山用品は高価

しかし、登山靴は命にかかわりますので2万円以上、レインウエアもリュックサックも2万円以上します。

定年退職の楽しみ

私の知り合いで、定年退職になったとたんに、ビジネススーツをすべて捨てた人がいました。会社人生が本当に嫌だった人もいるのです。永六輔がこう語っていたことがあります。「僕は会社勤めをしたことがありません。でも、サラリーマンになった時の楽しみって言うのは、それを辞めるときだと思っています。どういう風にすれば楽しく辞められるか。それを考えてるうちに定年になると思います。」

ファッションはこれからでも間に合う

ファッションセンスは、少しだけお金を必要としますが、いつからでも磨けるのではないでしょうか。若いころからファッションセンスを磨けば、それだけ長い間お金をかけたことになりますが、これから20年、30年だけ、お金をかけても、比較的少ない金額で済みそうです。高齢者のおしゃれは粋なものです。

⑲ 地震・火災に備えて保険に入っておけばよかった

国は助けてくれない

私は東京23区内に住んでいて、ハウスメーカーで住宅を建築したので、地震・火災保険に入っています。医療保険は高額療養費制度が助けてくれますが、地震・火災保険は、国が助けてくれませんから、自分で準備をせざるを得ません。また、生命保険も国が助けてくれませんから、子供が成人になるまでは、掛け捨ての団体定期保険に入る必要があるでしょう。

⑲ 夫婦でどちらかが死んだときのことを話し合っておけばよかった

炊事、掃除、洗濯、各種家事、金融資産、お墓等様々なことがありますが、お互いにある程度できますから、もう少し経ってから話し合った方が良いかも知れません。お金のことに関しては、お互いにかなりオープンにしていますが、お墓のことなどは、結構微妙かも知れません。どちらかが大病を患ったタイミングが良いのかも知れませんが、まだ実感がわきません。

まだ子供に手がかかる

現状は、子供たちは家から巣立ってはいますが、完全な独り立ちとは言えず、手が十分には離れていませんので、そちらの方の優先順位が高い状況です。

以上が、「お金と暮らし」に関して後悔していることのアンケート調査結果をもとに考えた項目の雑感です。

還暦を過ぎると、後悔とは別に、自分の心構えを作る時期に入って来ていますので、その関係の話をしたいと思います。

般若心経

お経の中でも、もっとも有名である般若心経を10数年前から勉強しています。勉強すると言っても、非常に分かりやすく解説してある入門書を何冊か読んだだけです。

その中で、いくつかポイントは話してみましょう。

受け止め方次第

様々なことは、人間の受け止め方によって大きく異なるということです。受け止め方は、五感、脳、過去との関連などによって変わります。おそらく、人間は他の動物と比べて悩み、苦しむことが多いと想像されますが、その主な理由は、将来の心配をするからかもしれません。他の動物は、1日後、1年後、10年後の心配をしないでしょう。今を必死に生きていくうちに寿命を全うします。

死ぬまで考え方は変わる

ある農家に生まれた男性は、学校の成績が良かったのですが、長男だったので進学せず農業を継ぎました。それほど成績の良くなかった弟たちは大学まで卒業して都会に移り住みました。長男は、農業を継いだことを80過ぎまで残念に思い、つらい日々を送りましたが、その後、農業は自分の天職だと悟り、幸せな晩年を過ごしました。これこそ、周囲の状況は変わらず、自分の考え方、感じ方次第という例でしょう。

欲が強いと幸せになれない

ところが人間は、将来幸せになりたい、楽をしたいと思って今を生きているために、心配し、苦しんでいるようです。将来幸せになりたいと思うのは、欲です。欲は煩悩とも言います。欲が無くなれば、苦しむことは相当減ります。

今日やるべきことをやる

東京大学医学部を卒業し、84歳の今も現役の医師である、帯津良一は、今をときめいて生きることを勧めます。あまり、将来のことを考えずに、今日やるべきことを精いっぱいやって、夜には軽く晩酌するのが楽しみだそうです。

過去も、多少反省はしても、あまり後悔しない方が楽でしょう。

人生は暇つぶし

立川談志は 生前 「人生は死ぬまでの暇つぶし。」 と言っています。久米宏も、 久米ネット の中で、こう語っています。「小学校4年の時、学校の先生から職員室に呼びつけられて、『久米君ねえ、人生って、なんだと思う?』て聞かれた。それに対して『人生は、暇つぶしだと思います。』と答えたんですよね。」

世の中すいすい、お茶漬けさらさら

古今亭志ん生は、落語『おせつ徳三郎・刀屋』のなかで、刀屋の主が、徳三郎の若気を諭す言葉として、「人生は粋に暮らしなよ。世の中すいすい、お茶漬けさらさら」と言います。人生は、真剣に考えても良いけれど、あまり深刻になり過ぎた時は、この言葉を思い出しています。

お釈迦様の言いたいこと

江戸時代後期の曹洞宗の僧侶、良寛は「子供の純真な心こそが誠の仏の心」と解釈し、子供達と遊ぶことを好み、かくれんぼや手毬をついたりしてよく遊んだといいます。子供は、あまり遠い将来のことを考えず、欲もありません。それが、お釈迦様の言いたいことなのかも知れません。

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