◎今日のグラフ:日本株に想定する株主資本コスト
株主資本コストとは、株主の期待する投資リターンです。つまり、トータルリターンです。このデータは、早稲田大学の柳良平客員教授の調査(2017年12月12日:財務省)です。
10%以上 | 9% | 8% | 7% | 6% | 5% | 4%以下 | その他 |
12 | 5 | 53 | 14 | 11 | 3 | 0 | 2 |
資本コスト
株主は、株式を買って、配当金と株価の上昇というリターンを受け取ります。その株主の期待するリターンが資本コストです。株主はどれほどの資本コストを期待しているかについて、財務省が発表しました。この調査は、世界の主要な機関投資家に対して行われた調査です。
株主は8%を期待
機関投資家の過半が8%のトータルリターンを期待しているという結果です。過去25年間にわたって、アメリカのS&P500のトータルリターンが9%を超えているので、この8%という数字は妥当な水準だと思います。そして、日本の株式会社もこの数字を達成すべく努力することになるのでしょう。それが実現されれば、私たち株主にとっては満足のいく結果になると思います。
勤労者も資本家に
加えて、若いサラリーマンたちも、ただの労働者ではなく、インデックスファンドなどで投信積立を行うことによって、株主の恩恵に浴する時代に入ったと思います。
◎今日のテーマ:VTについて考えます。
日本の投資ブロガーに人気のあるバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)について、検討します。
VTは全世界の市場が対象
VTは、 米国を含む全世界の先進国株式市場および新興国株式市場の指数に連動しています。 資産総額は105.77億米ドル、経費率0.10%、リターンは、1年間で24.19%、3年間で9.85%、5年間で11.13%です。国別でみると、米国が52.0%と過半を占めているので、米国の成績に引っ張られているようです。
国別構成比率 上位10か国
米国 52.0%
日本 8.4
英国 6.0
カナダ 3.2
フランス 3.1
ドイツ 3.0
中国 2.9
オーストラリア2.3
韓国 1.8
経費は0.1%
VTは、このように、全世界の株に十分に分散していますし、経費(信託報酬)も0.10%と、とても低くオサえている素晴らしい商品です。
私はVTの国別割合を参考にETFを分散化
しかしながら一方で、全世界の株式相場はNHKのニュースなどでは報道がありませんので動向がわかりません。それから、この商品はドル建てですから、日本については、買うとき、売る時の往復で為替手数料がかかります。この問題点を克服するため、私は上記の国別構成比を参考にSPY(アメリカSPDRのS&P 500の ETF)、VGK(バンガード®・FTSE・ヨーロッパETF)、VOO(バンガード®・S&P500ETF)などを買って保有しています。