「富裕層に学ぶ外貨投資術」(日本経済新聞社:尾河眞樹)の「参考になること、実践できること」を検討します。
◎今日のテーマ:富裕層に学ぶ外貨投資術の検討7
<ポイント6>長期的な見通しを持っておく
6名の富裕層にインタビューし、「『将来、世界や日本について、心配していること』という漠然とした質問をして、全員が即答」されたとのことです。「『長期的なリスク要因』について、何かしら独自の見解を持っておられることが分かりました。」
- 日本の財政に対する危機意識
は、ほとんどの方がお持ちでした。それ以外には
- 中国リスク
- 「サイクル論」から金融不安や自然災害
- 安全保障
- 少子化
- 世界の過剰流動性
等が挙がりました。上記について、私なりの考えを思いつくままに述べたいと思います。
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日本の財政に対する危機意識
やはり、富裕層は日本の財政に危機意識を持っているようです。それに対して、日本の一般の大衆は、ほとんど持っていないように感じています。私は10年以上前から、この問題を考え続けて、現在は金融資産の7割を外貨で保有しています。連れ合いも5割を外貨で保有しています。経済評論家の豊島逸夫氏は、資産の半分以上を外貨(金を含む)で保有し、参議院議員の藤巻健司氏はほとんどを外貨MMFで保有しているそうです。経済評論家の山崎元氏は、現金預金以外の運用している資産をすべてVT(バンガード社の世界のETF)で運用しているそうです。どのように、自分の資産を守るかは、人によって違うでしょうが、不動産と外貨預金が大きな柱になりそうです。
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中国リスク
中国の貿易黒字、中国製造2025、南シナ海問題などは、トランプ大統領だけでなく米議会を本気で怒らせてしまったようです。中国は世界制覇をもくろんでいるのでしょう。西方からは一帯一路を進め、東方からは「太平洋の西半分を中国、東半分をアメリカで分けよう。」と習近平がオバマに持ちかけました。日本は、社会福祉費でアップアップですが、中国は第一優先を軍事やコンピュータ分野に置き、社会福祉は二の次です。30年前の天安門事件の際、中国の高官は「中国人が100万人死んでも、どうってことは無い。」と言っていたそうです。中国から見て、太平洋への出口に位置する日本は難しい国であり、日本から見ても中国リスクは大きいですね。
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「サイクル論」から金融不安や自然災害
IT化が進んで在庫調整が適切に行われるようになったので、以前よりはサイクルの問題は小さくなっているかも知れません。日本にとっての自然災害、とりわけ、首都直下大地震、南海トラフ地震は近い将来やって来る大きなリスクです。この時を狙って、ヘッジファンドは円売り、日本株売り、債券売りを仕掛けてくる可能性は大いに考えられるところです。
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安全保障
最大の脅威は中国でしょう。しかし、他にも、ロシア、北朝鮮があります。集団で対抗できるヨーロッパと日本の違いですね。
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少子化
人口の問題は、最も予測しやすい問題ですので、リスクというよりは、所与の課題とした方が良いでしょう。それを前提として対処するしかありません。
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世界の過剰流動性
2019年初めに、アメリカの利上げが凍結され、日米欧とも過剰流動性の状態がしばらく続きそうです。株価にとっては望ましいですが、バブルが進行するかもしれません。しかし、この問題は、私が対策を立てられる問題ではないような気がします。