アメリカ大統領選でどちらが勝っても株価上昇

11月3日選挙

2020年11月3日のアメリカ大統領選挙で、トランプ大統領が再選を果たすのか、それともバイデン前副大統領が政権を奪還するのか?アメリカのみならず、世界から関心を集めています。4年前は初の女性大統領誕生の話題で、12年前は初の黒人大統領誕生で盛り上がりました。今回は、トランプ大統領の言動によって、前回同様の盛り上がりを見せています。

大統領によって影響受けない

アメリカの大統領選によって、私たち日本国民がすぐに影響を受けるわけでは有りません。ケネディが暗殺されても、日本人には直接影響がありませんでしたし、ニクソンが辞任しても同様でした。しかし、テレビなどの話題としては面白いし、特に個人投資家にとっては、株価によって評価額が大きく変動する可能性があるので、関心を持たざるを得ません。

ポートフォリオの6割はアメリカ次第

私のポートフォリオは、アメリカ株式がSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)とVOOの二つで4割強ですが、DC(確定拠出年金)の7割がアメリカ株だと考えると、それだけで5割近くになります。日本の株式はアメリカの株式に影響されますので、1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))も変動します。結局、アメリカ株式市場の動向によって、私の個人金融資産の6割ほどが影響を受けることになります。

アメリカ大統領選の行方によって、アメリカ株式市場はどうなるのかについて、アメリカの新聞を読んで考えてみたいと思います。2020年10月11日のUSA TODAYの記事の拙訳です。

どちらが大統領選に買っても株式が上昇する3つの理由

選挙のたびに私は顧客からの同じ質問に対応しています。「もし私の候補者が負けたら、株式は下落するでしょうか?」私の回答はいつも同じです。「政治に投資を持ち込むな」です。

ほとんどの投資家は、日々、選挙の商社を予想しますが、精通した投資家は、どちらの政党が政権についても、長期の経済変化、つまり、何年、何十年にわたる深遠な影響を与えるような変化に注目しなくてはなりません。

考えるべき3つのトレンドがあります。

製造は増加している

製造の仕事がアメリカに戻りつつあり、それによって雇用、生産性、企業利益は増えている。小売、エンターテインメント、旅行関連の仕事は悲惨だが、アメリカ製造業の仕事がこぞって中国に移転した今世紀最初の10年間(専門家は200万以上の失われたと推定している。)にに比べれば、経済全体への影響はひどくないでしょう。

アメリカの資本支出(capex きゃぺっくす)、つまり、企業が工場、技術、設備に使うお金は、中国が世界貿易機関にいったん加盟すると減少した。この相関関係には驚かされます。中国のコスト優位性が消え始めると企業は再び支出を増やし始めました。この支出は政治的にはニュートラルで、資本支出はバラク・オバマ大統領の時に上昇し、ドナルド・トランプ大統領の下でも続きました。生産性は状しています。この傾向は加速してきましたし、続きそうです。

テクノロジーは成長を加速し続けるだろう

多様な企業、2、3、例を挙げると、マクドナルド、ハネウェル、エコラブ、ウォルマートなどの企業は、ビジネスモデルを積極的にデジタル化しています。この傾向はとどまることなく、加速しています。家で仕事や買い物をし、オンラインでバンキングや支払いをするシステム、ストリーミング、ゲーム、5G、半導体の集積した自動車、クラウド、データ集積、サイバーセキュリティ―は、旺盛な需要と持続的成長を遂げるでしょう。

デジタル経済はGDPの9%を構成しています。さらに重要なことは、「ニューエコノミー(ソフトウェア、テクノロジー設備、研究開発の合計)」の資本支出が、構造物、産業・輸送設備という「オールドエコノミー」への支出を、始めて上回ったことです。

テクノロジー株が何年も成績で上回っているので、これらの企業の株式を1999-2000年のハイテク・バブル破裂になぞる専門家もいます。しかし、利益が何倍にもなっているのは、金融緩和を背景とした中で、利益が底値だったことに基づいています。

1999年、アメリカ中央銀行は利率を上げ、1999年の末までにFFレートは5.5%になりました。バブルが最高になった時、シスコは最高利益の130倍を超える倍率で取引されました。今日の倍率は、平均よりはうえであるものの、決してバブルに近い水準でなく、利益の伸びが2021年に本格的に戻った時には正常になりそうです。

世界の成長

9月の世界調達部長指数(PMIs)は、18のうち14地域で強化・拡大し、楽観視され続けています。もし新たな拡大が初期段階に本当にあるのなら、典型的な経済拡大は平均して8年間続きます。世界PMIは企業利益と高い相関に有ります。これは、始まったばかりの強気相場にとって好材料です。

波乱を覚悟しましょう。今後数か月間は乱気流かも知れません。選挙が影響するかもしれませんが、長期の傾向は、経済に依存するのであって、政治の風が吹いても、それにかかわらず現れるものです。