利上げの中で住宅ローンは変動型か固定型か?

新規借り入れの変動金利は上昇する

日本銀行は7月28日の金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(YCC)に運用を柔軟化する措置を決定しました。この結果、住宅ローンは変動型金利が上がらず、固定型金利が上昇すると言われています。しかし、変動型については、基準金利が変わらないので、すでに住宅ローンを設定している人の金利は上がりませんが、これから借りる人の金利は、ディスカウントの金利が適用されないために金利が上昇するのだそうです。

急激に金利が上昇すると変動型は損をする場合もある

日本人は、変動型で住宅ローンを借りる人が多いのですが、急激に金利が上昇すると固定金利で借りた人は損をする場合もあるそうです。また、今後金利が上昇すると、変動型のメリットは徐々に薄れることもあるとのことです。

今までは、変動型を選んでいれば良かったのですが、これからは両者を比較して決定することが必要のようです。


YAHOO!JAPAN ニュース2023年6月24日

「住宅ローン金利」は上がる? 日銀の利上げとの関係を解説!

日本銀行(以下、日銀)の政策金利についてよく報道されていますが、住宅ローンにどう影響するのかよく分からないという人もいるかもしれません。

住宅ローンの変動金利は日銀の政策金利に、固定金利は10年国債の利回りに連動します。また、住宅ローンの金利には変動金利と固定金利、そのミックス型などがありますが、既に借り入れ中の人はもちろん、これから借りる人も金利は大きく上がりそうにありません。

本記事では、難しいと思われがちな政策金利と住宅ローンの関係を解説します。

政策金利とは

日銀が設定する政策金利とは、日銀が景気や物価をコントロールするために、金融機関から預け受ける当座預金の一部に適用する金利のことです。一般的には、景気が加熱してインフレ傾向になると政策金利を引き上げて経済の過熱を抑え、反対に景気が冷え込んでデフレ傾向になると政策金利を引き下げて経済を刺激します。

また、厳密な意味の政策金利ではありませんが、日銀は政府の借金である国債を大量に買い入れているため、10年物の国債利回りの上限は従来の「0.25%程度」から「0.5%程度」と引き上げられています。日銀がコントロールしている金利をまとめると次のとおりです。

(1)日銀当座預金金利

短期金利を誘導し、住宅ローンの変動金利に影響を与える

(2)10年物国債利回り

長期金利を誘導し、住宅ローンなどの長期金利に影響を与える

住宅ローンに適用される金利

住宅ローンに適用される金利には、主に次の3種類があります。

●変動金利

一般的には半年ごとに金利が見直され、5年ごとに返済額が見直されます。金利の動きによっては、将来の返済額が変わる可能性があるのが特徴です。固定金利型に比べて金利は低く設定されています。

●固定金利(全期間・固定期間)

一定期間、金利は変わりません。金利が固定されている間は返済額も一定で、変動金利型に比べて金利は高く設定されています。10年物国債の利回りによって変動します。

●ミックスタイプ

変動金利と固定金利を組み合わせたミックスタイプの住宅ローンも存在します。

これから変動金利と固定金利はどうなる?

現在住宅ローンを借りている人の金利は、大きく上がりそうにありません。理由をそれぞれ解説します。

◆変動金利

変動金利で借り入れしている場合には、金利の変動により返済額が大きく増えないように、2つのルールが定められていることが多いです。

5年ルール(適用利率が変更されても、返済額は5年間一定で変化しない)
125%ルール(5年ごとに返済額は見直しされるが、新しい返済額は従来の1.25倍を超えて増えない)

ただし、すべての変動金利型の住宅ローンにこの2つのルールが設けられているわけではないので、不安な場合は借入先に確認してみましょう。

◆固定金利

固定金利は、借入時または一定期間の金利が固定されているので、10年物国債の利回りが上がったからといってすぐに影響するものではありません。全期間固定金利であれば返済まで影響はありません。

一定期間の固定金利を選択している場合でも、更新時に固定金利を継続するか、変動金利に変更するか、有利なほうを選択できるので、既に借り入れが終わっている人の影響は限定的といえるでしょう。

既に借りている人の金利は大きく上がりそうにない

日銀は消費や投資の動向など経済的な情勢が整うまで、変動金利の判断材料となる短期金利を上げようとしていません。また、固定金利の判断材料となる10年物の国債利回りを上げてしまうと、償還時に政府の支払いが増えてしまうことも上がりにくい理由ともいわれています。

現在の経済情勢が続く限り、当面は金利によって住宅ローンの負担は増えそうにありません。しばらくは安心ですが、長期的には利上げがあるかもしれません。これからも金利の動向に注視が必要です。


ダイヤモンド・ザイ 2023年1月23日

住宅ローンは「変動金利⇒固定金利」に借り換えるべ
きか?

固定金利が上昇し始めた今、変動金利の金利上
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【住宅ローンに関するお悩み 】

金利上昇への対応は? 変動金利の人は固定金利に借り換えるべき?

すでに住宅ローンを組んでいて、変動金利を選択している場合、固定金利に借り換えるかどうかが悩みどころだ。

本格的な利上げが始まると、変動金利もどんどん上がってしまう可能性があるので、返済額を膨れ上がらせないために、利上げが始まる前から固定金利に借り換えておいたほうがいい、という説もある。しかし、今のように変動金利が下がり、逆に固定金利が上がっている中で、結論を下すのはなかなか困難だ。

そもそも、昨年末に実質利上げがあったからといって、変動ローンの適用金利がすぐに上がることは想定しづらい。住宅ローン評論家の千日太郎さんは「日銀が変動金利の元になる政策金利を利上げできない状況になる可能性は、十分ある」と分析。一方で「日銀には、将来は利上げしたい意思があることも顕在化してきた」とも指摘する。つまり、金利上昇を想定した点検と備えはしておくべきなのだ。

まずは、金利が上昇しても毎月の返済額アップに耐えられるか、あるいは、返済額軽減型の繰り上げ返済で、毎月の返済額がアップしないようにできるか試算してみよう。

仮に、金利0.4%で3000万円借りていた場合、金利が0.5%上昇したら、月額で約5000円の負担増。2%上昇すると、約2.4万円の負担増となる。ただ、返済額軽減型の繰り上げ返済に回せる貯蓄などが約630万円あれば、たとえ金利が2%上昇しても、毎月の返済額は増やさずに済む。

「プチバブル」と呼ばれた2000年代後半でさえ、変動金利は2%未満だったので、2%上昇したケースでも耐えられるなら、当面のリスクは低いと考えていいだろう。

また、残債が1000万円以下だったり、返済の残り期間が10年以下だったりする場合も、一般的に借り換えは不要とされる。手数料など借り換えのコストで損する場合も多いし、仮に元金の返済が進んだ数年後に金利が1~2%上昇したとしても、返済額の増額はわずかなので、ちょっとした節約で乗り切れる可能性が高いからだ。

ほかにも、遠くない将来に自宅の売却を予定している人や、いざとなれば自宅を売却して完済できる人も、金利上昇リスクに耐えられるので、積極的な借り換えは不要だろう。むしろ、今借りている変動の低金利の恩恵を享受するべきだ。

逆に、点検の結果、将来的な金利上昇リスクに耐えられそうにないと判断した人は、今すぐに家計改善や貯蓄の充実を図るほか、固定金利の住宅ローンへの借り換えも検討し始めるようにしたい。

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