今年は海外旅行復活
新型コロナウイルスも落ち着きつつあり、日本でも世界でも旅行が復活してきました。外国ではチップが必要ですが、このパンデミックの間にアメリカのチップは大きく変化したようです。その事情についてUSA TODAY２０２３年１月２９日の記事を見てみましょう。以下は拙訳です。
「気分が悪くなる」：行く先々でチップを要求されることに嫌気がさしている人たち
ニューヨーク発 ― 全米で、多くの人が手に負えなくなりつつあると言う古くからのチップの習慣について、静かな不満が沸き起こっている。
ドライブスルーでチップを要求され、うんざりした消費者がソーシャルメディアに不満を投稿している。また、近所のパン屋でマフィンやシンプルなコーヒー1杯のためにチップを要求されることにうんざりしている人もいるという。次は、医者や歯医者にもチップを渡すようになるのだろうか、と。
多くの企業がデジタル決済を採用するようになり、顧客は通常ならチップを渡さないような場所でも、自動的にチップを渡すように促されるようになった。また、12月に6.5%まで緩和されたものの、依然として痛いほど高いインフレにより、商品の価格が高騰しているため、よりフラストレーションが溜まっているという声もあります。
2023年1月10日、イリノイ州グレンビューの室内ゴルフ「X-Golf」で、カードリーダーのタブレットに表示されるチップのオプション。
「突然、このような画面があらゆる施設に見られるようになりました。オンライン注文の際にも、この画面が表示されるようになりました。そして、終わりがないことを恐れています」と、エチケット専門家のトーマス・ファーレイは、これらすべてを「侵略」とみなしている。
小銭がなければ簡単に無視できるチップ入れと違って、デジタルな要求は社会的なプレッシャーになり、回避するのが難しいと専門家は言う。そして、あなたの気前の良し悪しは、画面を見るに十分なほど近くにいる人なら誰でも、店員自身も含めて、丸裸にすることができるのです。
ディラン・シェンカーはその一人だ。レストラン内にあるフィラデルフィアのカフェでバリスタとして働く彼は、毎月約400ドルのチップを稼ぎ、15ドルの時給の足しにしている。チップのほとんどは、コーヒー飲料を注文した消費者や、キャリーアウトの注文など、このカフェとのやり取りで得られるものである。このチップで毎月の家賃をまかない、大学院に通いながら仕事をこなす彼の負担を軽減している。
シェンカーは、高価なコーヒーを飲む余裕がありながら、チップに文句を言う消費者に共感するのは難しいと言う。特に常連客には、何も置いていかないとやる気をなくすそうです。
「チップは、サービスを提供してくれる人たちに、支払うべきものが支払われているかどうかを確認するためのものです」と、サービス業で約18年間働いてきたシェンカーさんは言います。
レストランでのエチケットテイクアウトの注文にチップを払うべき？
一般的にレストランでは、最低賃金よりも低い給料で働き、その差額をチップで埋め合わせることを期待しているため、消費者はチップを上手に渡すことを誇りにしてきた。しかし、このテーマを研究している学者によると、多くの消費者は、コーヒーショップやその他のカウンターサービスの飲食店で、チップを要求されることに苛立ちを感じているという。
マレー州立大学のマーケティング教授で、チップについて研究しているイスマイル・カラバス氏は、「人々は迷惑なアドバイスを好まない」と言う。「特にタイミングが悪いと嫌がります」。
依頼の中には、奇妙なところから来るものもある。ペンシルベニア州の電力会社でスーパーバイザーとして働く35歳のクラリッサ・ムーアさんは、最近は住宅ローン会社からもチップを要求されることがあるという。通常、彼女はレストランや、時にはコーヒーショップやその他のファーストフード店でも、サービスが良ければ喜んでチップを残す。しかし、ムーアさんは、消費者はどこに行ってもチップを要求されるべきではないと考えているそうです。
「嫌な気分になりますよね。頼まれたからにはやらなければと思うでしょう。「でも、その人が置かれている立場を考えなければなりません。本当に払いたくないものにお金を払ったり、本当に払いたくないのに（あるいは払えないのに）チップを払ったりするのは、嫌な思いをしたくないからです”。
チップのルールとは
エミリー・ポストのエチケット」という本の中で、著者のリジー・ポストとダニエル・ポスト・セニングは、UberやLyftなどのライドシェアや、アルコールを含む食べ物や飲み物にチップを払うよう消費者にアドバイスしています。しかし、カフェやテイクアウトの飲食店でチップをいくら払うかは人それぞれであり、消費者は最低額のチップを選ぶことを恥じる必要はなく、チップを払わない場合でも説明する必要はないとも書いています。
デジタル決済の方法は何年も前からありましたが、専門家は、パンデミックによってチップを多く渡す傾向が加速していると述べています。コーネル大学のマイケル・リン教授（消費者行動論）によると、パンデミックの初期には、COVID-19で大きな被害を受けたレストランやその他のビジネスへの支援を示そうと、消費者はより気前よくチップを払っていたそうです。多くの人は純粋に助けたいと思い、ウイルスに感染するリスクの高い仕事をしている労働者に同情的であったと、リン氏は言う。
デジタル決済手段を運営する最大手のSquareによると、2022年第3四半期にフルサービス・レストランのチップは25.3％増加し、クイックサービスやカウンターサービスのレストランのチップは2021年の同時期と比較して16.7％増加した。同社が提供するデータでは、2019年以降の同期間は継続的に増加している。
チップの要求が一般的になってきたため、余分なお金が必ずしも保証されないにもかかわらず、より多くの労働者を誘致するために求人情報にそれを広告する企業もあります。
12月、スターバックスは、同社の時間給労働者を組織するグループが求めていた、店舗でのクレジットカードやデビットカードによる取引にチップを支払うオプションを新たに導入した。それ以来、スターバックスの広報担当者は、クレジットカードとデビットカードの取引の約半分にチップが含まれており、現金やスターバックスのアプリで受け取ったチップと合わせて、チップを受け取った日のバリスタの労働時間に基づいて分配されると述べている。
マレー州立大学のカラバス教授によると、過去にサービス業で働いた経験がある人など、一部の顧客はクイックサービス業の従業員にチップを渡したいと思っており、自動的に要求されても苛立たないだろうとのことです。しかし、他の客は、チップを要求されることに苛立ちを感じると、その店に再び足を運ぶ可能性が低くなるかもしれない、という研究結果もあるという。
最終的な金額も、顧客の反応に影響を与えるかもしれない。カラバ氏は、他の研究者と行った研究で、支払額を操作したところ、小切手が高額になると、消費者はチップの要求に対してそれほど苛立ちを感じなくなることがわかったという。つまり、コーヒーショップが20％のチップを要求するのに最適なタイミングは、例えば4ドルの小さなカップではなく、4、5杯のコーヒーを注文したときかもしれない、ということである。
消費者の中には、チップの額に関係なく、チップの要求を無視し続ける人もいるかもしれない。
ニューヨーク在住の靴と服のデザイナー、マイク・ジャナヴィー氏は、「会社に勤めているのなら、その会社のために仕事をする人に対してお金を払うのはその会社の仕事だ」と言う。「従業員に給料を払うために、すでに消費者がお金を使っているのに、お金を支払うなんて。
フィラデルフィアのバリスタ、シェンカーは、ある程度は同意する。
「責任は絶対にオーナーにあるべきですが、それは一朝一夕には変わりません。そして、現状がベストなのです。」
タイのチップ事情
今、アジアの中で積極的に外国人観光客を受け入れているタイのチップの相場を調べてみましょう。１バーツは５円。
- ホテル：安いホテルは20バーツ、ミドルクラスのホテルなら40～50バーツ、最高ランクのホテルなら100バーツ
- レストラン：飲食代金の5%～10％。ただし、飲食代金に10％のサービス料が含まれている場合は、チップは払わなくてもいい。
- ガイド給料も高めなので、チップはいらないので渡さなくて大丈夫です。
- タクシー：タクシーの運転手はおつりをチップとして認識しています。荷物の積み下ろしなど運転以外のことを手伝ってもらった場合は、おつりとは別に20バーツほど渡すのが一般的です。