パーソナルファイナンスの専門家のアドバイス

若い人へのアドバイス

今の私が、若いころの自分にアドバイスしたいことは、「貯蓄したお金をすべてSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)に投資しなさい」ということです。私が働き始めたのは1970年代で、SPYがアメリカで発売されたのが1993年ですから、最初の10数年分の貯蓄は財形に貯めておいて1993年にまとめて投資することになります。その後も全額をSPYに投資していれば、現在の資産の数倍になっていたでしょう。過去は取り戻せませんが、自分の子供達には、S&P500やオールカントリーなど外国株式低コストインデックスファンドに投資することを勧めています。

アメリカでは、パーソナルファイナンスの専門家が、若いころの自分に何をアドバイスするのでしょうか。マーケットウォッチの2022年9月2日の記事を勉強しましょう。以下は拙訳です。


パーソナルファイナンスの専門家が犯した過ちから学べる5つの教訓

これから始める人へ 賢明なアドバイスです。

お金について書いたり話したりすることを生業としている人は、言い合わせたように同じ経済的行動をする傾向があります。しかし、いつもそうではありません。そこで、個人向け金融サービスの専門家を招き、お金について若い頃の自分に教えてあげたいことを話してもらいました。

たとえ怖くても、早めに投資する

株式市場が怖いなら、全国紙ワシントン・ポストのコラムニスト、ミシェル・シングレタリーが共感してくれるはずです。大学を出て最初の仕事で、定年間近の年上の同僚に「株はリスクが高すぎる」と注意されたため、長年投資を避けてきたといいます。

20代なら株式市場の変動を乗り切るのに何十年もかかるし、もっとリスクを取って投資する余裕もあったはずだと、後にシングレタリーは気づきました。

「私が学んだのは、自分自身の状況をよく見て、自分の目標に基づいて投資することでした」と、シングレタリーは言います。

学生ローンの借金は返済できる

ポッドキャスト「The Indicator from Planet Money」のレポーター兼プロデューサーであるダリアン・ウッズは、カリフォルニア大学バークレー校で公共政策の修士号を取得するためにいくら借りたのか、もう正確に覚えていないそうです–ただ、卒業時には残高は「数万ドル」になっていたそうです。

ウッズさんは、不安な若い自分に「あのローンは将来への確かな投資だった」と安心させてあげたいと思う。ニュージーランド出身のウッズは、自国の財務局でアナリストの仕事に就き、1年でローンを完済することができました。

「借金は、恐れていたほど重荷ではなかった」とウッズは言う。

貯蓄、消費、稼ぐこと、これらはすべて重要です。

『人々のための金融  あなたの家計を把握する』の著者であるパコ・デ・レオンは、若い自分に向けて2つのアドバイスをしています。1つ目は、何があっても貯蓄をすること。少ない収入で貯蓄するのは無駄だと感じるかもしれませんが、貯蓄額よりも貯蓄する習慣を身につけることの方がはるかに重要だと彼女は言います。

2つ目のアドバイスは、「自分の痛みと向き合いましょう」。

グローバルな背景の中で投資を考える

デ・レオンは、金融の学位と経済学の副専攻を取得して卒業しました。しかし、お金の概念に関する知識で頭がいっぱいになっても、デ・レオンが「根深い困窮意識」と、深い劣等感にはかないません。デ・レオンは、何年も十分な収入が得られなかったのは、自分の価値に納得がいかず、他人から認めてもらおうと、自分には買えない高価なものを買ってしまったからだと言います。若い頃の自分が、自分を見つめ直し、心理的な問題を解決するためのセラピーに時間を費やしていたらと願っているそうです。

「自分の痛みを癒すことで、これ以上不必要な問題を作らないようにしましょう」とデ・レオンは言います。

次のキャリアや人生の転機は、「どちらか一方」である必要はありません。どちらとも言える決断をするのです。

仕事を人生と決めつけない

テス・ヴィーゲランドは、ウォール・ストリート・ジャーナルのポッドキャスト「アズ・ウィー・ワーク」のホスト兼シニア・プロデューサーです。彼女もまた、若い自分に対して実用的かつ哲学的なアドバイスをしています。

実用的なアドバイス :クレジットカードの残高は、できる限り持たない

「私は20代前半から半ばにかけて、親の銀行口座から支払っているような生活をしていたため、多額の借金を背負ってしまいました。

哲学的なこと:仕事以外の興味を発展させる

ヴィーゲランは、公共ラジオでの仕事を愛していた・・・。そうでなくなるまで。

2012年、彼女は突然、American Public Mediaの個人金融番組「Marketplace Money」の司会を辞めました。

その経緯の一部は、『本当に望むキャリアと人生を手に入れるために、代わりに何をするかを決めずに思い切って仕事を辞める』という本になりました。しかし、ヴィーゲランは、仕事が自分のアイデンティティの大きな部分を占めていなければ、公共放送の後の人生はもっと簡単だったかもしれないと言う。

「生活のためにしていること以外に、何か好きなことを持つこと」とヴィーゲランは言います。「自分が何者で何ができるかという一つの考えにとらわれずに済む」からです。

そして、私の2つの意見

私たちの多くは、若い頃の自分を振り返って、時が経つにつれて自分がどれだけ成長したかを知ることができます。しかし、なぜか私たちは自分の進化が止まってしまったように思ってしまうのです。キャリアをスタートさせたばかりの人も、定年を迎えて久しい人も、いわゆる「歴史の終わり」の錯覚によって、今の自分とあまり変わらないと思い込んでいるのです。

もし私がこの心理的なクセを知っていたら、すべてを把握し、キャリアとお金の動きを正確にすることにあまり悩まなかったかもしれません。自分が何者で、何を望んでいるかは、ずっと変わらない。大切なのは、今日できることを精一杯やることで、明日は明日の風が吹くと、若い自分に言ってあげたい。