◎今日のグラフ:証券会社の連結従業員数
日本人の金融資産のほとんどが銀行預金という状況から脱却して、株式などに投資する時代だといわれてから何十年という時を経ている。しかし、状況はあまり変わらず、米欧に比べてリスク資産への投資はわずかです。そこで、いくつかの面で対面証券会社とネット証券会社を比較しようと思います。
私のような年代にとっては、野村や大和という対面証券会社には信頼感があります。他方、SBI証券などのネット証券は、支店も見たことはないし、少し縁遠い印象があります。なお、SBI証券は、秋葉原や新宿にマネープラザという組織を置いていますが、これは別会社の運営であり、対面証券会社の支店のように手続きを行う場所ではありません。ネット証券の経営規模は対面証券の野村や大和に比べてどうなのでしょうか。連結従業員数で比較したのがこのグラフです。野村の従業員数は圧倒的に多いのですが、SBI証券も5000人を超える規模です。したがって、かなり大きく成長してきたことがわかります。
◎今日のテーマ:野村証券とSBI証券の品揃え等の比較
代表的な証券会社の野村証券とSBI証券について比較します。
野村證券 | SBI証券 | |
信頼感・安心感 | 〇 | △ |
ETFの品揃え | 〇 | ◎ |
ETFの販売手数料 | △(長期保有なら〇) | ◎ |
iDeCoの品揃え | 〇 | ◎ |
つみたてNISAの品揃え | 〇 | ◎ |
課税の積立投信の品揃え | △ | ◎ |
信頼感・安心感
会社の歴史、支店の数、規模のいずれをとっても、野村が圧倒しています。一つだけ難を言えば、少し多めのMRFを保有していると、営業の電話がかかってきて債券の販売促進パンフレットを送ってくることです。販売促進してくる債券は、基本的にあまり良いものがないので、断ればいいのです。気を許していると、あまりよくない販売促進に引っかかってしまうかもしれません。したがって、信頼はできますが安心はできないということです。
ETFの品揃え
野村もかなり揃っていますが、IVVなど一部の商品がそろって言いません。それに比べるとSBIの品揃えの方が充実しています。
ETFの販売手数料
SBIの約定代金の0.45%(税込0.486%)に対して、野村は100万円で1.1967%ですから、野村の方が割高です。しかし、長期保有するのであれば、1年あたりのコストは微々たるものになりますので、それほどハンディになるとは思われません。
iDeCo、つみたてNISAの品揃え
野村は、SBIほど品揃えが充実しているわけではありませんが、信託報酬の安い商品もありますので、これらの制度を利用する品揃えの面での支障はないと思います。
課税の積立投信の品揃え
野村は、この分野については、はるかにSBIに劣っています。ニッセイTOPIXインデックスファンドやニッセイ外国株式インデックスファンドのような信託報酬の低い商品をぜひ望みます。私は課税の積立投信は行いませんので、この項目の評価に影響されませんが、若い年代の人がこれから積み立てをする場合に、野村証券では信託報酬の安い商品がないのです。この点を野村証券は改善してほしいと思います。なお、私は100万円単位でETFを買いますので、投信での積み立ては基本的に行いません。
総合評価
私自身は野村証券の品揃え、信頼性などについて満足しています。しかし、若い年代の人たちが投信積立する場合に、信託報酬の安い商品がないので、SBI証券に分があると思います。