株価と不動産価格
東京は最近、仕事、学校で、部分的に普段の日常取り戻しつつありますが、欧米では第一波よりもひどい第二派に見舞われている地域が多いようです。日米の株価は、新型コロナウイルス以前の水準に戻りましたが、不動産価格は違っています。
ニューヨークはオフィススペース過剰
特に、ロックダウンの影響を受けているニューヨークは、オフィススペースの過剰に直面しています。新型コロナウイルス感染症への懸念のため、オフィスビルの日々の利用がほとんどゼロになっているためです。コロナ禍によって米大都市の中でも最も高い失業率にあえいでいるニューヨーク市にとって、壊滅的な兆候となっています。
マンハッタンのオフィスに戻った従業員は8%
企業経営者約300人が参加するNPOのパートナーシップ・フォー・ニューヨークシティーが市内の大手企業の経営者を調査したところ、8月半ば時点でマンハッタンのオフィスに戻った従業員は全体の8%にとどまりました。
この結果、世界の不動産投資マネーは東京に集まっています。
不動産投資額は東京がトップ
東京はニューヨークやパリを上回り、最も投資額が多い年になっています。しかし、この投資は、大型の高層ビジネスビルに集中していて、都心でも、古い小型ビルの買い手、借り手は激減しているようです。
ソウル
第4位にソウルが入っているのが目に入ります。韓国は感染者数が少ないので、首都ソウルの評価が高かったのでしょうか。
ダラス・フォートワース
第5位のダラス・フォートワースは日本人にはあまりなじみがないかも知れません。ダラス・フォートワースは、全米第9の都市であるテキサス州ダラス市とフォートワース市から成る複合都市圏で、その面積は22,000㎢を超えています。人口は6,366,542人で、ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴの各都市圏に次いで全米第4という規模です。アメリカのハブ空港の一つで、日本からフロリダに行くときには、必ずダラス・フォートワースを経由します。
アメリカの住宅事情
新型コロナいウイルスは、商業用不動産だけでなく、働き方、学校が封鎖された子供の学習環境にも影響を与えます。年収が減る人もいれば、増える人もいる中で、住宅価格も変化します。そのような中で、アメリカの住宅に関する状況はどうなっているかを、2020年10月17日のニューヨークタイムスの記事で見てみましょう。以下は拙訳です。
最初に買う家は最後に決めなさい:広い家に引っ越さないという考え
大きな決断をするのは大変な時期です。3年後に何をしたいかについてもっと考えることです。まだ家に閉じこもっているわずか3か月後ではありません。
二つの職場と多数の教室
多くの人々にとって、家は職場や学校になりました。コロナウイルスのせいで、多くの住宅は夜過ごす場所から、二つの職場と多数の教室へと変わりました。
直感に反した質問をする
学校や企業が、この状況は少なくとも春まで続くだろうと言っているので、人々がより広い空間を求めて殺到していることには驚きません。しかし非常に多くの人達が直感に基づいて行動している時に、最良の方法は落ち着いて、直感に反した質問を問いかけることかもしれません。
大きさについて考えてみましょう:初めて購入する持ち家として考えている家は、ずっと住み続ける家であるべきでしょうか?
これは、お金とそれに絡む感情が複雑に絡む懸案事項なので、個人資産に関する大問題と同様に微妙な問題です。
住宅は資産
最初はお金です。住宅は、純資産のかなりの割合を占めるかも知れない、価値ある財産です。できれば、その価値は時間とともに増加してほしいのです。そして現在、住宅ローン金利は記録的に低いので、魅力的で、できる限り利用したくなります。
老後貯蓄、大学貯蓄計画、寄付という選択肢
しかし、より大きく、より良い住宅に使う余分なお金の使い道は、他にあるかもしれません。増加分を代わりに老後貯蓄や529大学貯蓄計画に回すことも可能です。あるいは、このような贅沢な選択を考えることのできない人々に、寄付することだってできます。
質素な家にすれば、使えるお金が増える
小さな住居のままにする考えには、繰り返し節約の必要性を唱える必要はないでしょう。質素な家にすれば、予算額が残って、旅行、高価な趣味、湖や山のそばの別荘のためのお金を残せるかもしれません。小さな住居は環境にも優しい。
広い家から得られる満足感
現代は、そのような受け止め方をするものです。より大きな家に住むことは、その余分な空間に対して強い精神的見返りがなければ、なるほどと思えません。しかし、もし大きな家に住んだことがなければ、どれほど幸せを感じられるかを予想することは難しい。そして、払うお金に対する見返りとして、どれほどの満足感を期待するのでしょうか?
覚えておくべき事実
前回の大普及において住宅市場が暴落して以来、住宅は投資手段では無いという認識は共有されてきました。この認識は賢いのですが、住宅が資産であるという事実には変わりありません。そして、そのような資産は、時がたつにつれてどれ程値上がりするか(あるいはしないか)ということについて慎重に考えるべきです。
地価上昇エリア
地価上昇は住所次第ですし、こういった会話は、サン・フランシスク・ベイ・エリア、ブルックリンの一部エリア、資産価値が大幅に上昇した高級住宅街でなされます。
地価上昇率は3~4%
しかし、全国的に見ると地価上昇は大したことはありません。コアロジックの住宅価格指数によると、過去20年以上にわたって、それらの地域における単一家族平均住宅価格の125パーセント以上の平均上昇率は年率3.4%でした。75~100パーセントのレベルの住宅については、4.3%上昇しました。