ファンドオブファンズ

ファンドオブファンズ

野村証券の用語集で確認します。

ファンドオブファンズは、投資信託のひとつで、運用機関が、複数の投資信託を適切に組み合わせて、一つの投資信託にまとめたもの。

利点としては、もともとそれぞれの運用方針に基づき分散投資されている投資信託を多数組み合わせることで、より広範囲な分散を実現してリスクを抑えることができる点と、もともと付加価値のある投資信託を組み合わせることで、それぞれの付加価値を統合することができることなどがあげられる。

代表的なものとして、各投資信託への投資パターンを低リスク型(安定型)、中リスク型、高リスク型(成長型)といったように、特定のリスクを取るように設計されたライフスタイルファンド(またはライフストラテジーファンド)や、高リスクから低リスクへの資産配分の変化を時間(年齢)の経過と関連付けて自動的に調整していくライフスタイルファンドなどがあり、ともに確定拠出年金の運用対象としても注目されている。

二重コスト

以上が用語解説です。しかし、ウォーレン・バフェットは個人投資家に、自分の資産の9割をS&P500のETFに投資することを勧めているわけですから、わざわざファンドオブファンズの銘柄に投資する必要はなさそうです。

分散なら縦でなく横に広げる

二重にファンドを組めば、それだけコストもかかるわけですから、デメリットが目立ちます。つまりファンドオブファンズに投資するなら、分散を盾に広げるのでなく、地域を広げればよいのです。例えば、

  • S&P500に投資する
  • S&P500と1306(TOPIX連動型上場投資信託(ETF))に分けて投資する
  • VT(バンガード社の世界ETF)に投資する

等を選べばよいと思います。しかし知識としては、こういうファンドもあるということを知っておいて損はないと思うので、代表的な2銘柄を確認しましょう。

  • セゾン資産形成の達人ファンド
  • ありがとうファンド

① セゾン資産形成の達人ファンド

  • 純資産:161,122百万円
  • 信託報酬率(税込):1.35% ⇒VTなどに比べると10倍の高コスト
  • カテゴリー:国際株式・グローバル・含む日本
  • リスクメジャー:(平均的)

ファンドの特色

主要投資対象は、国内外の投資信託証券。一貫した「長期投資」という投資哲学に基づいて運用されている投資信託証券への投資を通じて、長期的な資産の成長を図る。市場動向を勘案しながら投資比率や投資タイミングを見極め、複数の投資信託証券に分散投資してアセットアロケーションを形成。原則として、為替ヘッジは行わない。ファンドオブファンズ方式で運用。12月決算。

世界への幅広い分散投資

  • 投資対象ファンドを通じて主として海外および日本の株式に幅広く分散投資します。
  • 株式市場の過熱により有望な投資先がないと判断した場合は、債券にも投資する場合があります。

投資先ファンド別投資比率(2020年12月30日)

投資先ファンド 投資比率
コムジェスト・ヨーロッパ・ファンド80 26.4%
バンガード米国オポチュニティファンド 22.6%
コムジェスト・エマージング・マーケッツ・ファンド90 13.4%
アライアンス・バーンスタインSECAV-コンセントレイテッドUSエクイティ・ポートフォリオ 9.5%
BBH・ルクセンブルグ・ファンズ‐BBH・コア・セレクト 9.4%
スパークス・長期厳選・日本株ファンド 5.0%
コムジェスト日本株式ファンド 4.6%
FSSAアジア・フォーカス・ファンド 4.2%
スパークス・集中投資・日本株ファンドS 2.9%
短期金融資産等 1.9%

② ありがとうファンド 『愛称 : ファンドの宝石箱』

  • 純資産:17,911百万円 ⇒2004年9月の設定で179億円しかないのは、あまりに規模が小さい。
  • 信託報酬率(税込):1.55% ⇒VTなどに比べると10倍以上の高コスト
  • カテゴリー:国際株式・グローバル・含む日本
  • リスクメジャー:(平均的)

ファンドの特色

国内外の株式・債券等に分散投資を行い、長期的な資産の成長を目指す。景気の変動サイクルに沿ったアセット・アロケーションの切り替えを大前提とし、景気サイクルのダイナミズムを先取りする形で資産配分を行う。対象ファンドの選択は、明確な運用方針と一貫性、運用資産の安定的な推移、基準価額の推移と運用方針の整合性を重視。ファンドオブファンズ方式で運用。8月決算。

特徴

長期投資 ~長期でじっくり投資~

長期的な資産の成長を目指して運用を行います。世界経済は景気循環による回復・拡大・停滞・後退が繰り返しながらも、長期的な世界の人口増加とそれに伴う生産・消費の拡大を成長ドライバーに今後も成長していくと考えられています。長期投資をすることで世界経済や企業利益の成長の恩恵をリターンとして享受していきます。

国際分散投資 ~幅広い世界への分散投資~

国際分散投資ファンドとして今後成長が見込まれる国・地域の成長性を享受すること、同時に幅広く世界へ分散投資することによる分散効果も目指して、アセットアロケーションを決定もしくは見直しします。ありがとうファンドに投資することで、成熟した日本経済だけでなく、これから成長していく世界中の企業に投資することができます。また、国際分散投資することで、単一の国に投資するカントリーリスクを回避することもできます。

厳選投資 ~選び抜かれたファンド~

ファンド・オブ・ファンズの対象ファンド選択に当たっては、定量的、定性的に検証し、継続的な運用体制、一貫性のある運用プロセスを重要な判断基準として、長期的に資産形成するにふさわしいファンドを厳選します。成長性がありクオリティの高い企業に長期投資する複数のファンドを厳選して分散投資していきます。

以上をまとめると、ファンドオブファンズはコストが高く、また ありがとうファンドは純資産総額が小さすぎます。

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