今回は急成長しているインデックス運用について考えます。今日はその2回目です。
最近アメリカでパッシブファンドがアクティブファンドを上回りましたが、その理由を考えます。
日本はバブル後遺症でリスクを敬遠
日本人の場合、1990年代から2000年代にかけて、株式バブル崩壊の後遺症があったと思います。私自身、1990年代には、株式はもちろん投資信託には興味をそそられませんでした。2000年頃に確定拠出年金制度が導入された頃も、日本人の90%はリスクの高い株式ファンドを敬遠して銀行預金で運用することを選択していました。
まともな投資信託がなかった
また、株式の投資信託にまともな商品がなかったということも、一般の個人投資家が関心を持たなかったことの理由の一つだったでしょう。
ETFの登場
その傾向に転換の契機を与えたのが、2001年のETFの登場です。アメリカにおいては、1993年にSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)が登場し、日本はそれに遅れること8年して、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)が登場しました。当時、竹中平蔵経済・金融担当大臣が「絶対に儲かる」と発言して、問題になりました。「絶対に儲かる」という発言は、大学教授としても、国務大臣としても正しくなく非見識ですが、「比較的少額でリスクの少ない投資ができる」という言い方なら問題がなかったと思います。私はこの頃はまだETFを買っていません。その理由はちょうどその頃に住宅購入の予定があったので、資金をリスクの大きい株式に投資するわけにはいかなかったのです。
リーマンショック
その後、2007年にサブプライムローン、2008年にリーマンショックが発生して、高リスクの株式投資信託はあまり元気がありませんでした。
2014以降日本にも低コストインデックスファンドが登場
2014年になると、「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が登場しました。信託報酬が圧倒的に安いため、「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2014」でも第1位を獲得しました。この商品のインパクトは大きく、他社も低コストのインデックスファンドを投入し、コスト引き下げを毎年続けるきっかけになりました。
税制度の改正
商品だけでなく、税制面などでもETF、インデックスファンドを応援する体制が整ってきました。
NISA
最初は2014年1月にスタートしたNISAです。NISAは個人投資家のための税制優遇制度で、毎年120万円の非課税投資枠が設定され、株式・投資信託等の配当・譲渡益等が非課税対象となりました。私も1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)で利用しました。
iDeCo
次が2017年にスタートしたiDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)です。60歳から年金または一時金として受け取ることができ、掛金は全額が所得控除の対象です。
つみたてNISA
さらに2018年には「つみたてNISA」が開始されました。これは、積み立て型の少額投資非課税制度で、適用される商品に関して厳しい資格制限が設定されたので、業界も本気で取り組まざるを得なくなりました。非課税投資枠は新規投資額で毎年40万円が上限、非課税期間は最長20年間である(非課税投資枠は20年間で最大800万円)。
このようにして、インデックスファンドの成長は、制度、商品の両面で進んできました。