(三井住友銀行訪問記の4回目です)
3.個人年金保険
Broadway World Ⅲ という商品の説明を受けました。しかし、商品の内容は全く分かりませんでした。分かったのは、この商品は、外貨で契約する必要があるのですが、円を外貨にするためには、2.外界の扉<トビラ>で2ヵ月もの4.0%金利の商品を利用することによって、為替手数料分が実質的にかからない、ということです。
Broadway World Ⅲは生命保険商品
この商品は三井住友海上プライマリー生命を引受保険会社とする生命保険商品です。
外貨建て一時払い保険
この商品には3つのコースがあります。どのコースも基本保険金額を最初に一時払い保険料として支払います。
① 年金原資充実コース
据え置き期間を、5年または10年間のどちらかから選んで、その後年金として受け取ります。ただし、契約初期費用として、5年コースは3%、10年コースは5%を保険金から差し引かれます。数字がはっきり分かるのは、この初期費用だけです。投資信託であれば、信託報酬の年率が分かるため、どの投資信託を選べばよいかが分かりますが、この商品は、毎年差し引かれるコストが分かりません。また、公社債投信であれば、トータルリターンが明らかになっていますが、こちらも分かりません。コストもリターンもわからなければ、すべてがブラックボックスになっていると言っていいでしょう。もともと、保険の商品は保険会社が受け取るマージンが分からないことが問題とされています。この商品のパンフレットを見ると、その問題を強く感じます。普通のサラリーマンは、会社が契約している団体定期保険以外は加入しない方が良いと言われています。つまり、個人で契約する死亡生命保険、医療保険は、保険会社のマージンが大きいので、このマージンで保険会社の社員の高い給料を支払っているのです。
② ターゲットコース
目標額に到達したら円で資産を確保するターゲット機能があります。このコースは、初期費用がかかりません。しかし、解約した場合には解約費用が掛かります。この商品もリターンが分かりません。過去のリターンはどうなっているのでしょうか。また、投資信託のようなベンチマークがありません。従って、リターンがどのようになるのか全く分かりません。
③定期支払コース
一時払い保険料を支払った直後から年金を払います。このコースも初期費用が掛かりません。問題点としては②と同じです。
コスト・リターンがブラックボックス
結局この商品は、投資信託ほどの透明性がありません。つまり、過去の運用実績、ベンチマークがないので、どんな商品かが全く分かりません。証券会社は、売買手数料と信託報酬の高い投資信託を販売して、買い替えを促進していることで非難されていますが、それでも、コスト、リターンの目標・過去の実績が分かるので、透明性があります。
それらに比べて、Broadway World Ⅲは、内容が全く分からりません。どのような人が、どのような理由でこの商品を買うのか興味があります。
(次回に続く)