三井住友銀行訪問記5:ファンドラップ

(三井住友銀行訪問記の続きです。)

4.ファンドラップ

資産運用をお金を払って専門家に任せる

SMBCファンドラップの説明がありました。「資産運用は初めて」、「忙しくて資産の運用・管理ができない」という人が、SMBCファンドラップを通して、「専門家に任せる」としています。ファンドラップは、個人資産を複数の投資信託に分散して投資するサービスです。SMBCファンドラップは、三井住友銀行が案内して、SMBC日興証券がご契約・運用をする仕組みです。

・何にどれだけ投資するか

より安定型、安定型、やや安定型、バランス型、やや積極型、積極型の6個の運用コースがあります。より安定型は日本債権が多く、積極型は日本株式・外国株式の割合が高くなっています。

・契約後の資産配分の見直し

も任せる商品です。契約時には申し込み手数料がかからず、運用開始後に、純資産総額に応じて報酬を支払います。契約金額は300万円以上1万円単位です。

報酬体系は2種類です。

固定報酬型:上限年間1.512%

成功報酬型:基本報酬率上限年間1.188%、成功報酬率10.8%

報酬水準をどう考えるかという問題があります。固定報酬型を基準に考えてみます。1.512%は高いのでしょうか。

積極型の場合

仮にトータルリターンを4%とすると、そこから1.512%を差し引くと、残りは2.488%になります。約4割がコストとして取られて、手元に残るのは6割です。でも、積極的運用をする人ような人は、多少なりとも投資の知識がある可能性が高いので、全部お任せのファンドラップを利用するとは思えません。

より安定型の場合

仮にトータルリターンを1%とすると、そこから1.512%を差し引くと、-0.512%になります。マイナスになるのはまずいですから、少しプラスになるように株式などの配分を増やして債券を減らすのでしょう。

1.512%は高すぎる

実際にトータルリターンがどの水準になるか分かりませんが、報酬が1.512%にもなりますから、コストが高過ぎると言えるでしょう。

「報酬」をやめて「費用」「経費」に

さらに言えば、この「報酬」という言い方には、極めて強い違和感を感じます。「報酬」ではなく「費用」「経費」という言葉を使うべきです。「報酬」という言葉は、極めてソフトな言い方でありますし、初心者は、「報酬」をもらえると勘違いする人もいるほどです。顧客本位の金融機関を標榜しているのですから、「報酬」という言葉はぜひ止めてほしいものです。

ファンドラップよりはロボアドバイザーの方が低コスト

ファンドラップと同様の仕組みに、ロボアドバイザーがあります。いくつかの項目に答えるとコンピュータがポートフォリオ(案)を作成してくれます。それで十分ではないかという気がします。それ以前に個人投資の分かりやすい本を1冊買って、それに基づいて投資方針を決めればファンドラップもロボアドバイザーも不要だと思います。

1306とSPYの2銘柄投資すればよい

私の投資方針は、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)とSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)を同額ずつ購入して10年持ち続けることです。極めて簡単です。

(次回に続きます。)