パックンと厚切りジェイソンの投資語録 2

<昨日のパックンの続き>

日本でお笑い芸人として活躍するアメリカ人、パックンと厚切りジェイソンは、日米両国に金融資産と不動産を分散投資していて、しっかりした投資哲学を持っているようです。そこで、様々なインタビュー記事から語録を拾ってみましょう。

厚切りジェイソン

ジェイソン・デイヴィット・ダニエルソン 1986年4月9日生まれ。アメリカ・ミシガン州出身。小さな頃から勉学が得意で「出された宿題を学校から帰宅する車の中でさっさとしてしまうような子供だった」と述べている。その優秀さから、17歳の時にミシガン州立大学に飛び級入学し、その後イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校・大学院に入学・卒業した。

2005年訪日時に知り合った日本人女性と2007年にアメリカで挙式。2017年1月1日現在、3人の娘がいる。タレント活動で得る収入のほか、会社での役員報酬、シカゴに所有しているマンションの家賃収入もある。

以下は東証マネ部!、みんなのお金フォーラム2019からの引用です。

アメリカには公的年金がない

アメリカは日本と違って公的年金がありません。だから会社側で労働者が自分で管理する年金の仕組みを支援していて老後に備えるケースがほとんど。そうしないと老後に生きていけません。現役時代は年金を貯めるために働いているようなものですね。十分に貯めたらリタイアできます。投資をはじめたのはそれだけの話。

収入の9割は投資

僕はほとんどお金を使わないので、最低限必要なお金以外は全部投資につぎ込んでいます。稼ぐお金の9割は投資に回していますね。たくさん稼いだからといって、物を買うことはしません。外食もほとんどしませんし、日本に来てから洋服を買ったこともありません。全部もらいものか衣裳です。

1円でも安いものを買う

ケチというか、もう習慣になってるから気にならないだけです。自動販売機で飲み物を買わないとか、僕は散歩が好きだから、2km先の業務スーパーまで行って1円でも安い物を買います。物を買うときは必ず数箇所のものの値段を見ますよ。その場でパッと買うというのはないです、一切。どうせ同じものなら安いほうが良いでしょ?

高いものは買わない

だからといって、ものを買わずに節約しているわけじゃないですよ。たとえば、コーヒーだって完全に飲まないわけじゃなくて、自分でコーヒーを作って飲んだら数十円で済むんだからそれでいいじゃんって考え方。カフェで買って700円も払う必要はないんじゃない?って。それを飲むことで1時間多く働かないといけないなら、僕は1時間分の自由がほしい。

唯一の無駄遣いは3,000円の帽子

無駄遣いしたことはひとつだけあります。3,000円の帽子。ハンバーグのワッペンがついていたので、ネタになるかなと思ったんだけど、ほとんど使わなかった。いまだに後悔してるね。本当に無駄遣いでした。

お金の教育

子供にもお金や投資の話はしています。アメリカのおじいちゃん、おばあちゃんからお年玉をドルで貰うんですけど、為替レートで変換するといくらになるか、みたいな話はしますね。あとは、自分の通帳を持たせていて、年末に残高に対して10%の利子を払うようにしています。お金は使わないと増えるんですよって。家庭内で仕組みを作って勉強させていますね。

複利

日本ではあまり家庭でお金の話をしないですよね。でも、知識が一番大事じゃないですか。僕は中学のときに数学の先生から「複利」の話を聞いて投資に興味を持ったし、やっぱり金融リテラシーを高めるなら、子どもの頃からの教育は大切ですよ。

33歳でアーリー・リタイア

僕はいまの生活で人生に満足しているだけ。でも、投資にお金を回したからこそ、早期リタイアを叶えることができたのでよかったですよ。僕はまだ33歳ですけど、30歳くらいから気持ちはもう老後ですよ。

FIRE

アメリカでは、FIRE(Financial Independence, Retire Early)という言葉が流行っていて、お金を十分に貯めることができれば、早期リタイアができる考え方です。僕も仕事に依存した生活を送りたくないってずっと思っていました。別に仕事がなくなっても困らない生活がほしかった。いまは収入がなくなっても生活はできます。だから何の心配もないですね。

仕事はやりたいものだけ

仕事はやりたいことしかやらない。いまの仕事は、テレビのコメンテーターや講演会、ベンチャーファンドの取締役などですが、全部やりたいことですね。お金を稼ぐことが目的ではなく、「言いたいことが言えてちょっと気持ちよかった」というのがモチベーションですね。

S&Pインデックスファンド

僕はS&Pインデックスファンドを保有しています。投資は長期で分散することが基礎の基礎。感情に左右されずに、いろんな業界、いろんな国、いろんな地域を網羅して、定期的に同じ金額を掛けつづけることがポイントだね。短期的に上がったり下がったりしても、長期間やっていくと、いままでの歴史の中ではそういうやり方で下がったことはないです。

ドルコスト平均法

未知のウイルスで全部暴落して、世界が終わるような可能性もあり得ないことではないです。でも、これまでパニック状態ってあるんですよ。リーマンショックのときとかね。でも、売らないでピークのときからずっとコツコツ毎月100ドルとか積み立てて投資していたら、5年後には現金を持っていたときよりだいぶ儲かってるんですよ。それがドルコスト平均法のすごさだよね。

30年あれば下がらない

5年後に必要なお金を投資で稼ぐとなったら、必要なときに価格が下落しているかもしれません。来年半額になってる可能性は十分あります。でも、30年間でみると下がった実績は1回もないんです。だから投資している期間が長ければ長いほど有利。

買ったものは売らない

ちなみに、僕は買った株や投資信託は一生売らないつもりです。たとえば、先週は新型コロナウイルスの影響で数千万円の損を出しているんですよ。でも、来年まで待てば、おそらく元通りです。いちいち下がったから売るとなると、上がるときも逃します。

必要な時だけ売る

そもそも、僕はお金を使うために増やしてるわけじゃないからね。必要になれば使うけど、必要にならないだろうなと思ってるから売りません。株や投資信託は、自由に生きるためのフリーパスのようなものです。死んだときに残っていたら、それは自分の人生の価値じゃないですか。お金が足りなくならずに生きられたなって。それで十分ですね!

アメリカの老後は1億円必要

投資始めた頃は「やりたい」というより、やらないといけないという意識でした。アメリカではほとんどの会社で企業年金制度がないし、医療費も日本よりすごく高い。日本では老後の2000万円問題が騒がれていましたが、アメリカでは1億円ためないと老後が送れないですから。

72の法則

1億円を始めるとして、実際に始めてみると、たまることはたまるんです。とくに若いときから投資を始めると、複利の効果が出るから資産を増やしやすい。「72÷年利」という簡単な計算で元本が2倍になるまでのおおよその年数を割り出す「72の法則」というのがあります。これは複利が前提で、年利7.2%で資産運用した場合「72÷7.2=10」、つまり約10年で元本が倍になります(※)。早くから始めれば、それがずっと長く続けられる。※単利の場合100÷7.2=約13.9年。

S&P500、日経平均株価などインデックス投資信託

実際の投資では、銘柄ではなく、市場全体の景気を表すS&P500や日経平均株価などの指標(インデックス)で投資信託をしていますね。インデックス投資の強みは、市場を大局的に見ればいいから投資の際にあまり悩まないで済むこと、それに投資先の会社が倒産しても大きな痛手にならないことです。

インデックスファンドから始める

投資についてあまりよく知らない人、銘柄について調べる時間がないという人は、インデックスファンドから始めればハードルはそんなに高くないですよ。

こつこつ続けて複利で増やす

あとは月1万円でもいいから、こつこつ続けて複利で増やす。市場は個人でコントロールできないですから、期間や金額の目標を決めるより、一生続けるつもりで毎月いくら投資するという行動の目標を設定した方がいいと思います。

アクティブ運用ではバフェットに勝てなかった

有名な投資家のウォーレン・バフェットが「パッシブ運用(指標と連動することを目指す運用)とアクティブ運用(指標を上回ることを目指す運用)のどちらかで10年間資産を運用するなら、私はパッシブ運用を選ぶ」と言ったら、ある人がアクティブ運用でバフェットに挑んだ。でも彼はバフェットに勝てなかったというエピソードがあります。

株は少なくとも数年は寝かせておく

そもそも投資は、集まった資本を使ってビジネスを増やし、さらに大きな利益を生み出して利益の一部を配当として株主に還元する。そういう仕組みのはずです。株を買って、価格が上がらなければ翌日売るというのは投資ではなくギャンブルです。ビジネスが育つのには時間がかかるので、株は少なくとも数年は寝かせておく必要がありますよね。

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