三井住友銀行訪問記6:金融庁との関係

◎今日のテーマ:金融庁との関係

① 三井住友・225オープン

DC、つみたてNISA用の信託報酬は0.1728%

 

三井住友銀行で販売額トップの「三井住友・225オープン」のグラフが左です。同じような名前ですが、三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンドは0.1728%です。金融庁がつみたてNISAの基準を税抜き0.5%以下(税込み0.54%以下)としており、それを大幅に下回っています。しかしこの商品は三井住友銀行では取り扱いがありません。取り扱っている金融機関は以下の通りです。あいうえお順です。一部に対面証券会社もありますが、ほとんどがネット証券で、銀行はありません。

あかつき証券
いちよし証券
エイチ・エス証券
SBI証券
カブドットコム証券
極東証券
フィリップ証券
松井証券
マネックス証券
むさし証券
楽天証券

三井住友銀行で扱っている「三井住友・225オープン」は金融庁のつみたてNISA基準に達していません。金融庁としては、つみたてNISAだけでなく、他のインデックスファンドも基準以下にしてほしいのでしょうから、現状の0.648%は望ましい状況ではありません。個人投資家も、個人投資家予備軍もそう思っていることでしょう。

② SMBC・アムンディ プロテクト&スイッチ®ファンド

信託報酬は1.4404%です。この商品は、単純にアクティブファンドと言って良いかどうか分かりませんが、金融庁の要件である税抜き1.5%以下にはなっています。純資産総額は2,330億円で金融庁の要件50億円には達しています。信託開始以降1年しか経っていませんので、5年という要件はクリアーしていないようです。

③ Broadway World Ⅲ、SMBCファンドラップ

外貨建ての定額個人年金保険とファンドラップです。

金融庁は2016年に「平成27事務年度版 金融レポート」を発表しました。この中で、特に問題視している商品が、

(1)毎月分配型投資信託

(2)外貨建て個人年金保険の貯蓄性保険商品

(3)ファンドラップ

です。

(1)毎月分配型投資信託

最近急激に流出額が拡大して、純資産額が減少しています。この商品について、三井住友銀行から説明はありませんでした。

(2)外貨建て個人年金保険の貯蓄性保険商品

金融庁のレポートで「このパッケージ商品を構成する外国債券と投資信託、死亡保障を別々に購入・契約することでも、このパッケージ商品と同等の経済効果を得ることが出来る」そうです。私は数年前に外資系の保険会社の担当者が、「外貨建て一時払い保険」という名前を出した時に一瞬興味を抱いてしまったことがあります。その商品が、金融庁からこれほどの評価を受けてしまうとは思いませんでした。このブログでも説明した通り、この商品はコストがブラックボックスに入っていて、わからないところが多いので、投資信託と比べて問題だと思います。三井住友銀行が説明したBroadway World Ⅲは、これに該当すると思います。

(3)ファンドラップ

手数料と投資対象商品の信託報酬を合わせた、顧客が負担する手数料は平均で年間2.2%に達するという問題点があります。SMBCファンドラップ自体の報酬は固定報酬型で1.512%ですが、それに加えてファンドの信託報酬が加算されます。三井住友のインデックスファンドなら0.6%ぐらいですが、もしアクティブファンドならさらにコストが加算されます。

1306、SPY等の取り扱い無し

このようにして見ると、今回三井住友銀行で説明を受けた商品のうち、いくつかは金融庁から見て、問題があると思われます。金融庁は顧客本位を目指しているのですから、顧客にとっても問題があるということではないでしょうか。また、私が推奨する、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)、SPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドの取り扱いはありません。