長期投資に当たって大切なこと

個人投資家の有利な点

個人投資家は4半期ごと、あるいは1年ごとに上司から結果を求められることは無く、教育資金や住宅なら10年、30年、年金であれば40年以上の長期投資が基本になります。

ニューヨークのダウ平均の120年間の株価推移を見てみます。

今こそ長期的な視点で見る ニューヨーク・ダウ!|ノーロード投資信託の達人|スルガ銀行

アメリカ株下落の歴史

1929年から始まる世界恐慌では株価が大きく下落しました。ピーク時の株価に回復するまでに25年かかりました。1970年代は、アメリカの株式は死んだと言われた時代が続きました。1987年に起きたブラックマンデーの時は、20%以上下落しましたが半年で回復しました。2000年のITバブルからリーマンショックまでは、多少の凸凹があっても、ほぼ横ばいと見ることができるかもしれません。1980年代、90年代は、20年間にわたって株価が上昇しましたから、現在の株価上昇が20年間続くとすれば、2030年頃まで株価は上昇することになります。

最近は1~3年で株価回復

しかし、リーマンショック以降も、チャイナショック、新型コロナショックで株価が2~3割急落しました。リーマンショックは100年に一度の急落でしたが3年後には回復しましたし、チャイナショックや新型コロナショックは1年以内に回復しました。しかし、これらの株価急落の時に、狼狽売りしてしまう人が多いようです。

株価急落への行動パターンは3種類あります。

  1. 狼狽売りする
  2. 安く買う
  3. 何もしない

1.狼狽売りする

下落時の損切り?

アメリカの株式は最近上昇傾向が続いていますが、20世紀前半の大恐慌のように、25年も回復に時間を要した例もありますし、日本の1990年頃のバブル崩壊のように30年経ってもまだ回復できない事例もあります。このため、恐怖心に駆られて狼狽売りする人も多いようですし、証券会社や専門家は「損切り」という言葉で売却を勧める場合もあります。

株価だけでなくトータルリターンが重要

しかし、これは株価だけ見た場合であって、配当や株式分割を計算に入れると10数年で回復しているそうです。それでも10年間評価損を抱えたままというのもつらい話ですから、それを回避する投資方法が必要です。

時間分散と地域分散

主な方法は投資の時間分散と、地域分散です。この時間分散と地域分散を事前に仕込んでおけば、狼狽売りすることなく持ち続けることができます。

2.安く買う

余裕資金を準備するのは良いか?

投資の専門家は、余裕資金を用意しておいて、株価が下がるたびに少しずつ買い増す人がいます。しかし、そのためには、余裕資金を用意する必要があるのですから、端的に言えば遊ばせておくことになります。たとえば、銀行に一定程度の資金を預金しておけば、そのお金で安く買うことができますが、預金しておくより、あらかじめ目いっぱい投資しておいた方が効率的かもしれません。私は余裕資金を持たない方針ですから、安く買うことはほとんどありません。

3.何もしない

2年前の新型コロナショックの時に、私は何もしませんでした。というより、当時は余裕資金が数百万円あったにもかかわらず、何もできなかったというのが本音です。連れ合いは2回に分けて少し買い増すことができました。一般の個人投資家にアンケート調査した結果は、何もしなかったという人がほとんどでした。狼狽売りするのでなければ、買い増さずに何もしなくて良いと思います。何しろ、S&Pは最近10年間で4.5倍にもなっているのですから、小細工を使って0.1倍、0.2倍を稼がなくても、もう十分足りているという気がします。

それでは、バブルではないかと言われることもある現在のアメリカ株は、このまま持ち続けても良いのでしょうか。日経CNBCで解説した内容を勉強しましょう。

長期投資を行う上で重要なこと

2022年1月のように株価が下落するマーケットは何年かに一回必ずあります。
こういう時に大事なことは基本に立ち返ることです。
(米実質金利―S&P500益利回りの平均値が-5.42%でしたが、-5.71%まで減ってきました。


勘違いしていけないのは、PERは過去の水準と比較するのではなく、金利と比較すべきだということです。
今、金利と比較すると株価は割安になってきています。今は金利ばかり気にしていますが、利益成長ファクターも大事です。利益が上振れすれば、金利上昇という負のファクターを相殺することになります。業績も重要で、今は業績に傷はついておらず、81%の会社が事前予想を上回っています


史上は現在、タカ派の予想を株価に織り込みに行っているので、売れる株式を売っている状況です。
2015年ころも利上げしましたが業績は良かったのです。今はその頃より、米MMFの待機資金(リスク資産に投資できない資金)が4兆6千億ドルもあります。


現在は実質金利がマイナスなので、余剰資金をこのままにしておくとインフレで目減りします。

業績も良い、需給も良い。だからどこかで、買いが見直される時期が来ます。

それでも不安な人がいますが、VIX指数、つまり、恐怖指数が上に行くほど、1年後のリターンが高いという傾向があります。
現在VIX指数は30を超えていますが、25を超えていると、1年後には100%上昇しているというのがリーマンショック以降のデータです。

資金に余裕を持っていて、買い続ける。僕は(解説者)20何日連続で買い続けました。パニックになるとどうしても売がちになりますが、下がった時に買い続けることで、長期リターンが増える傾向があります。