◎今日のテーマ:東大教授で投資家の本多静六
本多静六は、日比谷公園を設計したことで知られる、林学博士で東大教授です。
旧引き、積立投資、分散、そして巨額の匿名寄付
幼少時に父親を亡くした経験とドイツ留学での教授の教えから倹約に努め、投資家として巨万の富を築いたのですが、退官を機に匿名でほぼすべてを教育等に寄付しました。収入の1/4は必ず貯蓄をし、貯金と株式投資によって分散投資を実施しました。現在で言うならば、給与天引きで、iDeCo、つみたてNISAだけでなく特定口座で、日本株式のファンドに投資したようなものです。明治から大正にかけて、日本の景気が良かったので、資産価値も増加したのでしょう。とても先見の明のある人です。巨万の富のほぼすべてを寄付するところはウォーレン・バフェットに似ています。
最下位で入学、トップで卒業、ドイツ留学、東大教授
本多は現在の埼玉県久喜市の生まれで、子供の頃は貧しかったのですが、苦学して東京山林学校(現在の東京大学農学部)に最下位で入学し、首席で卒業しました。
日比谷公園設計
林学が専門でドイツに留学しました。日比谷公園は、日本最初の本格的西洋式公園にすることが決定し、ドイツの庭園の思想を学んだ本多が設計しました。
孫が光触媒研究
元彰義隊隊長、本多敏三郎の娘・詮子と結婚し婿養子となりました。 孫に、光触媒研究の本多健一がいます。私の家の外壁は光触媒なので、建築後十数年がたちましたが、汚れずきれいなままです。
なぜインデックスファンドを利用しないか
ところで巨額の資産のほとんどをビル・ゲイツ財団に寄付しているウォーレン・バフェットは、「一般の人はS&P500のインデックスファンドを買うのが良い」と言い続けているのに、なぜ、そうせずにヘッジファンドやアクティブファンドに投資する人が多いのでしょうか。そして、その傾向はアメリカにおいてよりも、日本において顕著だと思われます。その理由を考えてみます。
マスメディアは購読者より広告主の方が大事
最大の理由は、テレビ・新聞などのマスメディアがインデックスファンド、ETFの良い点を伝えないことでしょう。なぜ伝えないのでしょうか。マスメディアの広告主がアクティブファンドを売りたがっているからだと思います。従って、個人投資家は自分の努力で投資リテラシーを身につけなければいけないのです。
現代は個人投資家にとって素晴らしい時代
しかし、本多静六の時代に比べると、DC、iDeCo、つみたてNISA制度で税制優遇措置が取られていますし、<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド、eMAXIS Slim 先進国株式インデックス、1306(TOPIX連動型上場投資信託のETF)、1308等の低コストの商品も揃っています。外国にはSPY(アメリカSPDRのS&P500のETF)やVOOなどのETFもあって、簡単に購入可能です。個人投資家がやるべきことは、多少の倹約をして証券会社に申し込むだけです。良い時代になったものです。