◎今日のグラフ:株式のリスクの確率
期待リターンとリスク
私の保有する金融資産の主だったものは、国内と国外のETFです。それぞれの期待リターンとリスクについては次の表のように考えています。
資産の種類 | リターン | リスク | 保有割合 |
国内株式 | 6% | 20% | 35% |
外国株式 | 6% | 20% | 65% |
私は個別株式を持っておらず、すべてETFです。外国株式の中で最大のETFはSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)です。SPYのトータルリターン実績は9%ですが、それ以外にVGK(バンガード社のヨーロッパのETF)やVWO(バンガード社の新興国のETF)も保有していて、それらの期待リターンはもう少し低いので、外国株式全体の期待リターンは控えめに見て、6%とします。国内株式については、外国株式と同率としました。リスクについては、国内、国外とも20%としてあります。これらの数字は、採用するタイミング、期間によって多少の変動はありますが、おおざっぱには、それほど的外れではないと思います。保有割合以外はすべて同じ数字ですから、株式全体でもリターンとリスクはそれぞれ、6%と20%になります。
下のグラフは、1σ、2σ、3σで収まらない確率です。
その場合のそれぞれの下落率は以下の通りです。
① 1σ:32%の確率で株価が14%下がります。
6%-20%✖1=-14%
② 2σ:5%の確率で株価が34%下がります。
6%-20%✖2=-34%
③ 3σ:0.3%の確率で株価が54%下がります。
6%-20%✖3=-54%
リーマンショックは100年に一度
2月のアメリカに端を発した調整で、私の金融資産が一時的に10%下げました。①の通り1σで14%の下げですから、1σには達しないレベルでした。2年前のチャイナショック、その後のブレグジットにおいても下げは10%程度でした。リーマンショックの時には、50%下げたのですから、3σに近い水準でした。当時「100年に一度」と言われたことがありましたが、この確率上は300年に一度かもしれません。しかし、株式の暴落は、必ずしも正規分布が正確に当てはまるわけではありませんので、数十年に一度という言い方が的確なのかもしれません。
下落しても一時的な通過点
しかも、それだけ一気に下落すると、元に戻る力も十分に蓄えられていますから、5年後にはリーマンショック前のピークを追い越してしまいました。つまり、10年、20年という個人の長期投資という観点からすれば、3σと言っても、それが永遠に続くのではなく、一時の通過点と言ってよいのだと思います。
概数を頭に入れておく
私は、上のような表の数字を頭に入れて、株式の変動を見ます。すると、14%以上下がる確率は3分の1(正確には32%)ですから、そんなに珍しいことではありません。したがって、今年2月の株価下落もそんなに大騒ぎすることではないと思います。