低コスト投資の行きつく先は無料化:ニューヨークタイムス

この記事は、ニューヨークタイムス の記事です。

チャールズ・シュワブ社は、株式のETFの売買手数料を無料にすると火曜日に発表しました。この結果、投資家資金に関する証券会社の競争はますます厳しくなります。

「このマーケットに参入しようとして、新興企業が株式売買手数料をゼロにしたり低くしています」とシュワブのクロフォードCEOは語っています。

シュワブは一取引4.95ドルの手数料を無償にします。(ただし、オプションについては、引き続き取引ごとに65セントを支払います。)

最近では、小規模投資家は広範囲のETFを手数料なしで売買できるようになりました。この結果、手間もコストもわずかしかかけずに独自のポートフォリオを作り上げることが可能になりました。さらに、ほとんど自動化したサービスにアウトソースすることも可能です。

「手数料が安いことはほとんどの場合顧客にとって良いことですが、それがそのまま内在するコストも無くなることを意味しているわけでは有りません。」とモーニングスターのパッシブ・ストラテジー・リサーチ・ディレクターであるアレックス・ブライアンは語ります。

「手数料を廃止した会社は他の方法で儲けているのです。」とブライアンは言います。例えば、まだ投資していない現金は証券会社の口座にありますが、マーケットが閉じている数時間は、その証券会社のマネー・マーケット口座に入れられます。これらの会社は慈善事業をしているのではありません。」とブライアンんは言います。

今回の新計画によってシュワブは正味売り上げの3~4%、つまり四半期ごとに1億ドルを失うことになります。売上当たりの手数料は過去数年間にわたって減り続けていましたし、大手企業の中では手数料を全面的に廃止した最初の会社になったという自負があります。

シュワブの手数料廃止はInteractive Brokers Groupの、国内株式とETFの手数料を無制限に無料化するという、先週の発表に次ぐものです。

昨年、バンガード社は1800以上のETFの手数料無料化を発表しましたが、これは、主な取引所における全ETFの90%に上ります。フィデリティとシュワブは2月12日、手数料ただのETFを現在の2倍の500以上にするといいました。

株式取引のコストも同様に下がっています。シリコン・バレーの新興企業ロビンフッドは、2014年に、株式とETFの手数料無料のアプリをリリースして評判になりました。昨年はJPモルガン・チェースが100の株式とETFの取引を、デジタル投資プラットフォームで無料にすると公表しました。

ロボアドバイザーは、投資積み立てと運用のポートフォリオを自動化している企業として活躍しています。ベターメントとウェルスフロントなどは、200億ドルの資産のある新興企業ですが、典型的なアドバイザーのフィー1%の半分で投資管理をする提案をしています。

バンガード社は先月、資産管理経費が0.15%のデジタルのみの投資アドバイザーを導入すると、監督官庁に届け出ました。

以上がニューヨークタイムスの記事内容です。アメリカは株式とETFの低コスト化がどんどん進んでいます。日本もそうなってほしいものです。