ロボアドバイザー2

今日のグラフ:ロボアドバイザー

低利の債券に魅力なし

3番目のロボアドバイザーです。前回のロボアドバイザーにコモディティが加わっています。このコモディティは、具体的には、金のETFを推奨しています。このアセットアロケーションで、気になるのは、外国債券の割合が高いことです。現在のように低金利の債券を推奨する理由が不明です。しかも為替リスクをかけてまで外国債券に投資する意味があるのでしょうか。一般に、債券はリスクが小さく、株式はリスクが大きいといわれます。しかし、それは1年、2年という短いタイムスパンのことであって、個人投資家の10年単位の投資には当てはまらないのではないでしょうか。ETFは10年間保有するとして、期待リターンを8%とすれば(SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)の実績は9%)、元本を割る確率は非常に小さいと思います。一方で、外国債券は米国債の10年物で2.7%ですから、リスクとリターンを合わせて考えれば、米国のSPYの方に分があるのではないかと思います。

銘柄を提示してくれるロボアドバイザー

このロボアドバイザーの良いところは、以下のような銘柄を具体的に提示してくれているところです。このような具体的商品があると、今後自分で勉強する際の参考になるので、とてもありがたいデータです。国内株式のニッセイTOPIXインデックスファンド、先進国株式のたわらノーロード先進国株式は素晴らしい商品だと思いますし、人気もあります。新興国株式はなぜ三井住友・DC新興国株式インデックスファンドを提示しているのかが気になります。信託報酬から考えるとVWO(バンガード社の新興国ETF)の0.14%が魅力なのですが、インデックスファンドでの積み立てができないという弱点があります。ただし、あまりに信託報酬が高ければ、無理をして新興国のインデックスファンドを買う必要がないのではないかと思われます。

資産クラス 銘柄名 比率 リターン リスク 信託報酬
 国内株式 <購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド 8 5.9 18.9 0.1718
 先進国株式 たわらノーロード 先進国株式 9 8.4 20.8 0.216
 新興国株式 三井住友・DC新興国株式インデックスファンド 7 9.9 24.5 0.6048
 国内債券 三井住友・日本債券インデックス・ファンド 16 0.1 1.7 0.1728
 先進国債券 SMT グローバル債券インデックス・オープン(為替ヘッジあり) 40 1.8 4.4 0.54
 新興国債券 eMAXIS 新興国債券インデックス(為替ヘッジあり) 7 3 8.4 0.648
 国内リート たわらノーロード 国内リート 1 4.5 19.2 0.27
 海外リート たわらノーロード 先進国リート 9 8.9 22.5 0.2916
 コモディティ iシェアーズ ゴールドインデックス・ファンド(為替ヘッジなし) 3 5.6 19.7 0.5038
合計 100 3.9 8.9 0.4086

60歳代と30歳代で結果が違うのは正しいのでしょうか。

上記の円グラフは、年齢を60歳で入力した結果でしたが、年齢を30歳で再度入力しました。その結果は予想通り、株式が合計で53%(国内17%、先進国26%、新興国10%)に増え、債券は28%(国内5%、先進国13%、新興国10%)に減りました。年齢が高いと株式を減らして債券を増やすべきだというステレオタイプな考えなのでしょう。しかし、年金だけで普段の生活を賄える人間は、退職金などの余裕資金の大部分を株式に投資できる場合もあると思います。