iDeCoの節税効果

来年はiDeCoの限度額が引き上げられるそうです。

iDeCo掛金を所得から控除する措置 限度額を引き上げ

公的年金に上乗せする個人型の確定拠出年金=iDeCoは、掛金を所得から控除=差し引くことができる優遇措置が設けられていますが、その限度額を引き上げます。

勤務先の企業年金に加入している会社員の場合、現在はiDeCo自体の掛金は月額2万円を上限として企業年金との掛金の合計が5万5000円に達するまでが限度となっています。

この合計の限度額を7000円引き上げ、6万2000円とします。

また、現在は、企業年金の内容によっては合計の限度額に達することができないケースもあることから、これにあわせて、iDeCo自体の掛金の上限も引き上げます。

一方、企業年金がない会社員のiDeCoの掛金上限額は現在2万3000円ですがこれを6万2000円に、自営業などの場合は国民年金基金の掛金との合計額が6万8000円でしたが7000円引き上げて7万5000円とします。

賃金が上昇していることや老後の資金確保のニーズが高まっていることを受けた見直しとなりました。

それでは、どれほど節税効果があるか、現在の制度で見てみましょう。


DIAMOND online

2021.12.19

もしも勤務先に企業年金のないAさんがiDeCoに入ったら、10年でいくら節税できるのか?

10年単位でみると、節税効果は大きい

もしも勤務先に企業年金のないAさんがiDeCoに入ったら、10年でいくら節税できるのか?

IT企業に勤務していて勤務先に企業年金のないAさんがiDeCoに加入したとします。掛金の上限額を拠出したとしたらどうなるでしょうか(課税所得は300万円とします)。

Aさんは、所得税と住民税を合わせると5万5200円の節税効果がありました

10年でみると、Aさんは55万2000円、税金が減ります20年続けたとしたら軽減効果は、累計で約110万円にもなります(税率を一定と仮定した場合)。

それ以外にも、iDeCoを利用し積み立てを始めて、ご夫婦の課税所得が減ると、市町村民税の所得金額に比例して課税される住民税額(所得割額)も下がるので、例えば0~2歳児の保育料が下がるケースもあります。

なお、会社員は毎年12月から1月にかけて会社から受け取る「源泉徴収票」をみて、「給与所得控除後の金額」から「所得控除の額の合計額」を差し引くと、「課税所得」を計算できます。

会社員で、預金口座から口座振替で掛金を納めている場合、年末調整のときに「掛金払込証明書」を会社の担当部署に提出すると、払い過ぎた所得税が還付されて12月の手取り金額が増えますし、翌年の住民税も安くなります(自分で確定申告をしてもよい)。

もしも勤務先に企業年金のないAさんがiDeCoに入ったら、10年でいくら節税できるのか?

条件を変えてみます。

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iDeCoシミュレーション
条件を入力する

拠出上限/年額 240,000円(月額20,000円)

第一号被保険者(自営業者等)の方は、課税所得の金額を入力してください。

あなたの年収 800万円 

国民年金被保険者であれば最大65歳未満まで加入することができます。第1号被保険者(自営業者等)、第3号被保険者(専業主婦・主夫)の方は60歳以降に任意加入被保険者にならないと、拠出期間が60歳までとなりますのでご注意ください。
あなたの年齢  35歳
企業型DCやDB等の他制度に加入している方(公務員の方含む)は、拠出上限額が右のスライドの上限額を下回る可能性がありますのでご注意ください。(ご自身の拠出上限額がご不明な場合はお勤め先にご確認ください)
毎月の掛金  2万円
移換資産 :企業型DCに加入していた方が退職または転職した場合の、これまで積み立ててきた年金資産 10万円  

確定拠出年金の受け取りを開始する年齢を選択してください。

受給開始年齢  35歳
扶養配偶者 なし

配偶者以外に扶養している親族がいる場合は、人数およびそれぞれの年齢を選択してください。(最大8人まで)

扶養している親族  0

 

拠出時のメリット

税制上の優遇額の確認

掛金を所得から控除することができるので、所得税と住民税が優遇されます。

税制メリット:年間73,000円

1年あたりの税制メリット内訳

所得税のメリット 49,000
住民税のメリット 24,000
合計 73,000

65歳までの累計

掛金の拠出期間を65歳までの 30年 とすると
2,174,000が優遇されます。

運用時のメリット

運用益非課税額(通常は課税対象となる額)の確認

確定拠出年金の運用益は非課税であり、運用時にもメリットがあります。

  • 税制メリット
  • 運用利回り:10.0%で
  • 運用期間 30年の場合:7,140,361

運用益35,701,806積立元本7,300,000運用結果43,001,806

受取時のメリット

受取金額の確認

確定拠出年金は、受取の際に「一時金での受取」「年金での受取」が選択できます。受取方法により「退職所得控除(一時金での受取)」「公的年金等控除(年金での受取)」の優遇が受けられます。

一時金での受取
※確定拠出年金のみを想定した金額

65歳にまとめて受取38,517,806

【退職所得控除について】

退職一時金に係る税金は、勤続年数に応じた退職所得控除額が設けられています。

退職所得控除額の計算式は、

・勤続年数20年以下:40万円×勤続年数

・勤続年数20年超:800万円+70万円×(勤続年数-20年)

となります。

退職一時金に対して算出した退職所得控除額を差引き、差引き後の金額に対して2分の1をかけた金額が「退職所得」となります。

退職所得に対して、所得税、住民税がかかります。

確定拠出年金を一時金で受け取る場合、この退職所得控除が適用になります。

(拠出年数を勤続年数として計算します)

※他に退職一時金がある場合、併せて受取る・受取る時期が異なる等により、算出方法が異なるケースがありますのでご注意ください。

※第三号被保険者にも適用されます。

  • 年金での受取
    ※確定拠出年金のみ65歳からの受取を想定した金額

    5年間で受取 毎年 8,096,711
    10年間で受取 毎年 4,077,419
    15年間で受取 毎年 2,734,278
    20年間で受取 毎年 2,071,334

    【公的年金等控除について】

    確定拠出年金を年金として受取る場合、他の公的年金等と併せて公的年金等控除が適用されます。

    受け取る年金から一旦 7.6575%(受取年が2038年以降の場合は7.5%)源泉徴収されますが、源泉徴収された所得税額がある場合、実際よりも多く源泉徴収されていれば、確定申告をすることにより、還付を受けることができます。

    ・本シミュレーションは確定拠出年金のみを受取る前提としています。

    ・本シミュレーションでは「公的年金等に係る雑所得以外の合計所得金額が1000万円以下」の前提で算出しています。(以下の図表はその前提での公的年金等控除額を表しています)

    図表1:公的年金等控除額
    その年中の公的年金等の
    収入金額の合計額(A)
    65歳未満の者 65歳以上の者
    130万円未満 60万円 110万円
    130万円以上 330万円未満 (A)×25%+27.5万円 110万円
    330万円以上 410万円未満 (A)×25%+27.5万円 (A)×25%+27.5万円
    410万円以上 770万円未満 (A)×15%+68.5万円 (A)×15%+68.5万円
    770万円以上 1000万円未満 (A)×5%+145.5万円 (A)×5%+145.5万円
    1000万円以上 195.5万円 195.5万円

    ※65歳未満であるかどうかの判断はその年の12月31日の年齢によります

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