特別定額給付金、一人10万円をどうするか

10万円の使い方

一部地域は、特別定額給付金一人10万円を今月から支給開始しました。職を失った人などは、家賃、生活費などに消えてしまうでしょう。仕事も生活も変わらないので、全額を貯蓄する人もいるでしょう。先月から支給が始まったアメリカの事情を、2020年4月25日のUSA TODAYの記事で見てみましょう。

景気刺激交付金を受け取った。クレジットカードの支払いをすべきか、貯蓄すべきか?

景気刺激交付金が届き始め、どう使うのが最善かについて決めるときです。多くの人、特に過去5週間にわたって失業手当を申請した26百万人以上の人々にとっては、ほとんど選択の余地がありません。そのお金の多くは生活必需品に使われるでしょう。

でもまだ働いている人たちには、他の選択肢があるかもしれません。通常の環境において、ファイナンシャル・カウンセラーは、税の還付金などまとまったお金が入ったら、借金の支払いに振り向けることを顧客に勧めます。

でも今は普通の時代に生きているわけでは有りません。

失業手当申請が殺到し、多くのアメリカ人が通常の活動をいつ再開できるかが不透明です。再開できても、コロナウイルス以前の仕事や生活に戻れる保証はありません。それなら、緊急事態のための資金にするか、借金を返すか、何を選択すのでしょうか。

クレジットカードの借金を返した方が良いのはどういう人?

金銭的に苦境を強いられている人が数百万人も今いる一方で、積極的に借金を返すのが、正しい選択であるように思える人たちがいます。そして個人的な状況によって、それは有意義なことかもしれません。

「もし、安定して必要不可欠な仕事に今現在ついていて、緊急時の資金も十分に積み立てて有れば、それはとても幸運な人だ」と、お金の専門家で、ファイナンシャル・カウンセラーのジェシカ・ムアハウスは言います。「金銭面で安定しているし、はっきり言って裕福でもあるので、早く借金返済というゴールに到達するために、積極的に借金を返済し続けるべきだ。」

マーケティングのプロで、ポッドキャスト配信者のクリセル・ガブリエルと彼女の夫は、現在ある緊急時のための夫婦の貯蓄を増やすのではなく、クレジットカードの借金返済に、2,200ドルの景気刺激給付金を充てることを決めました。

「私たちは、まだ現在の貯蓄目標には達していないけど、食べ物以外に大したお金は使っていないわ。だから、まとまった額の借金を返済するために、今回のチャンスを使うことにしたの」とガブリエルは言います。彼女の仕事は安定しているけど、夫のはレイオフされました。

「良いですか、借金を返済している間は借金返済に充てなさい。」とブリッジテク・エンタープライズのファイナンシャル・ウェルネス・エンジニア兼CEOのカサンドラ・ダセントは言います。「だから、大きな金銭面の決定を自分が下す前に、個人的、金銭的の状況を評価すべきだと勧めます。」

結局、個人の状況が落ち着いて、もう不確実性がなくなるまでは、将来の借金を一括で支払うことがいつでもお勧めです。

非常時用資金を築く

借金を返すことは満足感が感じられるかもしれません。しかし多くの人にとって、労働市場の将来の不確実性を考えれば、現金を持っていることは、もっと重要です。

ファイナンシャルの教育者でインヴェスティッド・デヴェロップメントとダンプスター・ドグ・ブログの創設者であるアマンダ・ホールデンは、まず最初に貯蓄に専念するよう勧めています。というのは、失業した後に請求書をカバーするだけの現金がなければ、高利の借金を借りる羽目に陥ることになるだろうからです。

「一般的に言って、経済危機の間は、来月失業することを意識してファイナンシャル・プランニングに取り組む必要があると思います。最悪に対して周到の準備をするべきです」とホールデンは言います。

上級会計士のデジャ・ラミルは、まさにこの考え方によって、自分の交付金を貯蓄する気になったのです。

「もしそのお金で借金を返済して、状況が悪化し、すべての資産を使ったら、再び借金をする羽目になるでしょう。現金を手元に持ち続けることによって、最小限の支払いを続けられるし、緊急時に必要なお金を持っていられるわ。」とラミルは言います。

もし彼女か夫が、新型コロナウイルス危機の間に現金を必要としなかったら、そのお金を住宅の頭金口座に移す計画です。

全部かゼロか?

「全部かゼロにする必要はない。小売りの借金を返済できればできるほど、安心感が増す」と、CFPでボーン・ファイド・ウェルス社長のダグラス・ボーンパースは言います。

バーテンダーのローラ・ドップシュタットは、最も高い利子率の学生ローンを、景気刺激策のうち500ドルで支払いました。ドップシュタットはまだ働いていて、休暇を取っている人のシフトを引き受けるかとができます。加えて危険手当とチップを稼いでいます。ドップシュタットは、6か月分の必要最小限の生活費も貯蓄しています。資金状態は安定していると感じているので、ドップシュタットは、景気刺激策交付金の一部を地元の経済で使い、残りはまさかのための資金としてしまいました。

「ビジネス・オーナー達が私の職場に来て話していると、彼らはみんな恐れている。彼らは商売の場所代を払わなければならず、店を開けておくことが唯一の望みだ。そこで私は、期せずして受け取った収入の20%で彼らを助けると決めた」とドップシュタットは言います。

メール・ハンターと彼の夫は、景気刺激交付金の2,000ドルを二人の緊急時資金に入れました。ハンターと夫はまだフルタイムで働いていて、十分な現金の蓄えがあるけれども、ハンターは妊娠6か月で、追加の医療保険が必要かもしれない障害のある子を抱えています。残りは、他の人を助けるために使う予定です。

「2,400ドルの景気刺激のうち400ドルを現金、寄付、地元での投資にとって置いたわ」とハンターは言います。