高齢者の後悔していること 2

<昨日に続く>

「お金と暮らし」に関して後悔していることのアンケート調査結果をもとに考えています。

③ 行きたい場所に旅行すればよかった

手作りの海外旅行

連れ合いは、海外旅行が趣味で、昨年はオーストラリアとカリブ海クルーズ、今年は2月モルジブに二人で行きました。パックツアーでなく、飛行機、宿泊、ツアー等全部手作りなので、珍道中の連続ですが、失敗したたびほど記憶に残るものです。

中国人のいない海外旅行

2年前にニュージーランドに行ったとき、トンガリロを登山しました。登山時間は7時間で、日本人は私たち二人だけで、残りは全員欧米人です。海外旅行をすると、どこに行っても中国人が多いのですが、中国人は登山をする文化がないので、ハイキングや登山をしている間は中国人に会いません。

ワクチンが待ち遠しい

しかし今年は、モルジブに2月に行った後は、新型コロナウイルス騒動で、海外旅行に行っていません。ワクチンができれば、2021年の秋には出かけられるかもしれないと期待しているところです。

ある日突然旅行ができなくなる

去年までは、今回のようなコロナ禍は想像できませんでした。また、夫婦のどちらかが病気なっても、旅行はできません。私の両親は、二人で日本各地を自動車旅行していて、70歳過ぎの頃、旅先で「夫婦二人で元気に旅行できて良いですね。」といわれたのですが、その数年後に、母が他界しました。行ける時に行っておくべきですね。

④ 年金で暮らせるよう、生活設計しておけばよかった

このアンケート回答の意味が良く分かりませんが、次のようなことが考えられます。

  1. 支出の少ない生活様式を確立する
  2. 喫茶店、農業などを営み、収入を確保する
  3. できるだけ長く働いて年金受給金額を上げる
  4. 厚生年金の受給開始時期を65才でなく、できるだけ遅らせる
  5. 国民年金を繰上げ受給しなければよかった
  6. 退職金を長期にわたる退職給付年金で受け取らず、一時金で受け取る
  7. 個人年金を積み立てる

1.支出の少ない生活様式を確立する

私は既に65歳なので、厚生年金を受給し始めました。生活に関しては、海外旅行以外は質素・倹約に努めていますので、リタイヤしたからといって生活を変えることはしていません。なお、生命保険、医療保険に関しては55歳で解約したので、数十万円の出費が無くなりました。

2.飲食店、農業などを営み、収入を確保する

これらは新たな事業ですから、収入を増やす目的で始めると失敗する恐れがあります。特に飲食店は1年で半分、3年で9割が廃業するとも言われていますが、廃業する時には、それまでにかかった、改装費用、広告費、備品代などで、数百万円が無駄になっているようです。農業も、機械などに経費がかさみますので、収入は当てにできない場合が多いようです。家庭菜園は趣味ですから、八百屋で買う値段の数倍の費用がかかっても、楽しさや話題作りに役立ちます。今、我が家では、キュウリ、トマト、ナス、インゲン、ニラ、シソ、ピーマン、オクラ、ゴーヤ、梅などが採れます。

3.できるだけ長く働いて年金受給金額を上げる

慣れた仕事で、人間関係も悪くなければ、年収が100万円、200万円程度でも働き続けた方が、収入面ではもちろん、心身の健康面でも望ましいと思います。その際、年金を繰下げ受給しても、生活が困らなければ、生涯の年金受給額が多くなる可能性があります。インフレがないという前提で生涯年収を計算すれば繰下げ受給が得ですが、インフレがあり、かつETF等でリターンを確保できれば65歳から年金を受け取った方が良いかも知れません。それは、どちらに賭けるかの決断によります。

4.厚生年金の受給開始時期を65才でなく、できるだけ遅らせる

受給開始時期を遅らせることにより、1カ月につき0.7%増額、1年で8.4%増やすことができます。上記3.で述べた通り、インフレがないという前提なら、繰下げ受給が得でしょう。問題は、将来、どの程度のインフレが起きるかどうかです。今回の新型コロナウイルス騒動で、インフレのリスクは高まっていると思います。なお、この比較計算は、このほかに、何歳まで生きるか、所得税・住民税、健康保険料の増減も考える必要があります。余裕があれば、受給開始を70歳、75歳まで遅らせるのも有効な方法でしょう。ただし、確定拠出年金と厚生年金のどちらを優先して繰り下げるべきかは微妙かも知れません。

5.国民年金を繰上げ受給しなければよかった

私の知り合いで、生活が苦しいので60歳から国民年金を繰上げ受給した人がいて、80歳近くになった時に、繰上げ受給するんじゃなかった、と悔やんでいた人がいました。やはり、65歳までは何とか働いて、年金の繰上げ受給は避けた方が良いようです。

6.退職金を長期にわたる退職給付年金で受け取らず、一時金で受け取る

企業によっては、例えば1千万円の退職金を、退職給付年金で受け取れる場合があります。1千万円の退職金を受け取った場合、所得税がかからないこともあり、それを年率10%のリターンのSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)で運用した方が良いかも知れません。ただし、これもインフレの状況によって変わります。

7.個人年金を積み立てる

私は2005年から財形年金積立をしましたので、現在毎年60万円ずつ、年金を受け取っています。この個人年金は生活の足しになりますが、恐らく1990年以降の個人年金は、コストが高くリターンは少ないので、あまり良い結果が得られていないと思います。個人年金を積み立てるよりは、イデコ、つみたてNISAなどを積み立てる方が賢明です。