NISAの利用状況調査

最近はNISAの話題を聞くことがあまりなくなりましたが、自動積立でコツコツ貯めている証拠かもしれません。


個人投資家のNISAをめぐる動向

(2025年7月25日)Quick MoneyWorld

今回は、個人投資家のNISAをめぐる動向についてご紹介させていただきます。日本証券業協会(以降、日証協)が実施したアンケート調査では、新NISAの利用者属性は、年収300万円未満の層が約4割を占めるなど幅広い所得層で利用されていることが分かりました。

図1 新NISA利用者の属性(年収分布)

新NISA利用者の属性(年収分布)

また、投資経験10年未満の利用者が65%以上を占めており、NISAが投資のきっかけになった様子が伺えます。家族でNISA口座を開設している割合も過半数を超えており、NISAの浸透が家庭単位で進んでいる様子が分かります。

図2 新NISA利用者の属性(NISA口座を開設する家族)(複数回答)

新NISA利用者の属性(NISA口座を開設する家族)(複数回答)

NISA口座の開設年について最も多いのは、制度が刷新された2024年に開設した人で特に20代以下の若年層でその傾向が顕著です。

利用開始のきっかけとして、若年層ではインターネットや周囲の影響が大きく、高齢層では、制度改善や税制優遇が動機となっており、利用目的は、「将来・老後の生活資金」の割合が最も高く、つみたて投資枠でその傾向がより強くみられています。

購入資金の出所としては、「預金・給与所得・年金」が約75%を占めており、新たな資金がNISAに流入していることが示唆されています。

2024年における各月の買付額上位10銘柄をみてみると、複数の月で新規上場銘柄が含まれておりました(日証協が調査対象とした証券会社10社での調査)。NISAを通じた新規上場銘柄の取引が行われ、株式市場へニューマネーが供給されていたことがこちらからも伺えます。

新NISA調査では、つみたて投資枠・成長投資枠の両方とも利用した人の割合は各々の利用者からみて約半数であるとの結果が出ています。

図3 新NISA購入枠の概況

新NISA購入枠の概況

購入金額の平均は、つみたて投資枠で約47万円、成長投資枠で約103万円となっており、年収が高いほど非課税投資枠の上限まで活用する傾向がありました。

購入銘柄は、つみたて投資枠では全世界株式のインデックス型投資信託が主流であり、成長投資枠では日本国内株式が約半数を占めています。

図4 2024年中の新NISAにおける購入銘柄のタイプ

2024年中の新NISAにおける購入銘柄のタイプ

2025年1月に実施した新NISA調査では、2024年中につみたて投資枠及び成長投資枠において、1銘柄も売却していない者が約8割であると確認できています。このことからも、中長期的な視点でNISAは利用されている可能性があると考えられます。

「貯蓄から投資へ」の流れは明らかに動き始めており、NISAはより一層、今後の資産形成の一助となることが想定できます。


新NISA、若年層の情報収集は「SNS」が中心

QUICK資産運用研究所

■情報収集、「金融機関のウェブサイト」が1位

新NISA(少額投資非課税制度)の利用や商品選びについて、どこから情報収集したか聞いたところ、新NISA利用者の1位は「金融機関のウェブサイト」(30.0%)だった。2位は「SNS(ユーチューブやインスタグラム、X=旧ツイッター=など)」(28.6%)、3位は「新聞やテレビ・ラジオ」(20.2%)だった。

一方、新NISAの未利用者(利用しているか「わからない」と回答した人は含まない)では、「特に情報収集をしなかった」が64.9%にのぼった。

■40代以下の1位は「SNS」

新NISA利用者を年代別に分け、上位5位までのランキングを比べてみると、40代以下の年代で「SNS」が1位だった。特に30代は回答比率が44.4%、18~29歳は38.6%と高い。

これに対し、年代が上がるにつれて「新聞・テレビ・ラジオ」の順位が高くなった。40代で5位、50代で3位、60代で2位、70~74歳では1位だった。若い年代の情報収集はSNSが中心で、年代が高いほど新聞など従来のマスメディアから情報を得ている割合が増えることがわかった。


■新NISA利用者は全体の3割

一方、新NISAを利用していない割合は57.2%、「わからない」と答えた人の割合は11.8%だった。

■新NISA利用者のうち「両枠利用」が4割強

新NISA利用者の内訳を投資枠別に見ると、成長投資枠とつみたて投資枠の両枠利用している割合が40.8%を占め、「つみたて投資枠のみ」(33.4%)や「成長投資枠のみ」(25.8%)を上回った。

新NISA未利用者(不明を除く)の内訳は、「新NISA口座を開設していない」が90.7%とほとんど。「新NISA口座を開設したが、利用していない」は9.3%だった。

■新NISAの利用割合、金融知識レベルで差

新NISA利用者の割合(成長投資枠のみ・つみたて投資枠のみ・両枠利用の合計)を年代別に分けてみると、30代が35.6%で最も多い。18~29歳の32.5%、40代の31.8%が続いた。さらに投資枠別では、年代が高いほど「成長投資枠のみ」の利用者が多く、若い年代ほど「つみたて投資枠のみ」の利用者が多い傾向にあることがわかった。

また、金融知識レベルが高いほど、新NISAを利用している割合が多い傾向も確認できた。金融知識が最も高い「Aレベル」は利用者の割合が62.0%だったのに対し、最低の「Dレベル」は13.7%にとどまった。

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